一月に、フォックスから Five Star Collection として発売された。30年以上前のシネスコ作品だからしかたのない面もあるのだが、メジャースタジオの米国リリース盤としては特に高画質というわけでもなく、正直なところ Bマイナスクラス。パッケージにはリストア前後の画を比べて、明るくなったことが示されているにも関わらず、全体が暗めの仕上がりで、EIZO のモニターの MOVIE モードでも暗部がつぶれるくらいだから、パソコンで見るのはややつらい。テレビで少し明るめにして見るのが吉か。それでも、『きまぐれ日誌2002/02/05号』によれば、「以前リリースされていたワイド版LDは画質がだいぶ悪かったので、DVDに期待していました。結果。大満足とはいえないまでも、かなり満足しております」とのことなので、画質的にはかなり改善されているのだろう。
しかし、パッケージには「RESTORED, UNCUT ORIGINAL VERSION」とも書いてある。つまりこれまで見られていたのは、傷んでいたばかりか、カットされていたバージョンということになるけれど、『M*A*S*H』にカットされたバージョンがあったなんて話は聞いたことがない。
てなわけで、どこが切られていたのか確かめるべく、NHK衛星放映バージョン(ワイド)と見比べようと決意(それほどのもんかい)、テープを探したのだが見つからず、代わりにに出てきたのが、ぬわーんと、VHD からのコピー版(テレビサイズ)であった。我ながらそんなもんよく持っていたなと驚きつつ、テレビとパソコンで同時に流しながら鑑賞、10年ぶりぐらいに通しで見てしまった。だが、設置場所の関係から両方を同時に見ることができず(いみねー)、主に音声による確認のみだが、カットされた部分はわからなかった。アメリカではカットされたが日本ではカットされなかったパターンか?
ところで、日本盤の話はまだないようだが、こういうのは少ないタイムラグで出すんだから、こっちも早く出してくれ>フォックスジャパン 以下、余談。
私が、オールタイムベストテン、ただし一監督一作品ルール、で、選ぶなら、ロバート・アルトマンはこれにしようと心に決めているのが『M*A*S*H』である。この映画について書き始めると長くなるのでやめておくが、アルトマン映画の特徴的なすべてがすでにここにある。ところで、『M*A*S*H』に長年一つの疑問を持ち続けていた日本人は多いのではなかろうか。お前ら賭けは結局どっちだったのよ? みたいな。図はその問題のシーン。日本公開劇場バージョンでは肝心の部分がポジフィルムから削り取られており、賭けの結果がわからない。ビデオでは解像度が低すぎて判別がつかず、見たことはないのだけど、多分 LD バージョンでもわからないだろう。

さあ、そこで DVD のプログレッシブ出力の出番であるよ。左図が肝心のお宝シーン。動きの激しいシーンだし(わらい)、ブツが写るのもほんの瞬間のことで、もう一つハッキリしないのだが、これを見る限り、ブロンドではなく真っ黒黒すけ系だ。
そゆわけで、結論はフェイクであったとなるんだけど、賭けの発端になったデュークが後にホットリップスとデキてしまうので、フェイクではなかった説もあることをご紹介し、このネタはお仕舞いにしたい。あ、そうだ。ついでに書いておこう。ボーナスディスクには、『M*A*S*H』の30周年記念同窓会というビデオが収録されてるんだけど、バッド・コートがこんな風になってしまうなんて、かなりガックリである。テロップが出なけりゃ誰だかわからんつー。
そういえばこないだテレビで見た江木俊夫もこんなんだったな。30年後の香取慎吾説とかも……。
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