シーン3:エフェクトス(逆位置)

GM
順番で行くと… おぉうきもちわりー。左回り*1だよ。では、ガルム… ちがう。 マーテル。これも違う。えーと… グロゥルのシーンか。流れ流れてヘルンツィヒトに到着です。 ここには港があるんで。
グロゥル
ごめん。港が有るって?
GM
場所的には、カルデンブルクと砂丘の間ですね。ケルファーレン公国の1都市です。 で、港の方でジェフリィが頭を掻きながらぶつぶつつぶやいてる所で、あなたを発見して声をかけてきます。
グロゥル
「よぅ、ジェフリィ。久しいな。これは偶然か?」
「ジェフリィ」
「あぁ、グロゥルか… そうか、グロゥルか… まだ騎士修業は続けているのか?」
グロゥル
「続けているとも」
「ジェフリィ」
「少し… そうだな。立ち話も何だから、その辺の宿の食堂ででも話そうか」
グロゥル
「ご馳走になろう」
「ジェフリィ」
「うむ… あっ」
ちゃっかりしてるなぁ(笑)
グロゥル
受ける気まんまんですから(笑)
GM
では、近くのお宿に場所が変わります。
「ジェフリィ」
「話と言うのはだな、ここの領主であるスティッキーの後宮に入っている、 セシリア・フォーゲルヴァイデを守ってもらいたいのだ」
グロゥル
「まて。スティッキーだと? シルバーファングのスティッキーか?」
「ジェフリィ」
「あぁ。君なら面識もあるだろうしちょうどいい」
グロゥル
「面識があるから解せん」
「ジェフリィ」
「…私はこの国では表立って動く事ができんのでな…

 セシリアと言う女性だが、名君、グラオハール一世*2の血を引いている娘だ。 といっても、このことは極一部の者しか知らんのだがな。ただ、 彼女は間違いなくグラオハール一世の子孫であり、また呪われたオークの子でもある。

 先代この町を治めていた領主の妃殿が、戯れに外に出たときにオークに襲われて身ごもったのが彼女だ」
グロゥル
「問題はどちらの血が強いかだが… お前が見るにどちらの血が強い?」
「ジェフリィ」
「人間の血が強いな。

 ただ… 奇しくもな、彼女が生まれた年と言うのが、 グラオハール一世が東方に追い出されてからちょうど111年経ったあとなのだ。

 もしかすると、北狄の血が目覚めるかもしれない。だが、覚醒した場合、良い方に導いてやれば…」
グロゥル
「…いいだろう。人間のように生きる手もある」
「ジェフリィ」
「すまないな。

 それで、彼女を守る本題なんだが… 今、ケルファーレン公国は荒れに荒れている。 高い重税に軍備増強… しかも表舞台に顔を出さない紅王ガイ。まぁ… これらは全て紅王ガイの責任でもあるのだがな。

 フォーゲルヴァイデ家はどうやら紅王ガイを切り、新たにケルファーレン公国の公を立てるつもりらしい。 その新たな公として白羽の矢が立ったのが彼女、セシリアだ。

 そこで我々はギュスターヴに交渉を持ちかけた。セシリアが公となった暁には、 カルデンブルクにおいて、我々ブリスランド王国の自由な貿易を認めるよう約束を取り付けた。 ここは一つ故郷のために働いてくれ」
グロゥル
「俺の故郷は森だ。だが、飯をおごってもらった恩もある。その依頼引き受けよう。報酬はすでに受け取った」
「ジェフリィ」
「すまん。君の肩にブリスランド王国とケルファーレン公国の未来がかかっているんだ」
グロゥル
「旧友の名も出ているしな。知っているのなら教えてくれ。スティッキー・ミュラーは今何者なのだ」
「ジェフリィ」
「彼はここの領主をやっている」
グロゥル
それだけで眉をひそめます。
「そんなバカな…」
「ジェフリィ」
「私も一応スティッキーとは面識がある。先ずは彼の騎士になるところから始めてもらえるか?」
グロゥル
「会って直に確かめるとしよう」
「ジェフリィ」
「うむ。城までは私もついていこう」
手とか髪の毛とか(続く)
*1左回り
 北半球では地球は右回りに回る… というのに拘ってるので、 左回りだと気持ち悪いんです。「アルカナを混ぜる時は右回り」 って書いてあるのも、実はこれと関連があったりします。

 これだけじゃないですけど。
*2グラオハール一世
 “灰髪公子”ヨーカーといった方が解りやすいかも。

 ケルファーレン公国の初代公王である、ライデン1世の7男で、 民からの人気に嫉妬した兄に故郷を追い出された人物。名君と呼ばれている。

 詳しくは Land of the Guilty P.76 「忘れられた血族」を参照。
***編集後記
 フォーゲルヴァイデが、フォーゲルヴァイデの領地を取り上げる…  今回のシナリオでは、この理由を考えるのに本当に苦労した。

 で、結局行き着いたのは、「本来治めるべき人物に治めるべき国を与える」 と言うもの。ギュスターヴはセシリアに怨まれる事を承知で、かつ、 自分への恨みをばねにする事を願って彼女を追放したと言う訳ですな。

 フォーゲルヴァイデを名乗る事を禁じたのも、パーデルボルンを名乗らせる為。

 セシリアが、オークの子であると言うのは後付けで、PLも知らなかった事。 年齢を計算したらちょうど111年だったので、思いつきでオークの子にしてみた。

 ジェフリィはそれを聞きつけて、祖国の為に手を打ったのはいい物の、 適任となる人物が中々見つからなくて困っているところで、アダマスが登場。 楽屋の話を打ち明ける…

 ってのが、このシーンの背景。ある程度動ける人向けで、主人公格の導入。