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航空券とツアーの基礎知識







○燃油サーチャージとは
原油高騰により2005年からはじまった航空券料金に「燃油特別付加運賃/Fuel Surcharge」を
別途加算するシステム。国際線のみが対象となり、料金は各国の航空局などで認可されます。
■付加運賃基準と廃止時期
シンガポールケロシンという原油の市況価格平均が基準額となり、平均原油価格が「1バレル=
60ドル」を下回った場合に燃油サーチャージ徴収は撤廃されます。
■航空券購入時の注意点
チャージは片道単位での料金となり、乗り継ぎ便の場合は複数区間の料金が加算される場合が
あります。また航空会社によって付加料金や適用ルールが異なるため、格安航空券を買う場合
やツアーに参加する場合は燃油サーチャージを加えた料金での比較検討が必ず必要。2008年、
原油異常高騰により格安航空券料金よりも燃油付加料金の方が高くなる場合も出てきました。
尚、旅行・航空業界では燃油付加料金を加えた総額表示の方法が段階的に導入されています。

○格安航空券とは
ディスカウント・チケットとよばれ現在では基本的に最も安い航空券。ツアー用のIT(個人包括)
運賃をベースにしていて、簡単にいうとツアー用航空券のバラ売り。一番安いのはキャンペーン
チケットとよばれる特別割引のチケット。航空会社が特定時期の販売促進のために特別価格設
定しているため、他のチケットよりも確実に安くなります。また、オンラインチケット会社では会員
登録者向けの特別割引情報などを配信しています。
■料金の比較
格安航空券を扱う旅行会社で購入しますが、各社それぞれ得意な国があるので、全てのチケット
が一番安いという会社はありません。また、航空会社や出発時期(シーズナりティ)、有効期間に
よって価格は変動し、取り扱い旅行会社によって料金格差がある場合も珍しくありません。
安く購入したい場合は5社程度の料金を比較検討する必要があります。尚、ポピュラーなHISは昔
は安かったものの、会社が大きくなってからは割高料金になっている場合もあるので、先ずは相
場を把握するためにHIS料金を調べ、その料金以下の会社を探すのも堅い買い方。
またヤフートラベルの格安航空券情報では、激安チケットを探すこともできます。
ヤフートラベル
■格安航空券会社/一例
H.I.S
e-tour
CAS コスモエアーシステム
IACEトラベル
can tour
フリーバード

エキスペディア・ジャパン
地球の歩き方 T&E
華南トラベル
ena(イーナ)
旅人舎
アドバンストラベル
JTB格安航空券
■格安航空券会社への相談と値引き
インターネットが普及する中、渡航ルートなどの電話相談に不親切な会社も増加。ネット上でしか
予約を受け付けない会社もあります。また、安くても問い合わせ対応が悪いと買う気にならない場
合もあるでしょう。そんな時は、親切な会社に競合会社の料金を率直に伝えれば、同等金額に値
引きしてくれる場合もあります。
■FIXチケットの帰路放棄
格安航空券、安い短期FIXチケットを利用し、帰路分を放棄する場合の運用が厳しくなり、とくにア
メリカに入国後、中南米を陸路で廻る旅行者への影響がでています。従来は問題化されることは
ありませんでしたが、最近では、チケットを購入する際に帰路分を放棄することを伝えると販売し
ない旅行会社も増加。といっても、購入時に何も言わない場合は、事実上黙認されています。
航空会社の立場としては、往復FIX航空券の帰路分を放棄されると困るというもので、中には、旅
行会社へ違約金請求する航空会社もあるようですが、その場合、原則的に旅行会社が違約金を
負担し、悪質なケースを除き、利用者に請求されることはありません。
また、旅行会社よっては帰路放棄を容認する航空会社のチケットや、帰路放棄が問題とならない
オープンチケットを勧めるケースもあります。
■世界一周格安航空券
一般的に知られるようになった世界一周格安航空券。世界一周といってもアメリカとヨーロッパに
立ち寄れば世界を一周することになるのでこう呼ばれています。ルートとしては、利用航空会社に
よってアジアを立ち寄るもの、オセアニアを立ち寄るものがあります。
<単一航空会社一例> ※発売休止となっている場合があります。
◆エア・タヒチ・ヌイ
世界一周プログラム。有効期間は6ケ月。18万円程度〜。ルートは東京〜タヒチ〜米国・ロサンゼ
ルス〜フランス・パリ〜東京。日本航空の利用も可。
◆ユナイテッド航空(1ケ月有効・13万円程度〜)
◆マレーシア航空(1年オープン・20万円程度〜)
<アライアンス系>
スターアライアンスなどの航空会社グループによる世界一周チケットもありますが、単一航空会社
の世界一周チケットとは異なり、かなり高額で利用価値はあまりありません。

○正規割引・PEX航空券とは
航空会社が独自に設定した割引チケット。格安航空券との料金差が年々縮まり、方面によって
はPEX航空券の方が安い場合もあります。事前購入を条件としたアドバンス・ペックスと当日購
入可能なゾーンペックスの2タイプがあり、日系航空会社の他にも多くの航空会社が実施。航空
会社または旅行代理店で購入できます。格安航空券より優先順位が高いために、格安航空券
の予約が取れない場合や繁忙期でも席が取れることもあります。また子供料金の設定があるの
で家族利用する場合は便利です。

○海外発券チケット
■呼び寄せ便チケット
海外発券の日本発航空券のこと。現地の格安航空券会社で購入できます。
■各国発券チケット
バンコク発券の多くは一年オープンで方面も豊富。但し値上げなどによって、価格的なメリットが
少ない場合もあります。また欧州発券の場合は片道単位での販売が一般的、フランス(パリ)を
はじめ、トルコ(イースタンブール)で買うのが安くてお得。詳細な予定を組まずに、自由気ままに
旅するなら現地で購入する方がいいかもしれません。

○その他の航空券
■正規運賃航空券
ノーマルチケットと呼ばれる定価運賃航空券。どの航空会社を利用しても同一料金。
■IATAペックス航空券
国際航空運送協会が決めた割引航空券。どの航空会社を利用しても同一料金。
IATA (International Airline Transport Association)





○空港使用税について
国際空港利用時の空港使用税には、航空運賃に加算して徴収する方式と別途支払う方式があり
ます。別途支払う場合は、事前に金額を調べ、その金額分の現地通貨を所持していた方が無難。
ドル払いなどが出来ない場合、持ち合わせがないと再度現地通貨に両替する手間がかかります。


○アドオン料金

国内ADD-ON(アドオン)は、国際線予約時に、日本国内の航空運賃が割引(無料)になる特別
運賃。また国際ADD-ONは、予約時に現地から指定都市までの航空運賃が割引になる特別運
賃。アドオン設定は複雑で、航空会社や行き先によって、また時期によっても異なり、同じ航空会
社でも設定が有る場合と無い場合があったりします。

○航空券のリコンフォーム(最終搭乗確認)
航空会社によってリコンフォームが必要な会社と必要でない会社があります。リコンフォームが
必要な航空会社の場合、通常、搭乗予約の3日前までに電話するか、または営業所を訪れてリ
コンフォームしますが、航空会社の中には、日本で出発前にリコンフォームができる航空会社
もあるので、搭乗予定の航空会社に事前確認してみましょう。尚、以前リコンフォームをせずに
当日空港に行くと、予約を取り消されていて押し問答したこともあったので、リコンフォームは忘
れずに。席が空いていれば搭乗させてくれますが・・・。

○航空券用語
■FIXチケット
帰りの便を事前に決め、便の変更ができないタイプ。
■FIXオープンチケット
1回のみの帰路便変更ができるチケット。航空会社によっては手数料を払えば何回でも変更可
能の場合も。
■オープンチケット
帰りの日時や便を事前に決めないで現地で自由に予約できるチケット。帰路便予約後の変更も
可能。
■オープンジョー
行きの到着地とは別の国や都市の空港から出国できるチケット。欧州方面に多く、同一の航空
会社利用であることが必要。
■ストップオーバー
経由便の経由地で途中降機して立ち寄れるチケット。数千円の追加料金が必要な場合も。
■周遊チケット
複数の国や都市を周遊できるチケット。
■予約確認書(バウチャー)
格安航空券は事前に発券される場合と当日空港カウンターでチケットが引き渡される場合があ
り、一般的には空港渡しがほとんど。空港渡しの場合は事前にバウチャーが発行され、チケット
引渡しの際に必要。また査証取得の場合は航空券の代わりとしてバウチャーでもOK。
■有効期間
格安航空券の有効期間は行き先や航空会社によって各種あります。7日、15日、30日、60日、
90日、180日などの他、最長は1年。有効期間が長くなるほど高くなります。
■片道航空券
方面によっては片道航空券もありますが、料金は一般的に割高で往復料金の75%前後。但し
観光の場合は出国用航空券を所持していないと入国できない国が多いので注意が必要。
■直行便  最終目的地までノンストップ。
■経由便  経由地での飛行機の乗換えはなく、便名は変わりません。
■乗継便  経由地で便名の異なる飛行機に乗り換えます。





○格安航空券の仕組み
すっかり一般的になった格安航空券。
その発祥はHISの前身の会社が京都で学生相手に団体用チケットをバラ売りしたのが始まり。
しかし現在でもその仕組みはほとんど変っていません。
先ず航空会社がホールセラーと呼ばれる主催旅行会社や販売力のある格安航空券専従会社に
団体用航空券のブロック売り(年間座席数を指定したまとめ売り)を行います。
航空会社からの卸売り価格は、その旅行会社の販売実績などによって決められる場合が多く、
特定時期の販売促進を担うキャンペーンチケットなどの場合は、販売実績のある旅行会社に優先
的に割り振られます。
次にホールセラー会社は自社需要分を確保した後、余った航空券をリテイラ−と呼ばれる中小の
旅行会社に卸売りします。このためホールセラーの直販価格は安く、リテイラーの場合は同じ内容
の航空券でも割高になったりするものの、ホールセラーによっては、リテイラー価格とのバランス
を取るために直販小売料金を下げない場合もあります。
また格安航空券は、とても利益の薄い商売。1チケット当たり、数千円といった利益も当たり前な
環境。では何故、経営が成り立つのでしょう?
それは販売数に応じて、航空会社から別途<割戻金>とよばれる報奨金がもらえる仕組みにな
っているためです。
割戻金の金額は大きく、旅行会社は割戻金欲しさに販売をし、割戻金がもらえるから経営が成
り立つといった図式。販売数によって割戻金の額も変ってくるために、販売目標に達しない場合
などは利益無しで販売するケースもあったりします。



○ツアー企画の仕組み
旅行会社のツアー企画というと、いろいろなアイデアが飛び交うイメージがあるものの、実際は
そんな姿とは無縁。現実的には、ツアーオペレーターとよばれる現地の旅行手配会社から持ち
込まれた企画の採用を検討したり、多少のアレンジを行う程度。
企画とは名ばかりで、ブローカーと呼んだ方がいいかもしれません。
企画担当者が何をしているかというと、ツアーオペレーターからの仕入れ料金を叩いたりする条
件交渉の仕事が中心。大手旅行会社になるほど、そういった管理業務が多くなり、実際に現地
に行った事のない人がツアー企画の担当だったりする場合も珍しありません。
また、ツアーを主催する旅行会社が直接現地手配をしたりアレンジしたりするケースは限られ、
殆どの場合、ツアーオペレーター会社がその一切を取り仕切るのが普通です。
通常、ツアーにセットされている<現地係員>も、オペレータ−会社に所属しています。
尚、需要の多い人気観光地では、ツアーオペレーター会社を子会社化・別会社化して運営して
いる場合が一般的。

○格安ツアーの居残り方法
航空券とホテルがセットになった格安ツアーでの短期間滞在後、現地にそのまま居残る方法。
ツアーは格安航空券を使用しているため、利用チケットの有効範囲内であれば居残り自由滞
在が可能。またチケットの有効期間が短い場合は、追加料金を払って有効期間の長いチケット
に変更するのも可能。初めから格安航空券で自由旅行するより、格安ツアー参加後に居残り
滞在した方がお得な場合もあります。使用チケットの有効期間内の居残りは手数料無料。中に
はツアー離脱料金(3000円程度)を取る旅行会社もあるのでそういう会社は敬遠した方が得策。
尚、一人旅にはこの方法は不向き。

○旅行会社の社内為替レート換算に要注意
オプショナルツアーなどにドル表示やユーロ表示がされ、。日本で日本円に換算して支払う場
合は、旅行会社によって日本円換算額が異なります。旅行会社では社内換算レートが設定さ
れ、一般的な両替レートよりも割高となります。簡単にいうと、同じ現地通貨料金のオプション
が旅行各社のパンフレットに記載されていても、会社によって日本円換算された徴収額が大き
く異なるということ。このため事前に社内換算レートを聞いて比較検討することが必要です。

○クレームナンバーワンは、お土産屋の強制連行
フリープランの格安ツアーには、お土産屋への強制連行が組み込まれている場合があります
が、参加者のクレームが最も多いのもこの点。2004年、JTBでは「強制連行」を中止すること
を発表したものの、業界全体が撤廃したり、中止が守られるかは不透明。理由はお土産屋へ
の強制連行が現地ガイドや現地手配会社の収入源になっていること。安いツアーでは、強制
連行を拒否できなかったり、拒否して言い争いになることもあります。

○大手旅行会社の談合体質
格安ツアーは値段構造が消費者に分かりやすいために、競合体質が強くなっているものの、
旅行会社の顔となる第1ブランドのツアー(ルックやホリデーなど)では、商品発表の前に大手
会社が集まり、会社間によって格差がでないように料金調整するのがお決まりの慣例。





○航空受諾手荷物
チェックイン時に預けることができる無料小荷物。航空会社や利用クラスによって多少異なりま
すが、エコノミークラスの場合、数量は2個まで。それぞれの手荷物の3辺(縦・横・高さ)の合計
が158cmを超えず、かつ、それぞれが32kgを超えないこと。さらに2個の3辺の合計が273cmを
超えない規定が一般的です。但し燃油高騰の影響にて、1個の重さを規制(32kgから23kgに変
更など)する航空会社(エアカナダなど)もあります。
尚、規定容量をオーバーすると超過料金が必要となったり、貨物扱いとなりますので、事前に
利用航空会社で調べておくことが必要です。

○機内持ち込み荷物
搭乗時に機内に持ち込める無料荷物。利用航空会社や利用クラスによって異なりますが、エコ
ノミークラスの場合、機内に持ち込むことができる手荷物は、身の回りの品(ショッピングバッグ、
ハンドバッグなど)1個の他、3辺(縦・横・高さ)の合計が115cm以内の荷物1個で、両方の合計
重量が10kgを超えないものが一般的。
尚、燃油高騰による重量規定厳守方針によって機内手荷物の重量を測定する航空会社(フィリ
ピン航空、中華航空など)もあります。またニュージーランド・オークランド空港など、航空会社に
関係なく空港職員によって持ち込み手荷物重量をチェックするケースもあります。

○航空保安強化に伴う機内持ち込み手荷物の制限
2006年に各国で一部開始。2007年3月、日本発の全ての国際線航空会社に適用。
■持ち込めないもの
全ての液体物、ジェル状のもの、エアゾール類。100mlを超えない場合は、透明なプラスチック
容器(1リットル内)にいれます。100mlを超える場合は、発見時に没収・廃棄。(例/飲み物、
シャンプー、日焼け止め、クリーム類、整髪料、液体・ジェル状の化粧品、ヘアスプレーなど)
■例外として持ち込めるもの
乳幼児同伴時の離乳食、ミルク類。処方箋がある液体系医薬品(120ml以内/目薬・コンタクト
レンズ溶水含む)、その他。
国土交通省・制限適用ガイド