こないだこの映画のことを書いた後、グーグルで『血と怒りの河』を検索したら、ここが一位になっていた(今は少し下がっている)。そんなことじゃ困るんだが、瞬間風速的一位の責任として(わらい)、ビデオを見た感想などを書いて、少しフォローしておきたい。つか、一位確定を狙ってたりして。左図は『國島書店』というところで3,000円(たかーい)で入手したパンフ。
先日書いたように、『血と怒りの河』のビデオは非道にも3倍モードで収録されており、パッケージソフトとしては最低ランクだが、映画は傑作だった。特に、養父との避けられぬ運命的対決へと突き進んでいく終盤は、さながらギリシア悲劇かシェークスピア悲劇でも見ているようであり(やや大げさ)、テレンス・スタンプとしても最高の演技を見せている。すべてが終わった後のラストシーンは、映画史上もっとも悲痛な空撮として記憶されるべきだろう。『アランフェス協奏曲』のアダージョを思わせる音楽も美しく、胸を打つ。
それにしても残念なのは、3倍モードという劣悪な状態のため、テレンス・スタンプの瞳の色が出ていないことだ。これでは彼がブルーと呼ばれることになった意味がよくわからなくなる。また、トリミング版だったのも惜しい。農民たちが匪賊たちと闘うことを討議するシーンの強烈なパンの繰り返しなど、技法的にも見るべき点が多々あるのだが、そのあたりがややスポイルされてしまった。
そんなわけで、これは決して忘れ去られていい映画ではない(*)。このページでちょっと書いたら、検索エンジンで一位になってしまうようではホントーに困るのである。DVD の発売はもちろん望むが、できたら劇場のスクリーンできちんと見直したい。独立系配給会社の皆さんどうですか。あ、そいえば某コムストックの社長が飲みに行ってる銀座のクラブにわしも行ってたんだが、あそこ、しばらく前にママが引退して店を閉めちゃったんだよねー。担当の女の子に連絡して、いまどこで遊んでるのか聞いてみたろかしらん。わはは。
(*)どういうわけか、この映画のアメリカでの評価は異常なくらい低い。『IMDb』では 4.5/10 (31 votes) だし、『Leonard Maltin's 2003 Movie and Video Guide』では★と1/2(最高は★★★★)で、「Undistinguished, poorly written Western」などと書いてある。また、『Video Movie Guide 2002』では、なーんと、最低ランクの「ターキー」である。なんでや。なんでおまーらにはこの映画の良さがわからんのだ。
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