● 一太郎 10
あまり指摘する人はいないのだが、一太郎9は Windows 98 がリリースされた後、最初に発売された大物アプリケーションであった。そればかりか、ライバルのはずのマイクロソフトが Word の新バージョンを出したのはつい先日のことだ。にもかかわらず一太郎はシェアを落としてしまった。日本語変換能力の差を前面に押し出した展開もたいして役には立たなかったようだ。そしてまた、今度の一太郎も Windows 98 Second Edition がリリースされた後に、最初に発売された大物アプリケーションになったわけだが、果たしてシェアの回転、いやいやいや、回復はあるのだろうか。
てなわけでファーストインプレッションをどうぞ。
 一太郎9 →  一太郎10
またアイコンが変わった。デザイン的にはわかりやすくなったけど、私は前のほうがカッコよかったと思う。余談だが、マイクロソフトが Office 2000 で次期 Windows 98 を意識したアイコンデザインを採用したことを、各ベンダーはどのように考えているのだろう。あのアイコンは、デスクトップを完全にウェブ化したときに生きるものだと思うのだがどうか。
さて中身である。この日誌でずっと書いているように、私が毎回律儀にバージョンアップに付き合うのは単に ATOK が欲しいからで、それ以上の理由はない。マイクロソフトに義理はないけれど、環境がウィンドウズに移行して以来、ワープロは Word しか使わないようになった。そうなった理由はいくつかあり、ロングストーリーになるので詳細は省くが、最大のものはヘルプファイルの作成に使えなかったからだ。だからホントーのことをいうと、ざっと見たくらいでは機能的に何が変わったのかよくわからないのである。もちろん、リリースやマニュアルを眺めてあれこれ試せば、ああこれは便利だとか良くなったと思わせる部分はあるものの、全体としてはバージョン8や9のブラッシュアップバージョンという感じがして(*1)、これはほんとに新しいと思うような機能は見当たらない。むしろ目立つのは、カスタマイズ度の向上とかメジャーなソフトとしては初めてスキーナブルになった(*2)という、あまり本質的とはいえない部分だったりするわけで、ワープロというアプリケーションソフトが衰退期に突入したと、改めて思わされたのであった。
しかしまあ、誰がワープロにこれ以上の新機能を求めているのか(*3)という話はずいぶん前から出ている。その辺はジャストもわかっているからこそ、エディタライクなライトバージョンを発売しているのであろう。なんにしても、ジャストのような会社にとってはしんどい話である。
(*注)
(*1) 個人的には、ライトバージョンに積まれた正規表現エンジンが載らなかったのは残念である。
(*2) むちゃくちゃメモリを喰うので、実際に使うのはためらわれる。
(*3) XML 関係については判断留保。
● ATOK 13
ざっと使った感じでは、どれほど変換効率が上がったかまだ実感できずにいる。広告に使われるような限定された一部の状況では良かったとしても、それは IME 2000 だって同じことだ。相変わらずドラえもんを一発変換できないようでは五十歩百歩ちゃうやろか。
ただ、IME 2000 の機能をパクった(笑)、同音語の使い分け情報は、さすがに後発のことだけはあって、本家より多くの単語で出現する。また、推測変換機能(オートコンプリート)は、期待通り動作すれば相当便利になるかもしれないが、今のところまだありがたみを感じられるとこまで至っていない。これらの話については引き続き報告していきたい。なお、早くも ATOK13 の記述が追加されたので、下のサイトも参考にしましょう。
■ 理想のかな漢字変換はどれだ?
● Sasuke 2.0
ネットワーク対応のスケジューラーである。ということは、企業などの業務用途を意識したものであると思われるのだが、それにしてはアイコンや色使いなどが子供っぽすぎるのが気になる。いや、子供っぽいというより、安っぽいといったほうがより正確かな。なんつーか、そこらのB級シェアウェアみたいな印象を受けてしまうのだ。
ところが意外なことに、これが非常に使いやすいのだから困ってしまう。私は今回初めていじったわけだけれど、今まで使った同種のツールの中ではもしかしたら一番良いかもしれないと思った。どこぞのスケジューラーと違ってシステム負荷も高くなく、日曜・祝祭日がデフォルトで赤表示されてるし、週や月をまたいだスケジュールの設定も馬鹿みたいに簡単だ。
そんなわけで、わたしはこれをデフォルトのスケジューラーとしたい気になっている。つーか、した。だからお願い。もう少し大人っぽいデザインにするか、カスタマイズできるようにしてちょ>ジャスト
● Shuriken 2.1
メールクライアント。前にも書いたが、これも意外なくらい良くできているのである。普通のユーザーが普通に使うなら、充分以上の機能と性能を持っている。あたしも一瞬メインのメーラーにしようかと思ったほどである。これ専用のサイトを立ち上げ、シェアウェアとして 2,000円ぐらいで販売してもいいくらいだ。その方が儲かったりして>ジャスト
● 総評
さて、以上のようなソフトがまとめて入って 6,500円(バージョンアップ版)で買えたのだから、大変お得というか、かなりのバーゲン価格である。乗り換え版でも実売一万円程度だから、新規に入手する価値はあると思う。一太郎がいらないという人は、花子を買うという手もあるぞ。あ、もっといらんか(笑)。
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