ストリートマジック
タクト
剣山スーパー林道全走破
ツーリング
 
1日目 2日目
 5月3日。A.M.5:00に起き、お茶漬けを食べ、集合場所のローソンへと向かう。ストマジのリアフェンダー上にはテントをゴムひもで装着している。
 ローソンに着くと既にしのみさんはいた。HPで見たとおりのツアラー使用のタクトであった。今回はこのタクトと我がストマジで日本最長林道である「剣山スーパー林道」を走破しようというツーリングだ。
いっきゅう茶屋にて しのみさんはローソンの店員さんに写真を撮ってもらい、スーパー林道起点を目指し、タクト先行で出発した。
 順調に進み、飯谷という所の河原に着く。この場所で昨年惜しくも命を亡くした先輩に黙祷をする。
 出発し、順調にどんどん進む。途中いっきゅう茶屋という所で少し休憩をし、しばらく走り続け、起点近くまで着たので、ガソリンを入れようと思っ たが、GSが開いていなかった。しょうがないのでいれずにスーパー林道に入ることにした。昨日最後に満タン入れたのでおそらく持つだろう。しのみさんは 100%持たないが、予備燃料を8Lも持ってきているので大丈夫であろう。そして起点に着いた。
スーパー林道起点 ここで、先に着いていたオフローダーの方達の写真を撮ってあげ、こちらの写真も撮ってもらった。さて、いざ出陣!
 入ってすぐは舗装路が続く。しばらくし、ダートに突入。楽しい。けっこうスピードにものっている。しのみさんのタクト、マフラーやら駆動部とか 石に当てて火花まで散らしていた。そしていきなりタクトのリアスノコが分解した。このスノコはしのみさんのツアラー使用タクトの特別装備である。ダートに 入って3分と経たず、リアスノコはゴミと化した。リアスノコに積載していたザックを背負い、出発する。
 少しして、タクトが止まる。前回のツーリング(徳島⇔神戸⇔奈良ツーリング)でもあった点火系の断線であった様だ。それをつなぎ、ゴムテープで補強し、走り出す。
 ダートを爆走。けっこう速いんじゃないの?タクトが底を当てまくってるのが気になるが、順調に進んでいる。対向にオフローダーがやってくる。 ピースサイン。ここスーパー林道ではこれはもはや常識。今後もやりまくるのだった。コーナリング中などでやむを得ず出来ない場合は頭を下げて礼をする。
 さて、しのみさんが止まる。そろそろガソリンを入れたいのだそうだ。で、缶に入ったガソリンを入れようとした時、重大な事に気が付いた。漏斗 がない!この缶からタンクに漏斗なしで入れるのはまず不可能である。いろいろ試したが、無理であった。仕方がないのでしばらく進み、途中でペットボトルが 落ちてたらそれで漏斗を作ることにした。
 国道193、雲早トンネル前で休憩。ペットボトルも落ちてたのでそれをカッターで切り、漏斗を作る。それがピッタリで無事ガソリンを入れるこ とに成功した。そして写真を撮り、出発しようとしたが、ストマジのエンジンがかからない。っていうかセルが回らない。キックしてもかからない。もしやと思 い、シートを外し、バッテリーの接続部を見ると、少し浮いていたのではめる。すると、セルが回りエンジンもかかった。ダートで接続部が緩んでいただけで あった。キックでもかからんのは問題だが…。
193雲早トンネル前にて883 193雲早トンネル前にてしのみさん
 さて、少し舗装路を通り、再びダート。少ししてファガスの森という所で休憩。オフロードバイクが大量に停まっていた。その中に、ストマジとタクトを停める。昼には早いが、軽く食事することにした。しのみさんがうどん、883がそばを食べ、出発。
ファガスの森にて883 ファガスの森にてしのみさん
 少しして、高城山というのがあったので、原付を停め、登ろうと思い、行ってみたが遠そうなのでやめた。そして出発。
 順調に走る。飛び交うピースサイン。うちらを追いぬいてったオフローダーが対向のオフローダーとうまくすれ違えず、対向のバイクがこけた。谷側 だったそのオフローダーはけっこう危なかった。ガードレールなかったらやばかったかもしれない。ガソリンがドボドボ漏れてたが、果たしてこのオフローダー は最後まで燃料が持ったのだろうか?
 徳島のへそという所に着き写真を撮る。すぐに出発。
徳島のへそにて883 徳島のへそにてしのみさん
ダートコーナリング中の883 ダート爆走中のしのみさん
 さて、しばらく進むと、前を行くタクトの排気音が次第に大きくなってくる。そして停まる。しのみさ んパワーが出なくなってきたと言う。見るとチャンバーがとれそうであった。っていうか後ろ走ってるとけっこうナットやらネジやら落としていた。とりあえず 針金で応急処置し、進むが効果ないようなので本格的に修理する事になった。
タクト修理中  外装を外し、連結部を見ると、ネジが1個なかったので、シートをとめてるネジを1個流用し、止めた。さらにサイレンサー部のネジがすべて無くなっていたの で針金でなんとかした様だ。修理中もオフローダーはどんどん通りすぎて行く。親切な人は止まって、「どうしたの?」と聞いてくる。「工具ある?」とか。一 応それなりにそろってるので、OKである。そして出発。ストマジはまたかからなかったが、原因はさっきと同じであった。
 進む進む。しかし、今度はタクトがパンク。リムが鬼の様に曲がっている。おそらくそれが原因。瞬間パンク修理剤を注入しても全く効果ない。仕方がないので奥の手。チューブを抜き、代わりに草を詰める。そこらへんから草を集める。そしてガムテープを巻き、出発する。
 すごい状態である。後ろから見てるとありありと分かる。しばらく走るとタイヤがはずれた。しのみさんは気付かずに進む。一人で笑いながらタイヤ を拾い、追いかけると今度はチャンバーが丸ごと落ちていた。一人で大爆笑した。それも拾い追いかける。追いついて、クラクション鳴らすが、全く気付かな い。横まで行ってやっと気付いた。
さようなら・・・タクトの最後の姿  さて、どうするか?チャンバーはもうあきらめた。タイヤは代わりに持っていたザイルを巻きつけた。そして出発。コーナリングが全てドリフトの様になってい る。すると今度はナンバープレートがとれた。そして、エンジンは動かなくなった…。見てみても原因は分からなかった。タクトはここまでとなった。タクトは ここに放置し、ストマジでまず883がこの先キャンプできる場所まで行き、荷物を置き、また戻ってしのみさんを2人乗りでそこまで運ぶことにした。早速一 人で出発した。
 もうけっこうダートにも馴れてきた。それなりに速度はでてるつもりだ。結構な距離を走り続け、山の家という所があったので、ここに荷物を置く ことにした。荷物をおき、とりあえずガソリンを入れる。そして今来た道を戻る。山の家にいた人達はいきなり原付できて、荷物をおき、今来た道を戻って行っ た883を見てどう思っただろうか…。
 さて、しのみさんは歩いてこっちを目指しているのでそこまでいかねば。走る走る。途中対向からスーパーカブが。50ccではないが妙に仲間意識を感じた。
ストマジもSTOP!  しばらくしてしのみさんに合流。後ろに乗せ進む。しのみさんは恐そうであった。で、進んで行くと、いきなりストマジが止まった。セルスイッチを押しても少 し音がするだけで回らない。なんかこれまでの電気系じゃない感じである。なんとキックレバーは全く動かない。キックの上に乗る事さえできる。駆動系か?横 に開いてる穴から砂利でも入ったか?穴からいじくってみるが直らない。しょうがないから開けてみることにしたが、ネジが固くて全く回らない。どうやっても 回らない。なんか開けたら簡単に直りそうなのに全くもってネジは回らなかった。隔してストマジもここまでとなった。なんと2台ともリタイヤ。荷物を置いて ある山の家まで結構あるが歩いて行く事になった。
 遠い…。かなり距離がある。途中にあったエスケープロードあたりで半分と思っているが、そこもまだ見えない。歩く歩く。かなり歩いて、やっとエスケープロードまで着くが、まだ4km以上と書いてある。きっつー。とにかく歩く。
 歩く…。しばらくして、一台の車が通りすぎた後に停車し、「乗ってくか?」と言って来たが「もうすぐなのでいいです。」と断った。しかし、歩け ど歩けど見えてこない。まだ先だった…。乗せてもらえばよかった…。ひじょうに後悔した。今度聞かれたら絶対乗せてもらおう。しかし停まる車はなかった。
 しばらく歩いて、山の家が遠くに見えた。そして歩いていると、一台のカローラワゴンが停まった。「どうしたの?」と聞いてきたので事情を説 明。「あー。途中にあった2台の原付か。やけに新しそうな原付が置いてあると思ってた。確かストリートマジック?」まさしくそれ。けっこう見ているのね。 で乗せてもらう事になった。ダートを走るためには余分な重量はできるだけ除きたい。この車はリアシートを外していたが、わざわざ僕等の為にマットを敷いて 座れる様にしてくれた。もう山の家はけっこう近くであったがありがたかった。そして、おりて御礼を言うと、なんとバナナとお菓子と炊き込み御飯のレトルト を下さった!なんていい人なのだ。ありがとうございます!ほんまにどうもありがとう。人の暖かさに触れる事のできる旅が883は大好きです。世の中捨てた もんじゃありません。いい人は絶対います。去っていく車を見送った。
テント前にて883テント前にてしのみさん  さて、これからどうしようか…。とりあえずバナナを食べる。バナナはエネルギーになりやすいのでいいのです。テントを張れる場所を探す。目の前にあったト ンネルを抜けた所に張れそうな場所があったのでそこが今夜の宿泊地となった。荷物をとりに戻り、そこまで持っていく。そして早速テントを張る。やっと落ち ついた。灯りが無いので暗くなる前に夕食を作っておこうとご飯を炊く。今夜の夕食は「さんまの蒲焼柳川風」。これはさんまの蒲焼の缶詰を汁ごと鍋に入れあ たため、ささがきごぼうを加えて、最後にとき卵を入れ、それをご飯にかけて食べると言うものである。とりあえず完成して食べる。ご飯は水がてきとうだった ので少し芯があった。
 そして食器と鍋を洗い、する事もないので寝ることにした。まだ5時台であるが疲れていたのでしばらくしたら寝た。
…2日目に続く
夕日を背に2人