男性の性器は半分くらいが外に出ています。一番目立つのが陰茎(いんけい,ちんちん,ペニス,penis)で、その後ろには陰嚢(いんのう)があり、中に2個の睾丸(こうがん)が入っています。思春期になるとこの睾丸で精子と男性ホルモンが生産されるようになり、男性ホルモンが男らしい体を形成していきます。作られた精子は体内にある精嚢(せいのう)に保管され、射精(しゃせい)された時に陰茎の先端の尿道口から精液の状態になって放出されます。精液(せいえき)というのは精子を含む液体です。
この尿道口(にょうどうこう)は尿(にょう,おしっこ)の出口と精子の出口とを兼ねています。男性が性的に興奮した状態になると陰茎は硬く大きくなります。これは勃起(ぼっき)といいます。普段の尿道は膀胱とつながっていて、尿が出てくるのですが、陰茎が勃起した時は尿道と膀胱との間の通路が閉じられ、代わりに精嚢とつながり、そこから精液が出てこれるようになります。
思春期以前でも陰茎を勃起させ射精を起こさせることは可能ですが、その場合は精子を含まないサラサラした精液が出ます。また睾丸を除去した人が射精した時も同様の精液になります。
男性の性器にはもうひとつ前立腺というものがあります。これは肛門より少し前の体内にある器官でここを刺激するとものすごい快感が得られます。陰茎(ちんちん)を事故などで失った人もここを刺激すれば射精ができます。
女性の性器は陰裂(割れ目)の内側に隠れています。この陰裂を作っているのが陰唇(いんしん)と呼ばれるものですが外に見えているものが大陰唇。その内側にもうひとつ小陰唇というものがあって、二重のシャッターで性器を守っています。
陰唇の内側の領域の一番上(前)には陰核(いんかく,さね,クリトリス,clotoris)という小さな突起があり、これが男性の陰茎(ちんちん)に相当します。男の子が陰茎を刺激すると気持ちよくなれるのと同様に、女の子も陰核を刺激すると気持ちよくなれます。ただ陰核はとてもデリケートですから、陰茎のように乱暴に扱うと女の子は痛がります。
男の子の尿(おしっこ)は陰茎の先から出ますが、女の子の尿は陰核の少し下の所から出ます。男の子がとても気持ちよくなると射精するのと同様に女の子の場合も気持ちよくなると一種の射精をします。これは成分としては男の子の精液と同じ物ですが、女の子には睾丸はないのでこの液体に精子は含まれません。この射精は俗に「潮吹き」といいます。この潮吹きの液体がどこから出てくるのかは実はよく分かっていません。女性の体の研究というのは、研究者の間にタブー意識が強いこともあり、実はあまり進んでいないのです。
陰唇の内側の部分の一番下(後)には小さな穴があります。これは膣(ちつ,ヴァギナ,vagina)と呼ばれるもので、その奥に子宮(しきゅう)があり、その子宮の先は左右にわかれて卵巣(らんそう)につながっています。卵巣で成熟した卵子が子宮に下りてきて、赤ちゃんができる場合はそこで男性の精子と出会って受精卵になり、約10ヶ月後に3000gくらいまで育ってから、膣を通って外に出てきます。