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出掛けた先でもいろいろと用事が
多かったのですが、小中将が心配
なので、そこそこに片づけて急い
で戻ったのでした。
都に帰るや、大急ぎで屋敷に駆けつけますと
屋敷の者が応対して、
「すでにお亡くなりになられて、昨夜、鳥辺野に葬りました」と言うのを聞いた高経の驚きは例えようもないものでしたでしょう。
そんなわけですから、人影が灯火に浮かび出たようなときは、その灯心の燃えくずを水に溶いて、必ずその人に飲ませなければなりません。
また、祈祷もしっかりとしておかなければなりません。
大変に不吉なことであるのを知らず、処置をしないで灯を落としてしまったので、てきめんにそんな事になってしまったのだと語り伝えたということです。
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