海外移住情報 タイ編 労働許可証と不法就労 |
労働許可証/ワークパーミット |
労働許可証発給のガイドライン |
○概要 労働許可は外国人職業規制法(Alien Occupation Law)に定められ、就職・自営などを問わず、労働 省にて取得しなければ就労することはできません。 有効期間は1年毎の毎年更新。 有効期限は所持する滞在査証の有効期限と同じ になります。 外国企業規制法で認可されている企業や業種が 主な対象となり、外国人労働管理局は、外国人 就労のためのガイドラインを設けて判断基準とし ています。 また、申請は1度却下されると次に発給される可 能性は低くなります。 尚、雇用後の法的手続きは、雇用企業の総務部 または会社が契約しているコンサルタント会社が 行うのが一般的です。 <労働許可申請受理証明書> 労働許可を申請すると発行してもらえる受理証明。 <優遇措置> 申請には様々な書類が必要ですが、BOI(タイ投 資委員会)やIEAT(タイ工業団地公社)から投資 奨励を受けている会社は手続きが簡素化され、 容易に労働許可の取得ができます。 <タイ呼称> 労働許可申請は「トー・トー・3」と呼ばれています。 ○規制職種事情 雇用需要が多くても、外国人の就業が規制され ている職種が40近くあるために、労働許可が取 れないこともあります。 しかし、実際は、雇用企業の影響力に左右され たり、別の職種で申請したりしているため、規制 職種で就労している日本人もいます。 ○緊急の場合の短期就労措置 タイ労働省雇用局に「必要緊急業務届出」を提出 し承認されれば、査証免除入国者であっても1回 の滞在につき15日以内の就労が、労働許可証不 要で認められます。 ○関連機関 タイ雇用局DOE /外国人就労事務所 |
○新規発給のガイドライン 就職、起業、または申請環境によって審査項目 は異なり、1つ以上の項目に該当すれば対象と なりますが、完璧に該当していても却下されたり、 逆に容易に発給される場合もあります。 つまり、会社の業務内容、規模・資金力、外貨 獲得力、雇用促進力、技術力、役職、学歴・職 歴などが審査され総合的な判断が行われます。 尚、発給件数は年々増加。2007年の新規労働 許可件数は7万件。 <投資奨励企業の場合> 投資委員会BOI奨励企業、工業団地公社IEAT の管轄企業の場合、外国人の幹部や専門職の 雇用規制はありません。ただし現業の出稼ぎ外 国人ワーカーは年々規制が強化されています。 <経営者の場合/一般条件> ◇資本金が200万バーツ以上あること。 ◇1年以上の経営実績があり、借入金を除き200 万バーツの銀行預金があること。 ◇タイ人取締役がいること。 ◇従来、 外国人1人につきタイ人従業員4名以上 の雇用が必要でしたが、日本側の改善要請によ り、2015年10月、原則として適用は除外されるこ ととなりました。 <被雇用者の場合/一般条件> ・日本人でなければ行えない仕事であること。 ・資本金が400万バーツ以上であること。 (200万バーツ企業の場合は、原則として経営 者の労働許可のみに限定。外国人労働者1人 に対して最低200万バーツの払込済み資本金 の登録が必要) ・月収が5万バーツ以上の幹部社員などであ ること(日タイ経済連携協定により6万バーツか ら引き下げ)。 ・申請職種での実務経験があること。新卒の 場合は専攻と職種との関連性があること。 ・タイ経済の振興に役立つ仕事であること。 ・500万バーツの売り上げ毎に、外国人1人の 雇用を認める。輸出企業は300万バーツの売 り上げ毎に認める。 ・最大5人まで、タイ人従業員50人に対して外 国人1人の雇用を認める。 ・外国人の10人以上の雇用には300万バーツ 以上の納税額、3000万バーツ以上の輸出額な どが必要。 <日タイ経済連携協定による条件緩和> 2007年11月に発効された 日タイ経済連携協定 (JTEPA)によって日本人の労働許可対象条件 が緩和される場合があります。 ○更新時のガイドライン 2008年12月更新規定が変更。過去2会計年度 バランスシートにて、事業継続できる健全な財 務状況を示すことが必要。資産・納税・社会保 険料の支払い状況なども審査されます。 また赤字企業や設立間もない企業については 個々の事情が考慮されます。 ○日本人の就労者数 外国人労働者は約125000人(2008年度)。内日 本人は約2割の25000人、第1位を占めています。 |
就職時の取得手順 |
不法就労、退職時の手続き、再就職手続き |
○労働許可証の取得手続き 1/雇用主は労働省・雇用局外国人労働課に必 要書類を提出し労働許可を申請します。 2/被雇用者は労働許可申請の後に、労働許可 申請受理証明など必要書類を揃えてタイ公館に ビジネス用ノンイミグラント査証(カテゴリーB)を 申請取得。 3/入国後、被雇用者は入国管理局にて査証の 承認を受けた後に労働省に出頭。面接を受け、 労働許可証を受け取ります。 <必要書類> ・被雇用者のパスポートコピー ・被雇用者の卒業証明書コピー、英文経歴書 ・会社登記証書一式と事業ライセンス ・納税者登録証 ・その他、要求される書類 <審査期間> ■ワンストップサービスセンターOSSCの利用 従来、申請から発給まで1ケ月以上の所要期間 が必要でしたが、2008年1月より日タイ経済連携 協定(JTEPA)の発効によって、申請時の即日発 給措置が開始されました。 参照/タイのイミグレーションオフィス ○滞在査証(B-A)の切替申請 労働許可証取得後は、入国管理局にて就労用 の滞在査証(ノンイミグラントB-A査証)への切り 替え取得が必要です。 有効期限は1年で更新可能。更新回数の制限 はありません。 <滞在査証の申請書類> ・パスポート ・労働許可証 ・雇用証明書 ・最終学歴の卒業証明書 ・外国人雇用者リスト ・会社の登記証書一式と財務関連書類 ・法人税支払い証明、会社組織表など <優遇措置> タイ投資委員会(BOI)、工業団地公団(IEAT) から投資奨励を受けている会社の場合、容易 に滞在査証の更新が行えます。 |
○日本人の不法就労 バンコクには日本人の不法就労者が急増し、 日本の不法就労タイ人(約3万人)に迫る勢い となっています。 現地の警察による摘発は少ない状態ですが、 観光査証で不法就労する外国人対策として 観光査証の取得環境が2004年より厳しくなっ ています。 また日系企業の中には規模の小さい企業も 多く、社長一人の労働許可証しか取得できな いケースがあるのも背景になっています。 ○不法就労の罰則 タイの不法就労者総数は約200万人。 摘発されると国外退去処分と罰金7万バーツ (約2000ドル)。 国外退去処分になると再入国は困難です。 ○周辺国からの不法就労者 エビ養殖、ゴム園、農業などタイ人労働者確保 が難しい業種が受け皿となって、ミャンマー、 ラオス、カンボジアからの不法就労者は3国だ けで120万人を超えています。 ○退職時の手続き 退職時は雇用主が外国人労働者退職届を労働 省に提出すると共に、本人または雇用主が労働 許可証を労働省に返納し、入国管理局に労働許 可証返還届を提出。労働許可証返還届提出日 から7日以内に出国しないと不法滞在扱いとなり ます。 ※滞在査証の有効期限が7日以内に切れる場 合は滞在査証有効期限内の出国が必要。 ○再就職手続き 上記7日以内に労働許可を申請すると共に入国 管理局に届け出ると、出国の必要性と入国管理 局の滞在査証再申請の手続きが免除されます。 7日を超えると出国後の新規申請扱いとなります。 |