Web 絵草紙
「羅城門の上層に登りて死人を見たる盗人の語」 1/4
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今昔物語より
「羅城門の上層に登りて死人を見たる盗人の語」
 (らしやうもんの うはこしに のぼりて しにんを みたる ぬすびとのこと)

今は昔、盗みをしようとして、摂津の国(せっつ/大阪付近)あたりから京に上った男がおりました。
まだ日が暮れないうちに着いてしまい、大通りの朱雀(すざく)大路に人通りが多いので、人目を避けて都の入口、羅城門の陰に隠れるように立っていました。
ところが、今度は大路の反対側から大勢の人が都に近づいてくるらしい音がしますから、見られてはいけないと思い、門の二階にそっとはい登ってみると、何やら火影が見えます。