噛みグセを矯正する方法について、インコの行動学では次のようなポイントがあります。
(1)噛む行為を強調していかない
(2)噛むこと以外の望まれる行為を強調していく
(3)体罰は避ける
(1)噛む行為を強調していかない
これは簡単なようで難しいことです。たいがいの場合、噛まれた時の人間のリアクションや、噛みグセをやめさせようとする行為の多くは、実は噛みグセを身につけさせる行為であることが多いのです。
例えば噛まれたときに、手を急に引き下げる、声をあげて痛がる、手で軽く振り払う、ケージに戻す、言葉で説教(説得?)する、見ていた別の人が笑う……いずれもインコはますます噛むようになります。
なぜなら手乗りインコにとって、自分の行動の結果により飼い主が派手に動いたり、声をあげたりすることは、このうえない喜びだからです。「あ、噛んだらこの人、変な声を出して踊り始めた〜。おもしろいし注目もされるし、噛むって楽しいな…。」とこんなことを考えているのかもしれません。
では噛まれたときはどうすればよいのでしょう。いくつかの洗練された効果的な罰(後述)もありますが、自信がなければ無視するのが一番です。インコにとって飼い主の無反応・無関心ほどつまらないことはないのです。
ただし、我慢して好きに噛ませたほうがいいというわけではありません。前提として「まず、噛まれないこと」を第一に考えましょう。インコの様子や行動をよく観察するとどんなときに噛むか、または噛もうとしているときのボディランゲージがわかってきます。たとえばクチバシを開いて、今にも襲い掛かりそうな様子をしているときは、無理に触ろうとせずに、手に乗せない遊びなどで気をそらしたりするほうが得策です。
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