LANZ BULDOG 35HP 1/35 
 ランツ ブルドッグ 35HP登場!
 待ちに待ったプラスモデルの異色アイテム。

 個人的に戦前のランツブルドックは一番好きなトラクターで、スクラッチしようと図面まで描いたたことがあります。このメーカーの戦前・戦中モデルは、殆ど同じ形でありながら、小さいのから大きいのまでラインアップが充実、タマに写真で見つけても余程の通でなければどのモデルか見分けるのは困難だったりします。(ドイツのハーフラックの様だと言えば分かりやすいでしょうか)。 なお、戦時中ある時期からゴムタイヤに替わってスチールホイールが使われ、余計に「農耕トラクター」っぽくなったりします。
 究極・独特・魅惑のメカニズム!!!。

 写真の状態では普通、「エンジンなしのシャーシ部分」と思われるところですが、実はこれでもエンジン本体が含まれているのです。シャーシ後半はトランスミッションのケース、中央はクランクケースを兼ねていますが、前半はなんと!巨大な単気筒エンジンのシリンダーケースを兼ねているのです!。シャーシの全てがメカニカルコンポーネントを兼ねる全く無駄のない構造なのです。ああ素敵!。(ちなみにシリンダーは水平。ピストンは前後方向に運動します。)

 最前部の丸い出っ張りが燃焼室。セミ・ディーゼルエンジン、つまり2ストローク焼き玉エンジンなのです。食糧増産が求められる一方で、労働人口の減少と燃料事情の悪化が急速に進む戦時にあって、最も低質な燃料(重油)を使用する焼き玉エンジンのトラクターは重宝したでしょう。戦時中のハンガリーでもコピー(ライセンス生産か?)され、それをベースに兵員輸送ハーフトラックが作られたりしたらしいです・・・。
 ボンネットの中には、燃料・水タンク、ラジエター、エアフィルターくらいしか入っていません。
 (画像をクリックすると新しいウインドウに説明書全体の画像が開きます。)

 今回も、説明書を・・・部品の構成が理解出来ると思います。

 なお、説明書の裏には、民間バージョンと、軍用バージョンの塗装とマーキングについても簡単に説明されています。特に、民間バージョンの塗り分けについて資料が無かったので有り難いです。箱の完成写真はその民間型の塗り分けです。余談ですが、戦後のランツはジョンディアに買収されるまで青色が主でした。
総論
 私自身はこのトラクターが大好きなので大満足ですが、そういう感情を差し引いたとしてもキットのクォリティは最高レベルだと思います。キットにはデカールと、ライトのレンズ部分が透明部品で用意されているし、エッチングも適切な物が入っていて、パーツは多くても手慣れた感じがするキットです。作りやすい筈です。

 なお、タトラ57K、テンポG-1200、同様、この「35HP」もチェコにある実車を徹底取材して作られたようです。
 むきだしのディテールが多い分、取材の効果が絶大なのがこのランツブルドック35HPです。プラスモデル最高!

 ああ。今回も全然キットの紹介になっとらん(爆)。
補足。資料について。
 資料本紹介コーナーにてランツ本を紹介。ここ  ランツブルドックの画像がタップリ見れるサイトTony's Lanz Bulldog page

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