トラクタ資料本２

１：ランツ　1859年から1929年まで
　もし、ランツ好きならば（日本に何人居る？）絶対買っておくべき本です。かつての戦車モデラーにおけるバイブル「モーターブーフ」みたいな装丁と構成で、これで例の怪しげな側面図が載っていれば同じシリーズだと思うでしょう。
　Ａ４サイズ約２５０ページ、ハードカバーのズシリとした本です。　なんと、予定では、このランツだけで年代順に５冊出す事になっているらしく続巻が待たれます　（注：実は、既に全種出ていた様です。ソフトカバー版全５冊セット！も含め絶版で、再販が期待されます）。この本では、スチームトラクターからブルドッグの「ＨＲ２」というラジエターの付く前の初期モデルを網羅、ラジエターの無い頃の資料は貴重で、焼き玉エンジン車に限ってはそれぞれ側面図まで載っています。ただ、例えるなら「パ・リーグの２軍」といったマイナー車両ばかりなので、初心者にはお勧め出来ません。
　
２：トラクターメーカーが作った、車、トラック、バス。
　恐ろしくマイナーなネタです。当然、変わった車も多いのですが、1900～30年のアメリカに限定しているのでマイナー車好きでも持て余すでしょう（笑）。自動車の歴史研究の面では興味深い資料だと思います。例えば「グラハム・ブラッドレイとグラハム・ページ」について日本で説明された記事はないでしょう。　どちらかというと文章が主体の構成で、写真も各ページに載っていますが、全て当時の印刷物から取ってきた小さく画質の良くないものです。
　A4サイズ160ページ、ソフトカバー、紙質もあまり良くない軽い本。これはオークションで入手しました。定価は約２０ドルですが、６ドルのラベルが貼られていました。流石にアメリカでも売れず、投げ売りされていたんですね。（笑）
　
3：世界の農耕トラクター模型図鑑
　Ａ４サイズ、３４８ページの大半を、１ページ当たり写真６～８枚のトラクターのミニカーの白黒写真で埋め尽くした凄い資料です。少々古い本なのでそのうち絶版になるのではないでしょうか。内容は農耕トラクタに絞っているので、建機や、馬や牛といったファーム・シーン物は載っていません。そのくせペダルカーにページを割いているのがアメリカらしいところ。
　ファーム・トイは、新製品が次々出る「生きたジャンル」だけに、現行の商品の多くは載っていません。でも、ネット環境を持つ人には、むしろ古い物にページを割いた本書は有り難いと言えるでしょう。現行商品ならネットで見つかりますから。プラモデルも載っているのでプラモ創生期に出ていたキットなど嬉しくなります。日本製の物も結構丹念に集めています。巻末の製品データは写真ページとリンクしておらず不便ですが有用なのは確かです。
　
4：タイペンブーフ　ランツ・ブルドッグス
　「タイペンブーフ」のシリーズ。１ページ当たり１車種、カラー写真１枚とデータで紹介。これも、Ａ４ハードカバー。
　現存する車両を美しい写真で紹介した図鑑的な本で、こういう網羅的な本も１冊くらい持っていると便利。もっとも、その役目はMotor buchが出しているハンドブックのTypenkonmpass（ssはエスツェット）の方がお勧めです。そちらはは当時物の白黒写真で構成されていて珍しい型も載っています。（って・・・なら、そっちを紹介しろよ！。ISBM：３６１３０１９８０９です。）
　
5：ランツブルドッグ　1928-55
　スポーツカーや高級車、バイク、キャビンスクータ、あらゆる車を扱った本としてワリとポピュラーなSchreder-Motor-Chronikシリーズに何故か登場するトラクター本。ドイツ語。９４ページ。Ａ４を2/3にしたくらいのサイズです。当時の実車カタログからの転載した図版で構成されています。ランツブルドックの車種を知るには手頃な本です。後半半分は戦後モデルなので注意が必要です。昔は大した資料が日本に入ってこなかったので重宝しましたが、今ではネットで他の本を注文出来るので、この本はあまりお薦めしません。
　
6：ラウペン・シュレッパー（装軌トラクタ）
　「ラウペンシュレッパー」と聞けばついシュタイヤー社のＲＳＯ「オスト」をイメージしますが、残念ながら（？）軍用車両は載っておりません。イチかバチか買ってみて泣いたドイツ軍用車両ファンもいるかも知れませんね（笑）。「ドイツ製、農耕装軌トラクタ」の本です。ほぼ全ページが実車カタログから抜粋という構成で、車種による資料の粗密がありますが、こういう本は他にないので好き者には堪らないでしょう。Ａ４ハードカバー１４１ページ。