
遊び7「寝てしまうよ。」
インコにとって寝ている人間の姿というのはこわくないものです。まず、相対的に人間の目の物理的な位置が低くなります。それにくわえて動作が緩慢になり、声もたてなくなり、手を自分のほうに伸ばしてくることもありません。人が目を閉じて、自分が見つめられることもなくなると、新しいインコはとてもリラックスすることができます。
飼い主の方もくつろいだ気分でそっと薄目を開けてみてください。きっと今までになく鳥もくつろいで、羽づくろいをしたり、尾羽を広げて細かく振ったり、身体全体をぶるっとさせるような、リラックスした行動を観察することができるでしょう。
よく馴れると、インコのほうが人間の目の前で眠ってしまうこともあります。とくに雛の時期にめだちます。とても微笑ましくて飼い主冥利につきるものですが、鳥が眠そうな様子を発見したらあまり無理させずに安心して寝られる環境を提供してあげましょう。
ただし元気がなく、身体をふくらませて眠そうにしている状態(膨羽嗜眠=ぼううしみん)を長時間続けるのは、病気の兆候のこともありますので注意して見分ける必要があります。
インコの見えるところで寝ることは、「じらし」のテクニックとして後日応用できます。飼い主を群れと認めて、遊びたがるインコは寝ている人間の気をひこうと、ケージにしがみついたり、音を鳴らしたりします。おしゃべりが得意なインコの場合このシチュエーションは、普段から飼い主に話しかけられている言葉を真似る(人語を使って人に呼びかける)よい動機付けになります。
大事なことですが、インコをケージから外に出している時に人間が寝てはいけません。寝返りをうったとき、そこにあなたを慕ったインコがすりよってきていたら大変危険です。