これモアイ

2010年7月9日(金)

moai-star


皆既帯突入
pascua イースター島は英語で "Easter Island"、スペイン語では "Isla de Pascua"。 どちらも復活祭の島の意で、この島に到達した西洋人側の呼び方。 現地語では "Rapa Nui" で、広い大地の意味だそうです。
現在はチリ領ですが大陸から遠く離れた絶海の孤島で、サンチアゴから飛行機で5時間以上かかってイースター島に到着。
島全体が皆既食帯に入っているので、とりあえず天気さえ良ければ日食を見られるところまでたどり着きました。

皆既日食と言えばエリカ様
erika イースター島は観光地なので宿はそれなりにあります。 もっとも今回やってくる日食見物客を受け入れるには全く足りませんが、私たちのツアーはここで2泊できます。
宿の名前は "Chez Erika"。Erika は女主人の名前ですが日本人とは関係ありません。
ベッドとシャワーがあるだけの部屋ですが、この旅行でようやく落ち着いた部屋で休むことができるようになりました。

世界遺産の日食町
hangaroa1 島の人口は約5000人。 住居も観光客の宿も、島の南西部、飛行場近くのハンガ・ロア村に集まっています。
メインストリートはそれほど長くはないものの、朝市に人が集まり、レストランもあって観光地らしいにぎやかさがあります。
hangaroa3 土産物屋が何軒もあり、様々な種類のモアイグッズが売られていました。
日食の公式パンフレットが無料配布され、日食グッズも多数作られ、日食の町としての雰囲気も十分。

その他の住民
hangaroa2 町中を歩いていて目立つのが犬。 飼い犬も野犬もいるようです。 体が大きいものが多いのですが、どれもとてもおとなしく、吠えたり人を追ってきたりする犬は全くと言っていいほどいません。
馬も平然と歩き回っており、歩道には馬糞がたくさん落ちています。

初モアイ
ahu-tautira 町から海岸へ降りると、ここで「アフ・タウティラ(Afu Tautira)」のモアイとあっさり初対面。 石を積み上げた横長の祭壇があり、その上に大きな石像が海を背にして立っていました。 高さは数mほどでそれほど巨大というわけではありませんが、とにかくこれが初モアイ。
ここはあまり有名でないものの宿や空港から近いので、日食当日には大混雑になるはず。
「アフ」は「祭壇」、「モアイ」は「像」の意味だそうで、そうするとモアイ像では呼び方が重複していることになります。
なおアフから人骨が発見されたことで、アフは墓でモアイは墓碑だという説が有力視されているとか。

草原の火山島
hill 昼食後、日食観測場所の下見をかねたモアイ見物に出発。
イースター島は火山島で、火山性の丘があちこちにあり平らなところはあまりありません。丘は草に覆われているだけでのっぺりとした印象です。 南国の島なのに木があまりなく森などは見当たりません。 その昔モアイを運ぶために木を乱伐したためだそうで、今風に言えば環境破壊の成れの果て。
季節は冬のため花も少なく、目立つのは人間が持ち込んだデイゴぐらい。

晴れ晴れモアイ
ahu-akivi 島の内部にある「アフ・アキビ(Ahu Akivi)」。
7体のモアイが並ぶ壮観な眺めです。 海岸のモアイは必ず海を背にしていますが、ここはどちらかと言えば海の方を向いています。
モアイは部族間の争いによって全て倒されているので、現在立っているのは全て修復されたもの。 その形状から首が弱くどうしてもそこから折れてしまうので、近づいて見ると首を修復していることががよくわかります。
ここで日食を見るといい眺めになりそうです。 ただ近くで音楽イベントが開催されるため周囲にキャンプしている人が多く混乱しそうなこと、また雨が降ると地面がかなりぬかるんでしまうことから、観測場所にはしにくいというのが皆の一致した意見でした。

不吉な虹
rainbow この日の天気は気まぐれで短時間でめまぐるしく変わります。 晴れた空に黒い雲ができたと思うと、さっと雨が振り、パッと止んでしまうことの繰り返し。
太陽が低くなってくると虹を頻繁に見ることができました。
もっともそれだけ湿気が多く雲ができやすいわけで、日食にはあまりありがたくはありません。

穴場モアイ
ahu-akapu 続いてやってきたのは村の北部の海岸にある「アフ・アカプ(Ahu Akapu)」。
あまり有名ではなく、村から少し離れているため、他にあまり人が来ないだろうというので、観測場所の候補として案内されました。
気に入ったのは日食中にモアイのシルエットが横顔になること。 沢山のモアイが並んでいる方が壮観ですが、正面からはシルエットが単なる棒のようになってしまうので、モアイらしさを求めるならこの角度がベスト。
地面は広く草で覆われているので雨が降っても問題はなく、ここは穴場になりそうです。

虹を見つめるモアイ
ahu-riata この日最後は「アフ・リアタ(Ahu Riata)」。
あまり知られていないように思えますが、港のすぐ横にあり周囲に建物も多く、近くにテントサイトもあることから、日食当日はちょっと人が多くなりそう。
モアイも顔の風化が進み彫が浅くなっており、アフ・アカプのものより魅力を感じなかったので、モアイの虹との競演楽しんだだけで見学を終了しました。


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