@今日のコラム・私が捨てたペリフェラル
私が初めて CD-ROM ドライブと CD-ROM ソフトを買ったころ、ハードディスクは 500メガあたりが主流だった。NEC の PC-98 シリーズが国民機の座にかろうじて踏みとどまっていた時代の話である。もちろん、私が初めて 20メガだったか40メガだったかのハードディスクを金塊並の値段(30万円ぐらい)で買ったときに比べれば劇的に価格は安くなっていたが、それでも1ギガのものを買うにはちょっと勇気がいった。
そんなころの話だから、やがて CD-ROM 辞書をハードディスクで運用する日が来るなんてことを予期でなかったとしても仕方あるまい。そして Windows 95 の登場による一般へのコンピューターの普及に伴い、ハードディスクの価格低下に加速がつきだしたが、それでもまだ1ギガが1万円になればいいねえなんていっていたくらいである。それがほんの4年前の話だ。
冒頭の話に戻ろう。私は CD-ROM ドライブを買うとともに CD-ROM 辞書も買い集め始めた。しかしそうなるとドライブが一台では使い勝手が悪い。そこで連装ドライブを導入するというのは、実にもう自然な流れである。そのあたりの話はこの日誌でも書いた。
そしてしばらくは幸せな日々が続いていたわけだが、この1年でのハードディスクの価格低下は連装ドライブを無効化するのに充分であった。たとえば5連装ドライブを買うより、8ギガ程度のハードディスクを買って、そこに辞書を丸ごと入れてしまった方が安く、しかも絶対的圧倒的に速いのだ。それだけではない。複数の辞書に同時にアクセスできるという決定的なメリットも生じる。ここに至って、連装ドライブを使いつづける理由がなくなってしまった。
そんなわけで、私はしばらく前に連装 CD-ROM ドライブを捨てた。
だが諸君。5インチのフロッピーを 3.5インチが駆逐したように、連装 CD-ROM ドライブどころか、もはや CD-ROM ドライブなんぞを買ってはいけないのだ。これからパソコンを買うなら DVD-ROM ドライブのついたものを選ぶべきである(*)。まだ当分はソフト配布メディアとして CD-ROM が生き残っていくにしろ、DVD-ROM ドライブがあれば問題はない。すでに大物辞書ソフトは DVD-ROM 化が進んでいる。わたしが期待しているのは、連装 DVD-ROM が出るより速くハードディスクが価格低下し、50ギガ程度が2万円ぐらいで買えるようになることだが、それもそう遠い日のことではないようだ。
(*)DVD-RAM ドライブならなお良いのだが、まだフォーマットに不安が残っている。
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