王生員は旧家の七男(兄弟と父方のいとこ全体の中での生まれ順で、排行(はいこう)という)でした。 まだ若いのに仙人にあこがれて、労山というところに仙人が大勢いると聞き、早速弟子入りに出かけました。
労山のうちのひとつの峰に登ってみると、古びた道観(どうかん/道教の寺院)がありました。 蒲(ガマ)の円座に座っていた白髪の道士(道教の修行者)と話してみると、その言葉がいちいち深遠な哲理に満ちていますから、すっかり敬服して、さっそく弟子入りを申し込みました。 「大家の坊ちゃんにつらい修行はつとまるまい」と道士が言うのを、 「できますとも!」と請け合ったのでした。