海外移住情報 フィリピン編


フィリピン社会と危ない事例








○民族

フィリピン人はビノイ(Pinoy)と呼ばれ、中国系フィリピン人はチノイ(Tinoy)と呼ばれています。
経済界を担っているのは華人・華僑といった中国系の人々。

○女性社会
フィリピン人口の男女比は概ね男性3:女性7の割合で圧倒的に女性が多い環境。フィリピン女性
が海外で就労機会を求める背景のひとつにもなっています。
■国家予算を左右する出稼ぎ事情
人口の約10%が国外に出稼ぎし、出稼ぎ国家として知られているフィリピン。本国に仕送りする
お金は、GDPの15%を占めるといわれています。フィリピン政府も海外での就労を奨励。背景
には経済成長の基盤となり、国家予算に大きく影響を及ぼすまでになっていることがあります。
■フイリピンを歩いた女の子からの便り
セブ島のモアルボアルには居心地の悪いバスに揺られ、ホコリだらけになりながらイライラ気分
で着いたものの、ゆっくりとした時間の流れが心地よく、海の中もとても充実、滝を見に行ったり、
何とも贅沢なひと時。ボホールへは、セブで一緒に遊んだ子のおばあちゃんの家があるというこ
とでinabangaという田舎町に。私達が着いた途端、子供達に取り囲まれ、庭先では竹のフェンス
にへばりつく50人以上の人々の真ん前にイスが置かれ見世物化。どうやら初めて日本人を見た
らしく興味津々って感じでした。私達がどこへ行くにも小さな鼻水垂らしたボディーガード達はくっ
ついて来て、歌をうたったりダンスをしたり。町には宿がない為、村で1番大きくキレイな家の人
の御好意でホームステイ。朝起きると、窓にへばりつく何人かの顔にはビックリ。チョコレート・ヒ
ルでは自然のすごさを再確認しました。マニラではいろいろあり、主に日本のパブへ行く予定の
タレント達70人のフィリピーナとの共同生活。みんなすごいノリが良く、圧倒されっぱなし。でも、
みんな優しくてすぐ仲良くなれました。フィリピンというと悪いイメージしかなかったのに今ではす
っかり大好きに。

○フィリピンの台風
年間20前後の台風が発生する台風銀座フィリピン。フィリピン近海で突然台風が発生すること
も多くあります。尚、フィリピンの台風強度はシグナル1〜4に分かれ、最も弱いシグナル1でも
公立学校は休校となります。

○スラム街
全てが危険ではありませんが、覗き見気分での訪問は止めたほうが賢明です。
<スラム支援NGO>
ICAN アジア日本相互交流センター

■トンド地区
チャイナタウン近くのトンド地区はスモーキーマウンテンと呼ばれるスラム街があります。
■パタヤス地区
マニラ郊外。第2のスモーキーマウンテンと呼ばれ、ゴミの山から凄まじいメタンガスが発生。





○在外公館日本人援護件数

2010年度の在外公館援護件数は、長年トップとなっていただったタイ・バンコク大使館を抜き、
フィリピン・マニラ大使館が前年度3位からトップとなりました。

○偽造書類
フィリピンというと、なにかと偽造の書類や証明書が使用されるのも現実。LRTレクト駅のレクト
通り周辺には怪しい偽造書類屋が建ち並び、ニーズの多さを物語っています。

○困窮邦人の増加
2011年より生活費用が底をつき、困窮邦人として日本公館に助けを求める人が増加。リスト
ラの嵐となった2002年前後、日本に見切りをつけ、出稼ぎフィリピーナを追いかけて来た人も
多く、相当額の資金を持ちこんだものの、「金の切れ目が縁の切れ目」となっているようです。

○マニラ日本大使館は外交官の墓場?
なにかと評判の悪いフィリピンのマニラ大使館は、現地では外交官の墓場とよばれています。
日本や在外公館で悪事やトラブルを招き左遷された外交スタッフの受け入れ先がマニラ日本
大使館というもっぱらの噂。そのため大使館スタッフは仕事にはまったく興味なし、毎日公費
でゴルフや夜の街に繰り出すのが日課。問題になった外務省の機密費問題もマニラ大使館
が登場・・・。2003年、ちょっと覗きに大使館を訪れた際、トラブルを抱えた日本人が何人か訪
れていましたが、相手にされずその憤慨ぶりは相当なもの。以前、フィリピン国籍の妻を日本
に呼び寄せようとマニラの日本大使館に行ったBさんが見た状況は、日本人の保護やサポー
トといった観点は皆無どころか、外交官である前に人間失格ではと思えるような人ばかりだっ
たとか。「その実情には、怒りを通り越して日本の行く末の恐ろしさすら覚えました。外交官の
墓場とは聞いていたものの、これほどとは・・・」また帰国したフィリピーナに招待されてフィリ
ピン渡航したCさん。女性の親戚一同に監禁されてしまいました。夜中に逃げ出し、マニラ大
使館に通報しましたが話の途中で電話を一方的に切られてしまったとか。なんとか帰国して
政治家を通じてマニラ大使館に抗議したものの、大使館の説明は嘘でかためられた言い訳ば
かり。



○フィリピンで商売をしようと思わない方が賢明?
フィリピンには多くの日本レストランなどがありますが、収支が成り立っているのは20%ほど。
現地と往復しながらビジネスしている名古屋在住の日本人の話によると、日本料理店などの
70%は売りに出しているとのこと。問題はその譲渡などをめぐって詐欺が日常的に横行。中
には詐欺を働くのを目的に店舗をだしている日本人もいるということでドロドロ状態。
日本人が日本人を騙すというのも日常的な環境で、全財産を取られてしまった開業希望者を
何人も知っているとか。「フィリピンに住もうと思うならビジネスなど考えないのが一番。ドルを
預金して金利で生活するのが一番賢い方法。それとあまり日本人を信用して頼らないこと。
日系企業に勤める日本人サラリーマンでも、小遣い稼ぎに日本人をカモにしようとする人もい
っぱいいますから・・・」

○セブ島を舞台にした日本人詐欺師の手口
2001年、同じような手口での日本人詐欺師による事件が続発。その内容はコンサルタントを名
乗る日本在住の詐欺師がセブ島への投資・開業希望者を伴って来島。セブシテイのウオータ
ーフロントホテルの幹部を紹介するなどして信用させ、その後保証金と称して1000万程度のお
金を預かりそのままドロン。ちなみにこの詐欺師、どこからみても60代のエリート紳士の風貌を
しているとか。詐欺の場合、定番の手口の一つはいろいろ名目をつけての保証金。保証金を口
にしたら詐欺師と思いましょう。




○旅コラム

マニラ・エルミタ地区の横顔
エルミタ地区の治安状況などを紹介しています。

○「ドロボー」は最も通用する日本語
フィリピンで誰もが知っている日本語はドロボー。マニラ以外の地方でも同じ。それだけドロボー
が多いことと、日本人の被害が多く、ニュースなどによって一般的にも知られていることがその
理由。ちなみにエストラーダ前大統領が逮捕された時、街の人は彼のことをドロボーと呼んで
いました。

○土日のイントラムロスは治安に注意
リサール公園にある観光省を訪れた時、スタッフから土日にイントラムロスには行かないように
と注意が。土日は治安が悪くトラブルに遭遇する確率が高いとか。観光省によると、被害に遇っ
て助けを求めても「誰も助けてくれない環境」とのこと。

○セブ島治安背景
日本人宅や日系企業を狙った犯罪が起こるたびにNPA(共産ゲリラ・新人民軍)の犯行といわ
れますが、これはNPAのせいにして早く事件を決着させたい警察側の発表によるもの。現実は
くず鉄商を営むマフィアや手先の元NPA兵士の犯行で、背景には日系企業や日本企業との利
権トラブルが絡んでいる場合が多くあります。




○結婚したと思っていたら、まんまと騙されて家を取られた日本人男性
現地の女性に入れ揚げて家を買って取られてしまうというのはごく一般的な話。マニラ大使館
に相談に訪れていたAさん50歳によると、5年前に日本で知り合い結婚。マニラで結婚式を挙
げ、結婚証明書も見せられてすっかり信用していたAさん。マニラに家を買って年に数回現地
に短期滞在。今回は日本での仕事も辞め、部屋も引き払い、現地に永住しようと訪ずれると、
家は貸家で既に引っ越した後。調べてみると、家の購入資金はそっくりそのまま取られ、毎月
の送金で貸家を借りていた。もちろん結婚証明書も偽物で、Aさんが永住すると聞いてびっくり
した女性が急いで逃げたらしい。計画的な犯行に意気消沈したAさん。大使館からも「個人の
トラブルは管轄外」と門前払い。


○恐るべし、お見合い日本人男性

2005年、フィリピン渡航時に行きと帰りの空港で偶然出くわした日本人のAさん55歳。一週間
前に離婚して、マニラへお見合いのために渡航。なんと滞在中に19歳のフィリピン女性と結婚
してしまった。現地・日系結婚斡旋業者のお見合い費用や婚姻証明に数百万円を費やし、「お
金でなんとでもなる国」と高笑い。いずれ日本に呼び寄せるらしいが、今時、こういう人もまだ
いるもんだと唖然。ボッタクリの結婚斡旋エージェントやお見合い詐欺が横行する中、大声で
経過を自慢げに話すAさんに、空港ゲートにいる日本人もあっけにとられていた。





2000年9月25日、TBSは「ニュース23」にて、リタイアメント査証を取って永住渡航した日本人が
フィリピン人妻ら親戚に殺害される悲しい事件が相次いでいると放送。同番組はかねてよりフィリ
ピンの移住制度を好意的に伝えていたために、TV局の中で唯一報道されました。
またこれらの一連の事件は、5年以上を経た2006年以降もフィリピン移住者の教訓として語られ
ています。尚、下記はあくまで事件例であり、フィリピン人と結婚し幸せな家庭を築いている人も
います。また財産をもっている人に群がる体質は、良く言い換えればアジア各国にみられる「助
け合い精神」という人もいます。
<フィリピン退職庁PRAの見解>
移住を世界に呼び掛けているフィリピン退職庁は、「移住してくる日本の退職者の中にはフィリピ
ンの文化や言葉をほとんど理解していない人もいる」と、詐欺や犯罪の標的になりやすいことを
指摘。尚、「日本人=お金」の関係によって家を騙し取られるケースが多いため、2005年、退職
庁PRAは「家や購入資金を騙し取られた場合の査証制度内の対応措置」を一部追加。


関根国男さん(57)の場合
首都圏近郊のブラカン州メイカワヤン町の自宅で殺害された関根さん。家族のいない関根さんは
5000万円をもってリタイアを契機に94年単身フィリピンに移住。97年には知人の紹介でフィリピン
人女性(44)と結婚、子供も一人できました。しかし、家族の連携の強いフィリピンでは、家族の
中にお金持ちがいるとあらゆる親戚が集まってきます。関根さんの場合も、家族などの勧めるま
まに5軒の家を購入。フィリピンの法律では外国人が土地を所有することはできないので、家の
名義は知人や家族の名義になります。
家を手に入れればもう関根さんは不要。警察の調べによると、関根さんは「身内に殺される」と、
フィリピン人弁護士に遺書を作成してもらっています。弁護士は帰国を勧めましたが、「財産をほ
とんど使ってしまった」と帰国をあきらめていたそうです。また遺書の内容は「殺された場合は遺
産をすべてフィリピン国内にある孤児院と高齢者施設に寄付する」というものでした。
このようなケースはフィリピンをはじめアジア諸国ではけっして珍しい事ではなく、日常的なトラブ
ルのパターンにもなっています。

山下久さん(41)の場合
中部レイテ州アルブエラ町サバンで義弟(19)に殺された山下さん。フィリピン人妻(27)との不
仲が原因で、見かねた義弟が包丁で山下さんの腹部を刺したというものです。問題はこの事件
が「告訴人不在」で不起訴処分になったという点。フィリピンの法律によると、容疑者訴追には
被害者本人や親族からの告訴が不可欠なため、妻が自分の弟を告訴するはずもありません。
またたとえ起訴されていても、果たして義弟が罪に問われる事になったかどうかは分からない
のが現実でしょう。海外特にアジアでは理由の如何を問わず、外国人関連裁判では自国民の
保護が優先されているからです。