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運賃・料金

1基本用語

 1地理上の用語

  ・第1地区(TC1) 南北米大陸、ハワイ

  ・第2地区(TC2) 欧州、アフリカ、西アジア

  ・第3地区(TC3) アジア、オセアニア

   *欧州(Europe)、中東(Middle East)、アフリカ(Africa)、米国大陸部(Continental USA)

 2旅程上の用語

  ・出発地(Origin)

 

  ・終着地(Deatination)

  ・折返し地点(Turnaround)

  ・運賃構成地点(Fare Construction Point)

  ・フェア・コンポーネント(Fare Conponent)

  ・中間地点(Intermediate Point)

  ・途中降機(Stopover)

  ・乗継ぎ(Connection Non-Stopover)

  ・乗換え(Transfer)

  ・ノンストップ便(Nonstop Flight)

  ・直行便(Direct Flight)

  ・チケテッド・ポイント(Ticketed Point)

 3運賃計算上の用語

  ・年齢区分

   ・大人 12歳以上

   ・小児 2歳以上12歳未満

   ・幼児 2歳未満

  ・小児運賃

   ・ファーストクラス普通運賃、欧州50%、他は67%

   ・その他の普通運賃、50%

   ・特別運賃、67%

  ・幼児運賃

   ・普通運賃、10%

   ・特別運賃、10%

  ・公示運賃(Published Fare)

  ・発地国通貨建て運賃

  ・運賃コード

   ・JPY(日本円)、USD(米ドル)、GBP(英ポンド)、FRE(仏フラン)

  ・1/2往復運賃 HRT

  ・NUC(Neutral Unit of Construction)

   ・運賃表示の技術的な共通の単位(NUC1.00=USD1.00、最小単位はNUC0.01)

  ・ROE(Rate of Exchange)

   ・NUC1.00が各国通貨のいくらに当たるかを表す換算率

   *NUC建て運賃

    ・発地国通貨建て運賃をROEで換算したNUC表示の運賃

     発地国通貨建て運賃÷ROE=NUC建て運賃

    ・小数点第3位以下切り捨て

   *日本円建て運賃

    ・NUC建て運賃をROEで日本円に換算したもの

    ・運賃算出過程の端数はそのままだが、最終合計額についてのみ、100円未満は100円に切り上げ。


2運賃の分類

 1G/I(Global Indicator)

G/T     運賃                 
EH TC2運賃             

TC3運賃

南回り運賃

PA 太平洋運賃
AT 大西洋運賃TC12、TC123
TS シベリア経由運賃
AP 第1地区経由運賃
WH TC1運賃

 1地区内運賃

  ・TC1、TC2、TC3

 2地区間運賃

  ・TC31(太平洋)

  ・TC12、TC123(大西洋)

  ・TC23(日欧間)

   1シベリア経由運賃(TS)

   2南回り運賃(EH)

   3第1地区経由運賃(AP)

 2クラス

  ・ファースト    P、F、

  ・中間(ビジネス) J、C、

  ・エコノミー    Y、

 3運賃

  1普通運賃(Normal Fare) 有効期間1年

   ・ファーストクラス運賃 F、

   ・ビジネスクラス運賃  J、C、

   ・エコノミークラス運賃 Y、Y2、

  2特別運賃(Special Fare)

 4新特別エコノミー運賃

  ・制限付きエコノミークラス普通運賃(Y2運賃)

                             途中降機 乗換え
近距離線(韓国、香港、中国、フィリピン

      グアム、サイパン)

不可 往路、復路

各1回まで

中・長距離線(他の東南アジア、南アジア

         亜大陸、欧州、中東)

不可 往路、復路

各2回まで

太平洋線(米国、カナダ、メキシコ、バミュ

       ーダ)

不可 往路、復路

各3回まで


3タリフの読み方

 1Air Tariffの直行運賃表

  1どこ発の運賃か

  2発地国通貨名、コード

  3どこ行きの運賃か

  4各ルートごとのMPM(最大許容距離)

  5運賃種別コード

  6どの航空会社に適用されるか

  7発地国通貨建ての公示直行運賃

  8NUC建ての公示直行運賃(太字は往復運賃、細字は片道運賃)

  9運賃の適用条件を規定した規則の番号

  10運賃の適用されるルート、経路の番号

 2Air Tariffのアッドオン表

  ・直行運賃ページにない当該地点の直行運賃を作り出すための加算用運賃。

  1アッドオンの設定都市、都市コード

  2もう一方の側の都市

  3G/I

  4アッドオンを2つの都市とどの都市までの直行運賃に加算するか。

  5運賃種別コード

  6加算額の単位

  7片道アッドオン額

  8往復アッドオン額(空欄は7の倍額、NILはゼロ)

  9適用規制番号

  10 1と2のMPMは、2と当該都市間のMPMにマイル数を加算して計算する。MPM BOOKは別冊MPM版を使用。

 3直行運賃表・アッドオン表にもない地点の運賃

  →中間の任意の地点で、2つ以上の運賃を組み合わせて合算して作る。

 4方向別運賃

  1出発地からのComponent

   →出発国発の方向の運賃

  2出発国へ戻るComponent

   →出発国発の方向(逆方向)の運賃

  3その他のComponent

   →実際に旅行の方向と同一方向の運賃

 5片道運賃と1/2往復運賃の区別

  1片道旅行

   →片道運賃

  2往復・周回旅行

   →1/2往復運賃

  3オープンジョー旅行(OJ)

   1国際運賃を適用するComponentが3つ以上のOJ

    →片道運賃

   2国際運賃を適用するComponentが2つだけのOJ

    1復路が出発国以外で終わるOJ

     →片道運賃

    2復路が出発国で終わるOJで、オープンセクターがすべて国内区間

     →1/2往復運賃

    3復路が出発国で終わるOJで、折返し側のオープンセクターが国際区間

     →片道運賃

   *なお、次の国はそれぞれ同一の国とみなされる。

    1カナダとアメリカ

    2デンマーク、ノルウェー、スウェーデン


4マイレッジ・システム

 1Mileage System

  ・旅客の旅程に沿って、飛行距離の合計を算定し、タリフに直行運賃が公示されている2都市間に決められている最大許容距離と、その飛行距離とを比較して、運賃を計算する方式。

  ・TPM (Ticked Point Mileage)

  ・MPM (Maximum Permitted Mileage)

   *日欧間(TC23)のTPMとMPM

    1シベリア経由便 TSのTPM、MPM。

    2南回り便    EHのTPM、MPM。

 2距離計算

  1距離計算の不要な旅程

   1途中降機地点や乗継ぎ地点のない1区間だけの旅程

    →直行運賃の適用

   2経路制の運賃

    →指定経路により適用

  2距離計算

   1MPMとTTPM(Total of TPM)を調べる。

   2両者を比較する。

    ・TTPM≦MPM 直行運賃の適用(M)

    ・TTPM>MPM 直行運賃の割増

   3割増の場合、Excess Mileage Percentage Table により割増率を調べる。

   4TTPMが25%の限界超過の場合は、2つ以上のFare Component に分けて結合するなどする。

  3航空券の表示

   1直行運賃の適用

    1距離制の運賃  M

    2経路制の運賃  R

   2割増運賃の適用  5M、10M、15M、20M、25M

 3例外規定

  1TPMディダクション(TPM Deduction)

   ・指定された2つの地区、小地域、都市間の通し運賃のFare Componentの中で、指定された都市を途中降機地点又は乗継ぎ地点として経由する場合、TTPMから所定のマイルを差し引けるとする例外。(E)

   *日本発着関係のTPMディダクション

欧州・中東・リビアへ    

TC3

BOMとDELを経由  

KHIとISBを経由

700マイル  

700マイル

DELへ BOMを経由 700マイル
BOMへ DELを経由 700マイル
KHIへ ISBを経由 700マイル
ISBへ KHIを経由 700マイル
米本土又はカナダへ HNLを経由 800マイル

 2特定経路(Specified Routings)

  ・指定された2つの都市間で、途中降機や乗継ぎのできる経由都市と、その経由順序を指定してある特定経路。

  1指定経由都市の削除はできるが、追加はできない。

  2指定経由都市の順序は入れ替え不可。

  3特定経路に従った旅程では、距離計算不要。直行運賃を適用する。(R)

  4BETWEEN―VIA―AND

 3地上運送区間(Surface Sector)

  ・地上交通手段で旅行する中間の2都市間。

  →航空機で旅行するとみなして通し運賃に含めることができる。(//)


5運賃計算規則

 1公示運賃優先の原則

 2非直行旅行の制限

  ・始発地から目的地までの直行運賃を適用して、通し運賃計算を行う旅程についての制限。

  1同じ都市での途中降機は、1回に限り可。乗継ぎの場合は何回でも経由可。

  2始発地、目的地を中間の旅程上で経由してはならない。

  3太平洋運賃、第1地区内運賃では、途中降機、乗継ぎを問わず、同じ都市を2度以上経由してはならない。

 3ハイヤー・インターメディエート・フェア・ルール(HIF Rule)

  ・通し運賃計算を行う運賃区間(Fare Component)では、次のチェックを行う。

   1始発地点から各中間地点までの直行運賃

   2中間の各2地点間の直行運賃

   3各中間地点から目的地点までの直行運賃

   4 1,2,3のいずれかが、始発地点から目的地点までの直行運賃より高い場合は、その高い運賃(HIF)を使用する。

   5HIPチェック(YかY2か)

   6BHCチェック(One Way Backhaul Minimum Check)×1/2往復運賃の場合

    ・出発地点から各途中降機地点までの片道運賃中最も高い運賃よりも、終着地点までの運賃が低い場合

    H+(H-L)を下回ってはならない。

 4旅行のタイプ

  1片道(OW、one way)

   →HIPチェック、BMFチェック

  2往復(RT、round trip)

   →HIPチェック

  3周回(CT、circle trip)

   →CTMチェック (Y2で)

  4世界一周(RTW、around the world journey)

   1Single Open Jaw

    1OSOJ

    2TSOJ

   2Double Open Jaw (DOJ)


6小幼児割引運賃

 1小児運賃(CH)

  ・大人適用運賃の50%が原則

 2幼児運賃(IN)

  ・大人適用運賃の10%が原則

 3注意事項

  1大人旅客に同伴されない非同伴小幼児(UM)

   →航空会社により異なる。

  2幼児運賃

   →大人1人に対し、幼児1人同伴に限る。

  3無料手荷物許容量

   →小児は、大人と同じ。

    幼児は幼児用あるいは認められない。

  4幼児運賃旅客の座席

   →予約・占有は不可。

  5米国・カナダ国内・両国間の幼児運賃は無料(Free)


7特別運賃

 *特別運賃規則表(OFCタリフ)

  1運賃種別

  2目的地

  3適用旅客・人数

  4クラス・旅行形態

  5適用期間・運賃

  6小幼児割引

  7結合可能運賃

  8有効期間

  9必要旅行日数

  10途中降機

  11乗換え・経路規定

  12予約・支払い・発券

  13添乗員割引(CG)

 2特別運賃

  1配偶者割引運賃

   ・夫婦同伴の旅行に適用される割引運賃。

    いづれかが普通運賃の全額を支払えば、もう一方は50%程度の割引運賃となる。

   ・東南アジア線(中国、フィリピン、香港を除く)、日欧線、太平洋線、オセアニア線に設定。

   ・注意点

    1割引率は50%程度。

    2全額払う方も特別運賃と考える。

    3エコノミークラスの場合、夫婦ともY2運賃は使えない。

  2ペックス運賃(PEX)

   ・エコノミークラスを利用する個人往復旅行用の低額運賃、回遊運賃とも。

   ・日本発のほとんどの路線に設定。

   ・オセアニア線は、途中降機不可。

   ・他の路線では、途中降機料金が必要。

   ・全路線に小幼児割引あり。

   ・韓国向けには、アペックス運賃がある。

  3ゾーン運賃

   ・ペックス運賃がIATAで決められる回遊運賃であるのに対し、ゾーン運賃は各航空会社が独自に設定して認可を得て実施する回遊運賃(1992年10月~)。

   ・運賃設定、適用条件は各社で異なる。

   ・JAL悟空、飛び丸。

  4ユース運賃

   ・青少年(12歳以上26歳未満)のエコノミークラス往復旅行用の個人運賃。

   ・中国、台湾向け、オセアニア線、日欧線に設定。

   ・予約の受付開始が旅行開始予定日の14日前以降(空席待ち運賃)。

  5ファミリー運賃

   ・夫と妻の両方あるいは片方が、実父母、養父母、子を同行する家族旅行(3人以上)に適用されるエコノミークラスの往復運賃。

   ・オセアニア線、グアム・サイパン線に設定。

  6修学旅行運賃

   ・中学生、高校生の教育を目的とした修学旅行用のエコノミークラスの運賃。

   ・韓国、台湾、中国向け、インド向け、オセアニア向けに設定。

   ・添乗員割引が認められる(日本発では唯一)。

   ・引率教師も対象となる。

  7添乗員割引運賃(CG)

   ・公募団体旅行の引率者(CG)に対し、一定数以上の集客を条件に認める割引。

   ・1 10~14人 CG 50%割引1人

    2 15~24人 CG 100%割引1人

    3 25人以上 CG 累積適用

  3IT運賃(Inclusive Tour)

   ・包括旅行運賃(パッケージ・ツアーの航空旅行部分のエコノミークラス往復運賃)。

   ・個人IT運賃 (1人以上から適用)

   ・団体IT運賃 (2人以上から適用)

   *団体IT運賃は、太平洋線、中国向けに設定

   *適用条件

    1全路線とも小幼児割引が可能(小児67%)

    2全路線とも添乗員割引は不可。

   *幅運賃制度(1994年4月~)

    ・IATA基準運賃(グロス運賃)を一定の幅内の運賃ならば、航空会社が自由に決められる制度。

    ・航空券の表示

     ・FARE欄には運賃額を表示せず、ITと表示。

     ・FARE CALCULATION欄には普通運賃航空券と同様に表示(IATA基準運賃をNUC額で)

     ・TOUR CODE欄に、契約番号を表示、ITの承認番号は、ENDORSEMENT&RESTRICTIONS欄に表示する


8航空券

 *航空券の読み方

  1旅客の氏名

  2出発地、経由地、終着地

  3利用便の航空会社、便名、クラス、搭乗日、出発時刻、予約状況

  4適用運賃(P、F、J、C、Y、Y2/CST、CSH、Y/ST50、YSHなど)

  5必要旅行日数を満たす日、月

  6有効期間満了日の日、月

  7無料手荷物許容量(20K、30K、40K、PC)

  8航空券を発行した日、月、年

  9出発都市、終着都市、セールスインディケーター(SITI、SOTO)

  10有効印

  11特記事項

   (GTT、FTT、BSR、NOT ENDORSABLE、NOT REFUNDABLE、RES MAY NOT BE CHANGED)

  12運賃計算の内訳

  13出発国通貨建て運賃

  14外国の税金を収受した場合の支払通貨と額

  15 13と14の合計

  16支払手段(CASH)

  17承認番号