Web 絵草紙
「羅城門の上層に登りて死人を見たる盗人の語」 2/4

不思議に思った盗人が、格子窓から覗いてみると、若い女の死体があり、その枕元に灯をともして、白髪の老婆が死人の髪の毛を引き抜いているのです。
盗人は訳がわからず、これはもしや鬼などではないか、と思って恐ろしかったのですが、

『もしかしたら生き返った死人かも知れない。脅かしてみよう』というので、そっと戸を開き刀を抜いて、
「おのれは! おのれは!」と叫んで走り寄りました。