スキー日記 2000年 3月編

 新しい日記ほど上に掲載してありますので、ご面倒でもスクロールして下からお読みいただけば幸いです。
2000年3/19(日)晴れ後曇り
     昨日に続き今日も十勝岳周辺。昨夜は富良野周辺は大雪だったそうで、十勝岳山域には、この時期にはとてもお目にかかれないような軽いパウダーが20cm以上も積もっており、昨日嫌らしかったモナカ層も粉雪のかなり下。こりゃー楽しめそうだ!。

     まずは足慣らしと十勝岳温泉からO西氏の案内で、ここで合流した上富のスーさんと共に、翁コース(別名オートルート)を一本滑る。いやー、良い雪でした!。

     滑り降りたバーデン上富良野前にて、今年はちょくちょくご一緒する苫小牧のN川夫妻と合流する。ここからは富良野岳ジャイアント尾根がホコ岩までばっちり良く見える!。で、今シーズン最後の粉雪を楽しむべく、今日の目的地は全員一致でジャイアント尾根に決定!、なかなか臨機応変(無計画?)でよろしい!。

     すねまでのラッセルだが大した事はない。途中、普段はニセコがホームゲレンデという3人組のバリバリテレマーカーが、我々を抜いていた。彼らの馬力や履いているスキーを見てもただ者ではない感じ。

     登りはじめは良く晴れていたが、標高1560m付近に到達する頃にはここから上はガスってきたので、ここで折り返し。尾根筋はカリカリしてきたので、北東側に広がる沢形の源頭斜面を降りて、次にトラバースして尾根筋に戻って樹林帯を堪能する。沢に降りる前に幾度も弱層テストをして安全かどうかを確認したのは言うまでもない。

     さすがに朝一番ほど雪は軽くないものの、新雪のおかげで昨日嫌らしかったモナカ層がかなり下になったため、昨日・先週・先々週の鬱憤を晴らすべく、疎林の粉雪の大斜面をぶっ飛ばしたらスカッとした。

     上富のスーさんは今日がテレマーク2回目とかで、時折アルペンターンが混じるテレペンターン。降りてから、ずっとクライミングサポートを付けっぱなしだった事に気が付いたそうだ。そりゃ苦労する訳だ。

     N川夫妻と言えばさすが毎週山で滑り込んでいるだけあり相変わらず、旦那は小回りでダイナミックに、奥さんは中回りで安定したターンを刻む。来年は板をグレードアップする計画との事。うーん、恐るべし!。

     おそらく今シーズン最後となるであろう軽いパウダーを堪能した後は、いつものごとく、白銀荘にてO西氏の撮影したビデオ上映会&露天風呂談義に花を咲かせ、上富良野でラーメンを食べた後、一路栗山へ。



2000年3/18(土)曇り後雪後晴れ
     今日は放送局の取材のお手伝いで、取材クルー、O西氏、H江氏と共に十勝岳へ。朝8時に望岳台集合と言う訳で、前日夜出発し上富良野町内で車中泊し、遅刻する事なく無事集合出来た。でも天候は、風や雪こそないものの雲底は低くたれ込めていて、ちょっと森林限界を越えて山頂へという感じではなかったが、取材日が今日しか取れなかったとの事で、まあ行ける所まで行こうと予定通り出発。十勝岳ベテランのH江氏を先頭に登り始める。

     今日は珍しく風はないものの、避難小屋に着く頃には小雪が降り出し始め、グランドを越えて尾根に取り付くと全くのホワイトアウト。しまいには噴煙がまともに吹き付けてきて、喉は痛いは視界は10mあるかないかの悪条件。とても山頂から稜線を撮影出来る状況ではない。と言う訳で標高1900mを越えたあたりで勇気ある撤退(我々はいつも勇気ある?)。

     上部は、視界は利かないは、尾根はガリガリだは、あちこち岩だらけだはで、ただ降りただけ。グランドからの下りでようやく滑降モード開始。気温が低いので表面の雪質はパウダーだが、その下がモナカ状なので、エッジが引っかかり易く、おまけにあちこちに岩が出ているため、なかなか気は抜けない。大型三脚を背負ってザックのバランスが悪くなったテレマーカーO西氏も苦労している。放送用カメラを背負った放送局員に至っては下手に転べないので、ひたすらプルークあるのみ。ご苦労さまです。

     その中でもさすがベテランH江氏は安定した滑り。MLのADACHIさんといい今回のH江氏といい、生粋の山屋の老獪な滑りの真価は悪条件下でこそ発揮されるようだ。老獪さでは負けるものの、ブーツの性能で勝る私は、必殺高速後傾テール滑りで対抗するが、クラスト層の上の新雪が風で薄い区間では、いきなりスキーが前に滑りだして転けそうになるのが玉に瑕。

     避難小屋に到着後、遅めの昼食。この頃から徐々に空も明るくなり、雲底も上昇し始めた。まあマーフィーの法則じゃないけど、これが山の常。気を取り直して昼食後は、今までの鬱憤を晴らすべく、昔スキー場であった斜面を望岳台めがけ一気に滑るが、もうちょっと斜度が欲しい!。これにて下山終了。振り返るとうーん、稜線近くまでばっちり見える!。

     放送用の撮影としては失敗でしたけど、私は久々の冬山らしさを味わえたし、この時期としては軽い粉雪も滑れたしと、そこそこ楽しめて満足。この夜はO西氏の自宅に泊めて貰い、一晩中彼のコレクションの過激スキービデオ(アダルトじゃーないよ!)を見せて貰ってお目目が点!。うーん、前書いたコラム 書き換えなきゃいけないかな?。


    2000年3/12(日)曇り後晴れ
       昨年は別狩岳(726m)のアプローチ林道が造林作業で除雪していたとの情報を掴んだので、もしかして今年も!と、青山の奥にある別狩岳へマイナールート開拓へ。行く途中は一時えらく吹雪いたのだが、四番川のT字路に着く頃には晴れてきた。しかし探せど除雪された林道はなし。

       しかたなく五番川沿いをラッセルし始めたが、歩けど歩けど、目的の山が近づかない。おまけに昨日、今朝と積もったべた雪の重いこと重いこと。雪質が良ければがんばって行ったものの、これでは下りもラッセルの可能性大!と言う訳で挫折。たかが3kmの林道アプローチと笑うことなかれ。フレキシブルな登山靴と違って重い安物スキー靴を履いているので、私は林道アプローチが嫌いだー!。

       先週も満足に滑れなかったので、欲求不満解消に途中ゲレンデに寄って帰る事にした。でも南向きのスキー場だったのでやはりべた雪、滑りが悪かった。



    2000年3/5(日)曇り一時吹雪、後晴れ
       今日は北海道の山メーリングリストのADACHIさん、N川夫妻、三段山クラブの面々と一緒に、マイナールート開拓へ。行く先は、三和さんの本で”原始の森を彷彿させる樹林帯の急斜面で深雪を楽しんだ”という記述が印象的であった狩振岳である。

       上トマムの集落で皆と合流し、ガイドブックに書いてあった入山口へ向かうと、離農したのか除雪していない。で、昨年冬に下見しておいた別の場所から入山開始。しばらくちんたらと放牧場を歩くが、地図上ではあるかないかの沢形が現地ではしっかりしており、おまけにこの山域があまり多雪地帯でもないためにスノーブリッジが貧弱だったりと、以外と手間取る。

       送電線をくぐるあたりから、札幌近郊並の密な樹林帯に突入する。この山は今回が初めてなのだが、そこそこ入山口の標高があるので、ここまでの密林は予想していなかった。右へ行ったり左へ行ったりと、林の薄い場所を色々探すが逃げ場なし。ヤレヤレ、帰りが思いやられる。

       標高を上げるとようやく密度も薄くなり、太い針葉樹も多くなって、道東らしい雰囲気の森となった。肝心の雪質だが、一昨日にえらく暖かくなった後冷え込んだ為ラッセルはないのだが、急斜面の深雪が楽しめそうにないのが残念。

       しかし三段山クラブや他の方の電子ウェポンフル装備には驚いた。ビーコン装着の携帯電話装備。高度計とGPSで現在地を正確に把握する徹底ぶり。この勢いだとしまいには、山頂からモバギでWEBに山行報告をしかねない程。私と言えば、昔ながらの磁石と地図のみ。結構保守的な私、携帯すら不携帯で(持っていない)、警察に入山届け出すときにも”携帯くらい持参して下さい”と言われる始末。

       山頂直下になって、いきなり天候が吹雪模様になり、風も強まる。山頂で乾杯や腹ごしらえする雰囲気ではなく、そそくさと下山の準備にかかる。こういう時には、保守的な取り付けシールは気を使わずに済む。

       さて待望の下りだが、昨日・一昨日の+10度を越える暖気が今日の冷え込みでガリガリだけならいざ知らず、今朝降ったばかりの新雪が深かったり浅かったりと一定していないため、つんのめったり暴走したりと落ち着きない。そんな悪条件のため、極楽疎林斜面を堪能したとは言えなかったが、そんな場所でも全くペースや滑りが変わらずに滑るのがベテラン山屋のADACHIさん。またN川さんも小回りで颯爽と降りていく。今日の山スキーヤーはレベルが高い!。

       今回だけは珍しく少数派のテレマーカーである三段山クラブ員、山スキーヤーに負けじと応戦する。ただ今日の、いきなり急制動が掛かる安定しない雪質には、ヒールが固定出来ない彼らは苦労したようだ(カンダハーみたいに、板のサイドにワイヤー引っかけるフック付けては?)。転倒シーンばかりアップしたけど悪気はないんですよ!悪気は。だって下でカメラ構えて待っていると、皆さん目の前でポーズ取ってくれるんだもん!。

       それなりに疎林斜面を楽しんだ後は、登りで苦労したあの小灌木の猛烈な密林。これがマイナーな山たる理由かな。でも綺麗な樹林見られたし、山頂踏めたしで、そこそこ楽しい山行であった。

      PS〜
       決して今回のマイナールート開拓は、悪雪&ブッシュに弱いテレマーカーへの陰謀ではありませんよ!誤解しないでね三段山クラブさん!。



    前のページに戻る