そして、運命の(?)新しいペアリングは・・
スタン&アトワイト
リオン&クレメンテ
ルーティ&マリーの剣
フィリア&ディムロス
マリー&シャルティエ ・・になった。
「ちょっと待ってよぉ!あたし、マリーの剣なの〜?」
「ディムロスさん、よろしくお願い致しますわね。」
『ああ、こっちこそな。しかし、お前が私を・・?大丈夫なのか?』
「ええ、わたくし頑張りますわ。」
『ふふっ、よろしくね。スタンさん。』
「ああ、アトワイト。でもディムロスに比べて小さいし、軽いなぁ。」
『失礼しちゃうわね。女性に向かって、あのディムロスと比べないでもらいたいわ!』
「あはは。ごめん、ごめん。」
「・・・・」
『こりゃ、リオン!何とか言ったらどうじゃ!!』
「何を言えば良いんだ。」
『よりによって、この無愛想な毒舌小僧が相手とは・・。』
「悪かったな!・・ったく、何が楽しくてこんな意味の無い事を・・」
『ワシは、ルーティやマリーが良かったのぅ・・。』
「ふぅん・・これがリオンの愛剣シャルティエか・・。何か喋ってるのか?」
『よろしくね、マリー!』
「私もソーディアンの声を聞いてみたいものだな。しかし軽い剣だな・・。」
マリーはシャルティエをビュンビュンと振り回した。
『うわぁ〜!そんな乱暴に振り回さないでよ!め・・目が回る〜〜!!』
「じゃ、そろそろ行こうぜ。」
新しいペアとの挨拶(?)を終え、5人は歩き始めた。
リオンを先頭にスタン・フィリア・ルーティ・マリーと続いていたのだが、いつのまにかリオンが最後尾になっていた。
「おい、クレメンテ。」
『何じゃ、リオン?』
「フィリアは、こんな重いもの(=クレメンテ)を持って歩いていたのか?」
『そうじゃよ。だから、フィリアの足が遅いとかは言わないでもらいたいのぉ。』
やぶ蛇だった・・とリオンは思いながら、クレメンテを背負い直す。
「大体、剣のくせに何でこんなに重いんだ。こっちの動きが悪くなるだけじゃないか。」
『ほっほっほっ、ワシは【斬る】為の剣じゃないからのぉ。・・ワシを手にした事で、剣士であるお主は【剣技】を封じられたという事じゃ。』
「・・ったく、晶術のみで戦えという事か。」
『そういう事じゃ。良い気分転換になりそうじゃな。』
何だかんだと話していると、先頭にいたスタンの声が聞こえた。
「リオーン!モンスターだぞー!!」
リオンが駆けつけると、マリーとルーティは前線で戦い始め、フィリアもディムロスをぎこちなく振り回している。
「剛雷剣!!」
『うわぁ〜!マリー、もっと優しく使ってよ!!僕はデリケートなんだから!!』
「何が【デリケート】よ!それに、マリーに言っても聞こえないでしょ!おっと、スナイプエア〜!!」
「きゃ・・こっちに来ないで下さい!晶術が唱えられませんわ!!」
『フィリア、ここで晶術を使っては余計に危険だ!私を振り回すんだ!!』
スタンとリオンはとりあえず今はする事が無いので、後ろの方でそんな光景を見ていた。
「なぁ、リオン。」
「なんだ?」
「いや・・ヒマだなぁと思って・・。ルーティが金拾いするの解かる気がするなぁ。」
「あいつは忙しくったって、金を拾ってるさ。そんなにヒマなら晶術でも使え。」
「いや・・だって俺、晶術なんて使った事がないしさぁ。本当に俺でも使えるのかな?」
「馬鹿のひとつ覚えみたいに剣しか使わんからだ。ディムロスもディムロスだな。晶術もちゃんと教えれば良いものを・・。」
「何だとぉ!?リオンだって晶術は使わないじゃないか!」
「別に使う必要が無いからだ。晶術は隙が出来るしな。お前みたいに【使えない】訳じゃないさ。」
「ぐぐ・・」
ああ言えばこう言うで、スタンが言葉でリオンに勝てる訳が無い。スタンが黙り込んだ所で、前線にいたルーティの声が聞こえた。
「ちょっとスターン!何喋ってんのよ!?早く回復の晶術を使いなさいよ!!」
普段は戦闘後に回復の晶術を使うくらいなのだが、慣れない事をしているせいか、どうやら苦戦しているらしい。
「どうすりゃ良いんだ、アトワイト?」
『精神を落ち着かせて・・3人を回復だから【ナース】を使うのよ。』
「・・それ、言わないとダメなのか?」
『当たり前でしょ。どうして?』
「いや・・なんか恥ずかしいなと思って・・」
その言葉に、リオンは顔を引きつらせて呆れ返っていた。
「そんな事を言っている場合か。早く唱えないとフィリアがヤバいぞ?」
「わ・・解かったよ!!・・こほん。ナ・・ナーース!!」
ピロピロロ〜♪っと小さな看護婦さん(?)が登場して、5人の傷を回復してくれた。
「出来た!?うぉ〜〜!!感動だな、晶術って!!アトワイト、他の晶術は!?」
『そうねぇ・・攻撃でもしましょうか?』
「やろう、やろう!!」
『じゃ、【アイストーネード】ね。』
「よしっいっくぜ〜〜!!アイストーネーーード!!!」
スタンはすっかり晶術にハマってしまったようだ。そんなスタンを見て、リオンは深々と溜息をつく。
「バカバカしい・・。付き合いきれんな、全く・・。」
『こりゃ、リオン!お主も晶術を使わんかい!』
「別に使わなくても勝てる相手だ。わざわざ精神力を消耗しなくても良いだろ。」
『それはそうじゃが・・。じゃが、それこそお主の言ったように【意味の無い事】になるんじゃないかのぉ?』
痛い所を突かれてしまい、リオンは渋々と戦闘に参加する。
改めて状況を見ると、一番奥にいる大きなモンスターにいくら攻撃しても効果が無いので苦戦しているらしい。どうやら回復係のモンスターが他の場所にいるようだ。
「馬鹿者共が・・気づいていないのか?おい、クレメンテ。一番強力な晶術は何だ?」
『広範囲か?それとも・・』
「決まっているだろ、単体の方だ。」
『じゃ、【ホーリーランス】じゃな。しかし、この晶術は狙わないとダメじゃぞ?当たらないと意味が無いからのぉ。』
「僕がそんなヘマをするか!行くぞ?・・ホーリーラーーンス!!!」
ドッカ〜〜〜〜ン!!とリオンが唱えた【ホーリーランス】は、影に隠れていた回復係の小さなモンスターに直撃した。
「リオンのバカ〜!!な〜んでそんな小さいモンスターに晶術使ってんのよ!?こっちの大きい方にしなさいよね!!」
「ふん、馬鹿はそっちだ。回復されてたとも知らずに・・。さっさと終わらせるぞ、クレメンテ。」
『よし、今度は何じゃ?また【ホーリーランス】か?』
「いや、今度は違う晶術だ。」
『ほっほっほっ。なんだかんだ言って、お主も晶術にハマったのではないか?』
「うるさい!・・で、一番強力な晶術は?」
『【サイクロン】でもいくかのぉ。』