聊斎志異より 「寒月芙きょ」 5/5

トックリはいくたびか一座を回りましたが、いくら注いでもなくならないのです。
先の酒と全く味が変わらないので、不審に思った主人があとで調べてみると、酒蔵にあった何本かのかめが封をしたままで空になっているのです。
この人は役人でしたから、何とか理由を付けて道人を捕らえ、ムチ打ちの刑にさせました。

ところが、回廊の下で道人が打たれるたびに、上で見ているこの役人に、骨が砕けるような痛みが走るのです。
ついに体から血が流れてきたので、あわててムチをやめさせ、道人を町から追放したのでした。
そんなわけで道人は済南を出て、行方は知れなくなったのでしたが、のちに南京で見かけた人がいたということです。