ハイヒールの小部屋


    
性に関する悩みの小部屋


     
9-2管理人より優子さんへ
      

(管理人より優子さんへ)

 遅くなってしまいましたが,精液を口から飲む行為による性病の感染の危険性について報告したいと思います。

 結論から言うと,性器や肛門ほどではないにしても,口からも性病に感染してしまう確率はあるということになります。

 以下に性病別の感染の危険性を報告しておきます。

○エイズ/HIV(Human Immunodeficiency Virus ヒト免疫不全ウイルス)

  いわずと知れた現在最も怖ろしい性感染症ですよね。

  最近は,一時ほどマスコミで騒がれなくなりましたが,けっして減っているわけではなく,毎年確実に感染者は増加しているようです。

  ちなみに1997年の感染者数は,647人で,当初は同性間性交渉による感染者が多かったのですが,1990年以降は異性間性交渉による感染者の方が倍以上になっているようです。

  年代的には男性は30歳代,女性では20歳代の感染者が最も多いという統計が出ています。

  ですから,エイズも決して人ごとではないということを覚えておいていただきたいと思います。

  具体的には,どういうルートで感染するのかというと,HIVは血液や精液,膣分泌液にたくさん含まれているそうなのです。

  ですから,セックスの時にこれらの体液と,膣やペニスの粘膜が直接接触すると感染の可能性が出てくるわけです。

  セックスの時にこれらの粘膜が性交等により傷やただれができるとその傷口を通してウイルスが血液の中に入り,感染するようです。

  オーラルセックス(口腔性交)によっても,口腔内に傷口があったりすると感染する危険性があるし,感染者の精液を飲む行為によっても感染の危険性が高まるそうです。

  なお,口腔内に傷がある場合(歯肉炎等による歯茎からの出血等を含む),ディープキスによって感染する可能性もないとは言い切れないそうです。

○性器クラミジア感染症

  日本で最も多い性感染症だそうです。

  一般女性の全国平均陽性率が5.8%と多く,なんと20人に1人が感染していることになり,不特定多数の人と性交している人は感染の確率がかなり高まります。

  この病気も口腔性交によっても感染するそうです。

  ただ,この病気は直接的な粘膜の接触によってのみ感染するようなので,精液を飲む行為によって感染する確率は低いと思われます。

○淋病

  言わずと知れたもっともポピュラーな性感染症ですね。

  淋菌の保菌者は2〜3%だそうです。

  患者の粘膜から出る液に淋菌が含まれていて,淋菌の抵抗力そのものは弱いそうですが,それでも死滅するまでには数時間が必要ということです。

  ですから,精液が尿道を通過する際に淋菌が含まれてしまい,射精後,時間が経っていないものには生きた菌が含まれている可能性があるのではないでしょうか?

  口腔感染した場合,咽頭に感染し,喉の痛みや咳等の風邪のような症状を呈するそうです。

○性器ヘルペス

  精液,性分泌液,唾液にウイルスは含まれているそうです。

  性交や口腔性交によっても感染するそうです。

  一度感染すると薬剤によっても完全にウイルスを排除できないそうです。

  薬は一時的に症状をなくさせるだけでしかないようです。

  特に母親が感染している場合,およそ半数が自然流産にいたるそうです。

  また,産道から新生児に感染した場合,ときに致命的であったり,精神発達の遅延をもたらすなど子どもに重大な影響を与えるため注意が必要です。

○ヒトパピローマウイルス感染症

  尖圭コンジロームの原因ウイルスのようです。

  性交によって感染し,自然治癒ことも多く良性の腫瘍だそうです。

  しかし,他のウイルス性の性感染症と同じく,体から完全に消滅することはないそうです。

  尖圭コンジロームを発症させるウイルスとは別の種類のものには,将来的に子宮頸ガンの誘因となるものもあるようです。 

  一度感染するとやはり完治させる治療法はないそうです。

○梅毒

  かつての日本では多く見られた性感染症ですが,現在ではかなり減ってきているようです。

  性器,時に口唇の皮膚や粘膜に生じた傷から性交時に感染します。

  精液からの感染の可能性については,よくわかりませんでした。 

○トリコモナス感染症

  性行為による接触を中心に,病変部位との直接的な接触によってのみ感染するそうです。

  男性の尿道分泌物に含まれているようですが,精液からの感染についてはこれもよくわかりませんでした。


  こうして見てくると,ウイルス性の性感染症は完治するのが困難で,一度感染してしまうと一生症状が顕在化しないように生活するしか手だてがないものも多く,やはり感染しないように個々人で注意するしか有効な方法はないようですね。

  思った以上に性感染症というのはやっかいなようです。

  特に問題なのは,やはりエイズでしょう。

  これらの性感染症というのは,どれかひとつだけ感染するというよりも,複合的に感染してしまう確率が高いようなのです。

  例えば,性器クラミジアや淋病等の性感染症を持っている場合,病変部が炎症を起こしたり潰瘍を作ったりという環境にあると,その部位からよりHIVに感染しやすくなるそうです。

  一般的に性感染症にかからないためには,以下のようなことに注意するとよいそうです。

   ・むやみな性交渉を持たないこと

   ・ステディなパートナーに限定すること

   ・性交時には必ずコンドームを正しく使用すること

   ・肛門性交や口腔性交をしないこと

   ・出血するような激しい性行為をしないこと

   ・クラミジア,淋病などの他の性感染症に完治していない間は性交を慎むこと

  以上のようなことを守れば,かなり性感染症を予防することができると思われます。

  早い話,セックスとかをしなければ感染はしないことになりますが,現実にはそうもいきませんよね。

  肛門性交なども,コンドームを着用して行えば感染予防には有効と思われます。

  また,男性なら風俗産業などには行かないこと,男性,女性双方に言えるのは,テレクラや伝言ダイヤル等を利用した身元不明の相手との性交渉を控えること,性行為を行う時は必ずコンドームを着用することくらいでしょうか。

  欧米では,ピルは避妊用,コンドームは性感染症の予防のためというのが常識だそうで,そのためコンドームのゴムの厚さも日本ほど薄さにはこだわっていないそうです。 

(優子さんへの総括)

  以上見てきたように,精液から性感染症に感染してしまう可能性は,病気によって異なるもののやはり危険性があるようです。

  というわけで,優子さんの性的願望もよくわかるのですが,自分自身の体のことを考えれば他人の男性の精液を飲む行為は避けた方が賢明と言えます。

  私が優子さんの行為について,命令とかできるわけではありませんので,最終的には優子さんの判断になるわけですが,個人的には今の行為はやめて他に性的欲望を満たす方法を探してみてはいかがでしょうか?

  それと,余計なお世話かもしれませんが,既に何らかの性感染症に感染していないかを確認しておくために,病院か保健所で性感染症の検査をしておいた方がベターかなとも思います。

  以上,管理人から優子さんへのおせっかいな報告でした。











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