つつこ引き祭りに行ってきました。福島県・伊達郡保原町の厳島神社で、毎年3月の第1日曜日に行われる裸祭りです。
 
去年は愛知の中田はだか祭りに参加したのですが、今年はつつこ引き祭りに参加です。ちょうど開催日が「JR東日本パス」って言う乗り放題キップの対象日だったため、福島までオール新幹線なのにたったの\8,000円で行ってくることができました。前日まで雨が降っていて天気が心配だったのですが、当日の朝は高崎は良い天気で、大宮に着く手前では新幹線からすっごいハッキリと富士山が見えて感動モノでしたよ。いつもは急行なので新幹線はやっぱり快適(^^)。この乗り放題キップは新幹線にも乗れるので混雑するらしいんだけど、行きは高崎始発で大宮の乗り換えは指定席を取っておいたのでずっと座って行けたのでした。
 

 
福島からは阿武隈鉄道って言うローカル線で保原まで向かいます。単線ですっごい長閑な景色です。20分ほどで到着。駅には先に到着している知合いの方達が待っていてくれました。保原駅前は太い道路は通っているものの、お店などはほとんどありませんでした。駅から歩いて5分程の所にある「岩の湯」って言う風呂屋さんが集合場所です。風呂屋と言っても見た感じ年季の入った普通の一軒家でした。奥に見えるながーい煙突が唯一の証かな。建物の前には既に参加者が集まっていて、受付が開始されるところでした。参加者には蘇民祭で良く見る方が何人もいました。東海地方の祭りと面子が違うのでちょっと新鮮です。皆それぞれテリトリーを決めて回っているんですよね。
 
入口前に置かれたテーブルで申込用紙に住所氏名を記入して、お祭りセットを受け取ります。一応、事前登録しておいたのですが、再記入しなきゃいけなかったり、足袋のサイズも無かったりで、やっぱりココも飛び入り参加でOKのようです(^^;)。中に入ります。サッシ戸を開けるといきなり脱衣所丸見えの作りで、既にかなり混雑していました。風呂に入ってどんどん着替えしている状態で、壁にくくり付けの脱衣棚に空いてる場所を確保して裸になり浴場へ。1畳くらいの小さい湯船にキツキツ状態で入ります。ふぅ〜痩せた影響で最近すっかり寒がりなのでホント気持ちイイ。ちっちゃいタイルが張り詰められた壁に、黒ずんだカランの赤と青のボタン。腐りかけの鏡の木枠とか。もぉーすっごい趣のある風呂屋さんでした。幼稚園児の頃、風呂屋に行った思い出が蘇ってくるような懐かしい感覚です。
 
風呂から上がって脱衣所では褌締めてもらう順番待ちです。オニギリとかの食べ物と日本酒が用意されていました。福島駅で時間が余ったので食べてきてしまったから、日本酒飲んで待ちます。この祭りの格好は、晒しの腹巻、まわし風の褌、白い法被、白足袋、チームカラーの鉢巻(赤、黄、白でオレは白組)です。褌は晒しではなく厚手のキャンバス生地でした。相撲のまわし程は分厚くないのですが、きつく締めても晒しの様な肌への食い込みが少なく、股がゴワつくことも無くて感触は良かったですよ。それを晒しの腹巻をした上から締めます。締め方はまわしの締め方と同じ様ですが前垂れは折り畳まないで垂らしたままです。前垂れ部分には「厳島神社」って文字が入っているんだけど、半分くらいの人の物は擦れて読めなくなっていました。いろんな褌が体験できるのも裸祭りの魅力ですね。ぶっといまわし風の褌はカッコイイのだ(o^_^o)。
 
普通、腹巻付きの褌を締める場合には、六尺褌状態に締めてから余った晒しを腹に巻いていくのだけど、この祭りでは最初に腹巻を巻くのです。腹巻を巻いてもらう時って手を上げた状態でぐるぐる回るんですよ。だから、その間チンコ見放題なワケ(>_<)。地元のノンケさん達は結構恥ずかしい人も多いみたいで、順番待ちしてる時にキッチリ手で隠していたり、パンツ半ケツ状態にしてぎりぎりまで脱がなかったりするんです。だけど、晒しを巻いてる時には隠すに隠せなくて…小振りのチンコに気まずそうな顔でぐるぐる回っているのを見ていると、なんか久々に裸祭りの着替えで興奮してしまいました。。。(>_<)/くぅ〜。皆が着替え終わってもまだ時間があるらしく、脱衣所の中で飲み食いしたり、外で記念撮影しながら過ごします。お風呂屋さんでは記念品を販売していたのですが、なんとその中に、祭りの木札を発見!即ゲット!裸祭りで木札を売っている所なんで初めてで、やっと木札が手に入ったのですごく嬉しかったのでした(^^)v。
 

 
1時。そろそろ出発です。福島に着いた時には雨がパラついていたのですが、この時間にはすっかり良い天気。日差しも暖かく、脱衣所の中は熱気で蒸し暑かったので、外はめちゃくちゃ気持ち良かったです。風呂屋の前で一塊になって、厳島神社に向かいます。前の道を進むと交差点があり、その向こうに神社はありました。この交差点が祭りの舞台になるようで、沢山の人が集まっていました。交差点を中心に三方の道路を100mくらい行った所に「決勝点」って書かれた横断幕が張られていました。神社に到着すると、そのままお堂の中に入ります。お堂の中にはすっごい大きな俵が置かれていました。ドラム缶を横にしたくらいの大きさで、ワラで編んだ極太のしめ縄が巻き付けてあります。これが祭りの主役「つつこ」です。一斉につつこに取り付くと皆で持ち上げてお堂から運び出します。お堂の入り口で一旦停止して記念撮影タイム。再び持ち上げて境内の外に運びます。
 
神社の前には井桁状の土台が用意されていて、これに「つつこ」を括り付けて神輿の様な状態にして担ぎ進みます。交差点を中心に行ったり来たりして結構長い時間担ぎました。背が低い人が多かったからか、すっごく担ぐの大変で、腰と肩がかなりヤバかったです。途中、何度か休憩した時に「つつこ」の上に乗っている人がビニール袋に入った小さい餅を見物人に投げます。遠くに投げればいいのに、下手なのかオレらの足元にも餅がばらばら落ちてきます。「餅は見物人が取るための物なので、参加者は取らないようとに…」って事で参加者は予め餅を貰っているのに、もぉ〜壮絶に奪い合っちゃう参加者がいて、何度も体当たりされて参ったです。担ぎが終わると「つつこ」を交差点の真ん中に置いて土台を外します。すると、〜競争を行いますぅ?みたいなアナウンスが流れ、鉢巻の色毎に決勝点の横断幕付近に集まります。「つつこ」には棒の様なものが何本か立てられ、どうやら棒取り競争をするみたいです!なんか、すごい意外な展開…とか思っていると「よーい!」もなく「ドン!」の音が鳴り響き、あまりのフェイントに戦意喪失で形だけ…走っときました。トホホ。
 
それから、「つつこ」の周りに皆集まり手締めを行った後、一斉に法被を脱ぎます。鉢巻の色の順番に「つつこ」に取り付いて「ワッショイ!ワッショイ!」って掛け声と共に「つつこ」を腰くらいの高さまで持ち上げて落とす、持ち上げて落とすっていう動作を何度も何度も繰り返します。だいたい10回くらい行うと「赤集まれ〜」とか「白いくぞぉ〜」とか言って持ち手の交代が行われ、たまに「つつこ」を担ぎ上げて遠くに移動させたりしながら、これが延々と続きます。「つつこ」はしっとりと湿っていて生暖かく、地面に落とすと体育館のマットを運んだときの様な埃っぽさと匂いがしました。ワラの塊なので掴むとどんどん抜け落ちて交差点付近はワラだらけになっていました。この行事が実に長くて、本来ならココでいわゆる「お祭りハイ」を感じなくてはいけない所なのだけど、なんかイマイチ楽しめませんでした〜。イカンイカン(>_<)。なんかね、おじいちゃんカメラマンのマナーがすっごい悪いの。参加者の前に割込んで撮っちゃうのはまだしも、「つつこ」を撮りたいのでみんな脚立を持っているのだけど、移動のときに力がないから多くの人が脚立を地面に引きずりながら移動するんですよ。何度もその脚立につまづいて転びそうになるし(-_-#) でも、脚立登れるの?ってくらい足元ふらついていて…カメラ持つ手もふらふら…冥土の土産になるのかなぁ〜とか思うと怒りも萎えてしまうのだけど…。
 
いよいよメインイベントの「つつこ」の引っ張り合いです。綱引きのようにして引っ張るのかと思ったら「つつこ」自体を掴んでの引っ張り合いでした。それぞれの「決勝点」に持っていったチームが勝ちです。で、始まったのですが…早々に赤組の方に「つつこ」がどんどん動いてあっさり赤組の優勝が決まってしまいましたー!なんかあまりの見事な勝ちっぷりで、すっごい不思議だったのだけど、後から聞いた話によると実はデッキレースなのだそうです。マジ勝負にしちゃうと延々と勝負が着かなくなるので、持ち回りで優勝が決まっているのです。確かに三者の綱引きだから、どこかが有利になると必然的に1対2になってしまうので勝負は着かなそうですよね。。。
 
最後は「つつこ」を神社まで運んで解体します。切り開いてワラを解していくと、ものすごい湯気が立ち上ります。つつこは前の晩にお湯をかけて置くそうで、その熱なのか、行事の最中に発生した摩擦熱なのか良くわかりませんが、燃えているのかと思うくらいのすごい煙でした。「つつこ」の中心にはもち米が入っているそうで、見ていたらビニールに包まれた物体が取り出されていました。2Lペットボトルを二つ繋げたくらいの大きさかな…えらく小さいですね。もち米は「つつこ」を地面に叩きつける事によってお餅になっているそうです。中身が取り出されると、温まったワラを参加者や見物人皆で投げ合います。ご利益があるのか持ち帰っている人もいました。暫くして、お堂の所で「ミスターつつこ?」の表彰式が始まりました!最初の競争といい、なんとも意表を突く展開ですっ。三人選ばれるのですが、全員地元の人からだと思っていたら、最後の一人に知合いが選ばれてビックリ!地元のテレビ局のインタビュー受けたりして、なんかすごい羨ましかったですっ。
 

 
祭り終了。風呂屋に戻ります。既に帰っちゃった人も多いのか、最後の風呂はゆっくり浸かれましたぁ〜。地元の人たちともいろいろ話できたし、「ミスターつつこ」に選ばれた地元の髭親父さんとも一緒に風呂入れたのでラッキー(^o^)v これがまたイイ男なのだ。帰り際に、お神酒と「つつこ」の中に入っていたお餅、ご祝儀まで頂きました。お餅は、ほんの一口なのだけど、赤飯なのかな?うっすら赤みががっていて半づき状態でした。
 
帰りの新幹線は、なんとか大宮までは座れたので一安心。時間が早かったので都心まで出て買い物もしたかったけど、結局近場の大宮で済ませてしまいました。でも、すごいカワイイ真空マグがゲットできたので良しとしよう。今回はちょっと不純な部分に喜びを見い出し過ぎてしまいましたが…(^_^;;; 地域柄なのか個性なのか、地元参加者は素朴で気さくな方達が多くて、気持ち良い出会いが沢山できましたよ。今シーズンの裸祭り巡りはこれで終わり、3ヶ所しか参加できなかったけれど、年1〜2ヶ所くらいのペースで、細く長く回るのも楽しいのかなーって思いました。