トレーニング

 人間と双方向の交流を楽しめるコンパニオン・パロット。その基本的な行動の鍵がいわゆるトレーニングです。

 ここでいうトレーニングとは「見せることが目的の芸」を教えることではありません。インコにとって必要なのは人間との付き合い方を身につけさせ、特に攻撃性を予防することが目的のトレーニングです。

 もちろん鳥にさまざまな芸を教えることを否定するわけではありません。例えば手乗りやおしゃべりのように人間が見て喜ばしい行動を教え強化することによって、鳥の攻撃的な望ましくない行動を抑えられる場合があります。これは鳥にとってもよいことです。ただしそれがインコと人間との楽しい関係を確立するための訓練であることを見失ってはいけません。いわゆる教育パパ、ステージママ的訓練はインコとの関係を悪化させる場合もあります。

 インコとの交流は双方向のものです。一方的にインコにしつけをするだけでは問題はなかなか解決できません。インコにトレーニングを行うのと一緒に人間が鳥との付き合い方を身につけることも大事です。

 攻撃的な鳥の矯正というのは、鳥と飼い主との間のコミュニケーションに誤解があることが多いようです。一般的に、問題行動の解決を望む場合は、まず飼い主と鳥の双方にとってなにが問題なのかを考えます。そして次にお互いにいかにして相手の要求を満たすことが可能かを模索します。

  コンパニオン・パロットの行動学はまだ歴史が浅く、日々刷新されています。ブリーダーやショップで習慣的に行われていることや、権威ある獣医の発言や、海外の情報にしても最終的なものではありません。常に新しい情報に関心を保ちながら、自分の体験、そしてインターネットなどで交流できる多くの方々の体験で修正していく柔軟さを持たなければならないと思います。

 困ったインコ 目次 現状を評価する
トップ