著者が、山東省の沂水(きすい)に住む劉宗玉(りゅう そうぎょく)という人から聞いた話ということです。 劉の下僕の、杜(と)という男が庭に立っておりますと何か光るものが庭を水のように流れて行くのが見えました。 近寄ってみると、何と! 数も知れぬ銭が流れて行くではありませんか。
銭は低額の貨幣ですから、まあ、100円や10円の硬貨が50cmもの幅と厚みで庭を流れて行くところをご想像ください。 杜は気も狂わんばかりに喜んで両手に山盛りにすくい取りましたが、流れになんの変化もありません。 杜は銭を押さえつけようと流れの上に飛び込みました。 しかし流れはそんなことにお構いなしに、どこかに流れ去ってしまい、残ったのは両手に握ったわずかな金額だけだったということでございます。