荒れモアイ

2010年7月10日(土)

best

7人制モアイ
ahu-naunau イースター島2日目は天気が一変。 朝から雨が降り、ときおり風も強く吹く悪天候になってしまいました。
それでも前日に続いてモアイ観光と下見を続けます。
まずは島の北東にある「アフ・ナウナウ(Ahu Naunau)」。
白い砂とヤシの木が並ぶリゾートっぽい海岸にあり、7つのモアイが並んでいる様子は見事です。
左の4つにはプカウと呼ばれる帽子も乗せられ、本体とは違う赤い岩で作られているのがよくわかります。
近くには倒れたままのモアイや、古い型でずんぐりとしたモアイも見られました。
ここはちょうど日食を背にする位置にあり、モアイを入れた構図は抜群。 多くの人がここへ来るのは間違いないでしょう。
ただ先客が既にモアイの正面真下に場所取をしています。 また後方の斜面でも場所取りをしているのでそこから見てみると、なるほど空と海とモアイとヤシの木が素晴らしい配置になっていました。

15人制モアイ
ahu-tongariki1 総勢15対のモアイが並ぶ「アフ・トンガリキ(Ahu Tongariki)」。
大きさや形は様々でバラバラの感はありますが、これだけ見事に並ぶとさすがに圧巻。
他にもモアイが倒れていた向きによって、風化の進行度や岩の変質が違っているなど、見比べるといろいろなことがわかるとか。
島の北東部で、モアイ向きが太陽と逆になるので日食観測場所としては適していないのが残念ですが、夜明けに太陽を背にする姿は絶景だそうです。
ahu-tongariki2 プカウが乗せられているモアイは1体だけ。 強度が不足していたり平らにならず安定しないなどの理由で乗せられなかったプカウが近くに並べられています。
他にも近くの岩の上にカメの絵が彫られていたり、倒れたモアイと遠くの岩山が相似形に見えたり、見所が多いところです。
日本とも関係が深く、日本の企業が修復に協力したことでも有名で、近くに日本へ来たことがあるモアイも置かれていました。

無意味な下見
ahu-akapu2 一旦ハンガ・ロア村に戻り、昼食後に行動再開。
日食の時刻に太陽の位置を確認するため、前日候補地としたアフ・アカプをもう一度訪れます。
しかし雨が強く、太陽は全く見えず、下見の意味がありませんでした。
馬がアフに立ち入ると、賢い犬が近寄って吠え、馬を追い出すという光景を見られたことだけが収穫。

モアイ・アイ
ahu-tahai ついでに近くの「アフ・タハイ(Ahu Tahai)」を観光。
復元されている中で唯一目のあるモアイとして有名です。 ただし目の形は実際のものとは多少違っていて、実際はもっと目尻が伸びていたそうです。
他に5体と1体のモアイもあり日食風景としてよさそうですが、太陽との位置関係がいい場所がアフの中になってしまうので候補からは除外。

モアイ製造工場
rano-raraku1 観光の最後は「ラノ・ララク(Rano Raraku)」。
アフ・トンガリキから見えていた岩山で、祭壇ではなくモアイを製造している現場です。
山の斜面に約400体の作りかけモアイが残されているそうで、それらを見学できる遊歩道が整備されています。
雨は止まず風も出ていますが、見学できるのは今しかないのでコースに沿って出発。 数々のモアイをすぐ近くで見られるので、興奮状態が続き雨のことも忘れてしまいます。
rano-raraku2 作りかけモアイには様々な状態があり、製造の行程がよくわかります。
モアイは石の棒から彫り出すのではなく、岩から仰向けの形で大体の形を掘り出し、最後に背中を切り取るという方式。
モアイは後期になるほど大きくなっていったそうで、彫りかけモアイの一つは全長20m以上もある巨大なもの。
もしこれが完成して立てられていたらさぞ壮観だったでしょう。
rano-raraku3 切り出されたモアイは彫った穴に立てられ、最後の仕上げが行なわれます。
首だけしかないように見えるのは、その穴が埋まってしまったため。
アフにあるモアイより新しく、破壊もされず、場合によっては土に埋まっていたものもあるので、顔の彫の線がとてもシャープ。
未完成ではあるものの、風化が少なく修復の手が入っていないこちらの方が原型に近いと言えます。
rano-raraku4 帆船の絵が描かれたモアイや、正座するモアイなど、少し変わったモアイも見られます。
遠くにはアフ・トンガリキの15体も見えるというオマケ付き。
モアイ見物の最後として十分に満足できました。


| イースター島皆既日食トップ | ← これモアイ | 虹色ダイヤモンド → |