セックスは最初お互いのスキンシップや愛のささやきなどからはじまります。相手の肩や髪などに触れたり「好き」と言ってみたりして、やがて相手に抱きついたりキスしたりして密着度が高くなります。だいたいこの付近までに仕掛けられた相手は仕掛けてきた相手がセックスしたがっていることが分かりますので、してもいいなと思ったら付き合うことにしてこちらからも仕掛けますし、今はしたくないと思ったら、逃げたり「今はやめて」などと言ったりします。
相手が抱き返してきたり、キスし返してきたりしたら、仕掛けた側(男性から仕掛けることも女性から仕掛けることもあります)は相手が同意してくれていると考え更に先に進みます。一般にはディープキス(deep kiss)あるいはフレンチ・キス(French kiss)と言って、口と口でキスしてお互いの舌を相手の口の中に入れ絡ませあいます。このキスはそれだけで10分以上続くこともあります。
やがてお互いの性欲はかなり高まってきますので、服を脱ぎ始めます。より興奮するためにはお互いに相手の服を脱がせてあげるほうがいいのですが、まだ恋愛初期のセックスに不慣れな頃は、お互いに自分で脱ぐようにしたほうが良いでしょう。服を脱がせる行為は手間取ってしまうとその間に気分が「冷めて」しまうのです。なお服を脱ぐとき一気に脱いでしまってもいいのですが、パンツだけは脱がずにお互いにパンツだけの状態でしばらく抱き合ったり、なめ合ったりして遊ぶことも多いです。パンツまで脱ぐといよいよ、という感じになります。
服を脱いでしまったら肌と肌とが直接接触するようになり、更に興奮度は高まります。この段階でいったんお風呂場に行ってシャワーを浴びお互いのからだを清潔にしてから続きをやるカップルも多いです。恋愛初期の頃はこれは必ずしたほうがいいです。性器の付近は匂いがたまりやすいので、いったん洗い流したほうが、気持ちよく色々できるのです。シャワーを浴びる場合、男性は陰茎の亀頭の裏のいわゆるカリの部分をきれいに洗いましょう。女性は陰唇の中を丁寧に洗っておきましょう(あまり強く洗うと傷つけますので優しく洗うこと)。
さてシャワーを浴びてきれいになったら、また抱き合ってキスしあったり、お互いのからだをなめあったりします。それぞれなめられると気持ちいい場所というのがからだの中にはありますので、それをお互いに見付け合うようにすると良いでしょう。相手になめられている時に、あまり気持ちよくない時はハッキリそう言ったほうがいいです。こんなところで無理するひつようはありません。
お互いに興奮度が高まると、男性の陰茎は大きく硬くなります。これを勃起(ぼっき)といいます。女性は膣の中に愛液(あいえき)というものが分泌されて「濡れて」きます。勃起が足りない場合は女性が男性の陰茎を手で握って刺激してあげると良いでしょう。なかなか濡れない場合は男性が女性の陰核のところに指やてのひらを当てて、刺激してあげると良いでしょう。
いよいよ興奮度がたかまり、陰茎も充分勃起し、膣も充分濡れたら、いよいよ挿入(そうにゅう,インサート)にができます。避妊する時はこの段階で陰茎にコンドームを付けてください。時々、射精する前にコンドームは付ければいいと思っている人がいますが、実は完全に射精する前にも精液は少し出ているのです。ですからコンドームは勃起してこれからインサートに入るという時に付けなければ意味がないのです。
インサートは男性側が主導する場合、特に初心者のうちは、なかなか女性の膣の位置がわからずうまく入りません。自分の陰茎の先を手でもって指でさぐりながら、穴を見付けてそこにゆっくり入れるようにすると良いでしょう。その段階で濡れが足りないと思ったら、インサートはいったん中断して陰核のほうに手を移し、刺激して濡らしてあげましょう。あまり濡れていない状態で無理にインサートすると、男性側も女性側もとても痛いのです。痛いと性的快感どころではありません。陰茎の包皮がややあまりぎみの人は、わざと包皮を亀頭にかぶせてから膣に入れると、包皮がアプリケーター代わりになって、スルリとインサートすることができます。
インサートができたら今度はピストン運動に入りますが、濡れがたりなくて浅くしかインサートできなかった場合は、最初ゆっくりと腰を動かしましょう。するとその刺激で女性側も気持ちよくなって濡れてきますのでそこで更に深くインサートしなおすと良いのです。
このピストン運動の末、最高に気持ちよくなったら射精に至るのですが、男性側・女性側ともに初心者の場合は射精に到達できないこともしばしばあります。でもそれは気にする必要はありません。回数を重ねて慣れてきたらそのうち、ちゃんとできるようになりますから、無理せずお互い充分楽しんだところで、抜くと良いでしょう。
なおいったん抜いた後でまた入れたくなった時は必ず新しいコンドームに変えてください。コンドームはとても成功率の高い避妊方法ですが、失敗する多くの場合が、インサートの最初から付けていなかった場合と、再利用してしまった場合です。コンドームのゴムはとても薄いので、二回以上のセックスには耐えられないのです。
さて射精で終了した場合、そこまで至らずに終了した場合、ともに終わってもしばらくはお互いに抱き合っていましょう。男性側は終了するとすぐに性欲が消失するのですが女性はゆっくりとしか消えていきません。ですから男性側がすぐに体を離してしまうと、女性側は欲求不満になってしまいます。
セックスというのは、性器を使ったコミュニケーションです。お互いに相手をいたわりながらするのが基本です。
体位には他に、後背位(こうはいい,バック)、正面座位、背面座位、騎乗位、松葉、などといったものがありますが、正常位が飽きてきた頃に覚えれば良いでしょう。
また、中学生くらいのカップルで、セックスまでするのはまだ怖い気がする時も、代わりにオラルセックスをすれば、妊娠の心配もありませんし(コンドームを使用しないと性病の心配はある)、いい選択肢のひとつです。
口を使用した性行為のうち、陰茎を口でなめたりふくんだりすることをフェラチオ(fellatio)略してフェラ、陰核や陰唇などを舌や唇でなめたり刺激することをクンリニングス(cunnilingus)略してクンニといいます。お互いの体の向きを逆転させて、フェラとクンニを同時にすることをシックスナイン(six-nine 69)といいます。むろん男性同士・女性同士でもシックスナインはできます。男性同士ならお互いにフェラしあい、女性同士ならお互いにクンニしあうことになります。
なおフェラやクンニをする前にはお互いに、性器も口の中もきれいに洗って清潔にしておきたいものです。
男性の中には、女性の膣にインサートするより、フェラされるほうが気持ちいいという人もよくいます。
陰茎は男性にしかないので、陰茎でのセックスは男性にしかできませんが、指は男女にあるので、女性同士のセックスでは、指を相手の膣に挿入することもおこなわれます。また、常時男装している女性でフィンガーテクがものすごくうまく、普通の女性と交際して自分が肉体的に女であることを気づかせないような人もいます。
指をインサートする利点は太さが調整できることです。慣れてない人は指1本入れられるのがやっとです。しかし慣れてくれるからだが柔らかくなって、指2本、3本と入れることができるようになります。指3本くらい入るようになれば陰茎の挿入も可能になるでしょう。
膣への挿入では避妊のためにコンドームを付けるのですが、肛門への挿入の場合は今度は衛生上の目的でコンドームを陰茎または指に付けます。また肛門に一回挿入した指や陰茎を次に膣に挿入しなおす場合は必ず新しいコンドームに交換します。(膣に挿入したものを肛門に挿入しなおす場合はそのまま使用してもよい)