小松製作所 KC20-3 ぎんれい
雪上車
 うぉぉ!名機だ!ずっと見たいと思っていた車両です。しかも、ちょっと整備すれば動きそうな良好な状態でビックリ。また、写真で見る印象より随分小さくて、やっぱりM29ウィーゼルの子孫だと納得しました。コマツの雪上車はコレと60式3トンしか無く、その事を認識した上で両方見られた私は多分幸せ(?)です。

 KC20-3は、最初の日本製(量産)雪上車とされる車両※で、昭和29年12月から45年までの長期間に272両が作られました。(※実際は大原の「吹雪」のほうが先です・・・生産規模がちがう?)この個体は小さなバンパーが付いているので36年以降の型でしょうか。

 KC20にはこの「-3」の前に「-1」「-2」と有りますが、これらは試作車と言って良く現存していないでしょう。最初のKC20-1「スノージープ」は池貝自動車の制作で、同社を吸収合併したコマツがプロジェクトを引き継ぎ、「ぎんれい」として生産するまでに仕上げました(結局、大メーカーのコマツには旨味が少なかったと見えて、新たな民需用の後継機種を作る事なく雪上車から撤退しています)。

 この小松ぎんれい系が脚光を浴びたのは南極観測隊で使用された時で、第1次観測隊(1956年秋出発)から20年間で25両もが持ち込まれたのだそう(最後は1976年の17次隊、1983年には全車が廃車)。国内に現存する南極観測隊仕様は、名古屋港の南極観測船「ふじ」船内にKC20-3Sが、おなじ足回りのKD20-T(ディーゼルトルコン型でボディは全然別物)が稚内市青少年科学館に展示されています。

 足回りや駆動系のメカニズムは、古い本に部品図が載ってたりする非常に特徴的な物です。じっくり特集してみたい車両です・・・。

南極雪上車
南極観測船ふじ船内のKC20-3S
第一次観測隊の1号車と思われる(すごい!)
(なかがわひろゆきさん提供)

最も後期と思われるKC20の側面図
前面を覆う巨大バンパーが特徴
2004.8.17

サビ車リスト

home