- プチVIP観光
本来のツアーはこの日が帰国日なのですが、私を含めた6人は1日滞在を伸ばしてカンガルー島の観光に出かけます。
他の車が出払っていたということで、ホテルから空港までは余っていたリムジンがお出迎えという、小人数ならではの経験。
カンガルー島はアデレードから140km程の近さ。
小さなプロペラ機に乗ってあっという間に着いてしまいました。
ツアーバスに乗って島内観光です。
- ミニミニオーストラリア
カンガルー島は東西が約150km、南北が約50kmという、そこそこ大きな島。
島内の移動も意外に時間がかかります。
島の半分は大陸のどこでも見るような普通のオーストラリア風景が続いているので、退屈に思える場所もありました。
しかし、島の半分が野生のまま、島の3分の1が国立公園や自然保護区になっていて、オーストラリア特有の野生動物の宝庫というのが宣伝文句になっています。
- 豪州名物
オーストラリアを代表する木であるユーカリは、油分が多く燃えやすく、自然発火してしまいます。
旅行中もシドニー郊外で大規模な山火事(bush-fire)が燃え続け、大問題になっていました。
この島でも、バスの車窓からところどころ火事の跡を見ることができます。
その火事を前提としている生物がいるというのがオーストラリアの不思議なところ。
ヤッカというシュロのような木が、火事にも負けず黒焦げの林の中で既に緑色の葉を出しているのが見えました。
この木は100年で20〜30cmしか成長しないそうなので、2,3mに成長するまでに1000年もかかっていることになります。
この木は何度の火事を体験したのでしょうか。
- 野生のカンガルー
島の名前に偽りはなく、野生のカンガルーがいました。
以前大陸のクーナバラブランで見たことがあるカンガルーに比べると小さめで、2本足で立つと人間の子供ぐらいの大きさです。
人間をあまり恐れていないようで、近づいても逃げようとしません。
宿泊施設の近くにいるカンガルーは、人間に慣れすぎて名前までつけられているそうです。
イタリア人旅行者がアイスクリームを与えるとベロベロとなめてしまい、野生の動物というイメージとはだいぶ違ったことになっていました。
- オージー・オブジェその1
海岸の岬にある岩の群れ。
リマーカブル・ロックス(remarkable rocks)と呼ばれる、自然が作ったオブジェです。
みかげ石が波と風によって長い時間をかけて削られてできたものだそうです。
大きな穴は海と反対側に多いという程度の規則性はありますが、形は様々でどれも実に奇妙な形をしています。
見る角度によっていろいろな形に変わり、ずっと見ていても飽きません。
岩の下部も削られ、隙間が空いています。
それぞれの岩は土台の岩と、面積の小さな点で接触しているだけ。
全体は決して平らではないのですが、よくバランスがとれているものだと感心します。
- オージー・オブジェその2
これも波と風の芸術品、アドミラルズ・アーチ(admirals-arch)と呼ばれる岩の穴。
ちょっとした鍾乳洞のように見えます。
リマーカブル・ロックスの表面はなめらかでしたが、こちらの表面は複雑で、ヒモのような岩が天井から垂れ下がっていました。
- 野生のオットセイ
アドミラルズ・アーチの近くには、ニュージーランド・ファー・シールというオットセイの群れがいます。
岩に穴を空けるほど波は強いのに、平気で岩場に寝そべっていました。
やや離れた岩場の歩道から見るだけなのですが、たまに動き出して岩場の上をヒョコヒョコ動いている様子を見られました。
- 野生のアシカ
シール・ベイ(seal bay) と呼ばれる砂浜に見えるのは、うちあげられた漂着物ではなくオーストラリア・アシカ。
5,6mの距離までは近づけるので、かなり間近で見ることができました。
アシカのほとんどは砂浜で寝転んでいるばかりで、あまり動きはありません。
子供のアシカだけはそこそこ活発に動いていました。
動きも表情も見物人好みだったので、日本に連れていけばアザラシのタマちゃんに負けない人気者になれそうです。
- 野生のコアラ
カンガルー島を代表する動物は、実はカンガルーよりはコアラ。
かつてこの島にコアラはいなかったので、本土から送りこんで繁殖させた結果、今は増えすぎて困るほどの数になっているそうです。
ユーカリの木の上に、簡単に見つけることができました。
- コアラ・バトル
バスに乗ろうとしたとき、コプティック星座館の店長である水村さんが、地上を歩いているコアラを発見。
追いかけられたコアラはびっくりして、あわてて松の木に登ってしまいました。
ユーカリの木ではないため、居心地が悪くて不安そうです。
イタリア人旅行者が近づくと、木から飛び降りてまた地上を走り出し、私の方に向かってきました。
木の上のコアラはゆったりと動いていますが、地上を走るコアラは結構速く、慌てて避けることに。
コアラはユーカリの木に登り、枝から枝へジャンプ。
ようやく人間を逃れ、安住の場所にたどりついたようです。
- 野生の王国
その他にも、1日のツアー中にワラビーやオオトカゲ、いろいろな鳥や花と出会うことができました。
この島にはペンギンがいたり、鍾乳洞や砂漠があったりと、見所がたくさんあるそうですが、今回はここまで。
全てを見るには2日以上の滞在が必要だとか。
また機会があれば、ぜひ訪れてみたい島でした。