孤島パズル

    テキスト創元推理文庫
    季節とアリスの学年
夏休み中(82〜7日)/二回生



望月は椅子からずり落ちながら右手を差し出した。「貸して」(11p)

  ・
膝を乗り出して座布団からはみ出しかけたり、椅子からずり落ちたり…モチ、こういうのが好きなの?


「そう、英都大学推理研の選抜メンバーが、ですね」
僕がまぜ返すように言うと望月はムッとなる。
「ぬかせ、お前はただ俺や信長より暇人やっただけやないか。」(17p)

  ・
またしても張り合う、モチとアリス。
  ・こういう時、あとの三人はどんな顔してるんでしょうか(笑)


無駄だとマリアが言うのに、望月はまだ地図と睨めっこしている。(19p)

  ・
単に諦めが悪いのか、本格マニアの意地か。
  ・尊敬する江神さんに追いつきたい一心のような気もするんですが。


江神さんはにっこり笑っただけなのに、僕は「うん」と大きく頷いていた。(29p)

  ・
美人を前にした時の反応が滅茶苦茶判り易いアリス。
  ・絶対、面食いに違いない(爆笑)


「言葉遣いが可愛くない」
「アリス、嫌われるわよ、そんなお舅さん」(41p)

  ・
確かにアリスのチェックは細かい。時として小煩いくらいです(笑)


「しんみりするなよ、少女探偵」
江神さんが人さし指をマリアの目の前に突き出した。(46p)


「最後に一つ二つ演技の咳を入れたら、『二回分は嘘』なんて見抜かれてびっくりしちゃった」
それと宝捜しとどういう関係があるのよ、と須磨子は言いたげだった。(50p)

  ・
もちろん、何の関係もありません。
  ・しかし嘘咳を見抜いただけで"名探偵"と言われるのも…
  ・一応、江神さんの名探偵ぶりは『老紳士は何故・・・・・・?』でマリアに対しても証明済み。


栗色がかった髪はマリアとは違って染色しているのだろう。(55p)

  ・
"赤毛のセミロング"と描写されるマリアの髪ですが、要するに栗色っぽいということ?


この人は別段ジグゾーパズルに興味など持っていないのだが、やり始めたらベストを尽くさずにはいられないのだろう。そんなところも僕がこの人を好きな理由の一つだった。(58p)


「一年中髪は切りません。髪の毛には霊力が宿っていますから」(60p)


江神さんも僕も、レストランに入って「俺も同じ」と人の注文にあわせるような主体性を欠いた性格ではなかったが、マリアがいると話が早くて便利な場面も多かった。(67p)

  ・EMC
の場合、部長以外は何れも自己主張強そうだけど、即断即決タイプはマリアだけかもしれない。
  ・要するに"批評家精神"は旺盛なんですよね。


僕は他の人たちのあまりに早いピッチに追いつけなかったので、まだ酔いが浅かった。(103p)

  ・
客人の中でも一番若輩者ということで、一応気を遣ったのでは。
  ・江神さんはさっさと沈没してましたが(笑)


面白いんだろうと思う。ただ、あなたのプレゼンテーションが下手で笑えなかった。(112p)

  ・
気に食わない相手に対するアリスの"内心の声"は非常にキツい。
  ・モロに私情が入ってる視点にも拘わらず、却ってそれがいい味出していると思うのは私だけ?(笑)


「この貴重な体験を活かして、秋の機関誌にオカルトミステリを一本書こうかな」
前を向いたまま言うと「題名は?」と彼女(※マリア)が訊く。
「決まってるやないか。――『夜泳ぐ』」(180p)

  ・
出来映えは、モチの書いた『傘』といい勝負のような気がする。
  ・部長から『C+』より上の評価をもらうことが出来れば、拍手喝采モノ(笑)


江神さんがコンコンとテーブルを軽く叩いてから僕を見た。どういう言葉で突っ込まれるのかと思ったが、ただ「俺も捜そう」と言ってくれただけだった。(187p)

  ・
こういうところが江神さんの優しさであり、度量の広さ。
  ・まあ、七歳も年下の後輩達がやらかしたドジに一々目くじら立てていたら、大人げないですが。


「ジグゾーパズルをしながら色んな話の相手になってくれる。聞き役に回ってハイハイ言うだけではなくて、生意気な意見をペラペラまくしたてたりもしてくれるから嬉しい。」(226p)

  ・
園部先生の江神さん評。
  ・豊富な知識(伊達に留年している訳ではないのよ・笑)に基づいた話題の多さは、いかにも江神さんらしい。
  ・すっかり気に入られてしまったようで。
  ・でも、彼の場合、元々、年長者への受けはいいと思います。


「こっそりアフリカ像を部屋に押し込んでおくぐらいのことはするかもしれませんが、蛇だけは・・・・・・」(256p)

  ・
象だったら部屋に足を踏み入れた途端、その存在に気付くと思う(爆笑)


「だんだん核心に近づいてきてるのに、お前はまだ俺の馬を止めてくれんのやな・・・・・・」
江神さんはそんなことをぽつりと洩らした。(349p)

  ・
もう、たまらないです(涙、涙…)



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