三角関係

 飼い主に非常に友好的なインコが、他の人間やペットのことを極端に嫌うことがあります。ある特定の人間(飼い主に限らないこともあります)に、極端に強固な精神的結びつきが確立されると、ほかの人間は例え好きな人間の連れ合いであっても、その家から追い出さんとばかりに攻撃的になります。野生で多くのインコが一夫一妻制を確立して、なわばりに侵入した他のインコをライバルとして攻撃の対象にするのと非常によく似ています。

 こんなショート・ストーリーも考えられます。ある女性が恋人にインコを贈りました。その男は恋人のようにそのインコをとてもかわいがりました。しかし、ある日浮気心を起こした男が別の女性を家に招き入れました。すると、そのインコはまるで恋人の分身のように激しく浮気相手の女性を攻撃してついに追い出してしまいました。

 今のは単なるお話しですが、実際にインコによる「三角関係」の悩みをかかえていらっしゃる方は多いようです。

 そこまで、強く人間と鳥とが結びついているというのは考え様によっては飼い主冥利につきるということもいえます。実際に、他の人に触れさせる必要がまったくないという環境ではとくに問題行動とはいえないかもしれません。いっぽう攻撃対象となる「ライバル」が、家族の一員であったりすると問題は深刻になります。また、ひとりの人間にべったりにならず、社交的にいろいろな人間に友好的な関係を持てるというのも、人間の暮らしの中でのコンパニオン・パロットのひとつの理想でもあると思います。

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