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旅券・出入国関係法令

1旅券法(外務省)

 1定義(旅2条)

  1公用旅券

  2一般旅券

 2一般旅券の発行(旅5条)

  1数次往復用旅券

   ・有効期間10年、すべての地域が渡航可能。

   ・有効期間5年の場合

    1申請者の希望した場合

    2 20歳未満の場合

  2一往復用旅券

   ・外務大臣が指定する地域に渡航する場合

   ・有効期間10年、5年

 3限定旅券(旅5条2項)

  1二重受給禁止の例外時(4条の2)

  2発給制限時(13条)

   →渡航先の個別に特定

    有効期間の短縮

 4一般旅券の発給の申請(旅3条)

  1一般旅券発給申請書 2通(正・副)

  2戸籍謄本、抄本   1通(発行より6ヵ月以内)

  3写真(4.5cm×3.5cm、撮影より6ヵ月以内)

   ・国内で申請   1葉

   ・海外で申請   2葉

  4申請者の身元を確認する書類

   1住民票の写し  1通(発行より6ヵ月以内)

   2官製はがき

   3身分証明書(1をひとつ、あるいは2,3より各々ひとつ、2よりふたつ)

    1日本国旅券、運転免許証、船員手帳など、官公庁の発行した身分証明書に相当するもので、写真の貼付されているもの。

    2健康保険等の被保険者証、国民年金手帳等で、都道府県知事がこれらに準じるものとして特に認めるもの。

    3学生証、会社の身分証明書等で、写真を貼付したもの。都道府県知事がこれらに準ずるものとして、特に認めるもの。

 5旅券の申請先(旅3条)

  ・国内―現住所・居所を管轄する都道府県に出頭し、都道府県知事を経由して外務大臣に申請。

  ・海外―最寄の領事館に出頭し、領事に申請。

 6旅券の代理申請(旅3条4項)

  1原則 申請者本人が出頭

  2例外 1申請者の配偶者又はニ親等内の親族

      2申請者の指定した者

 7提出書類の省略(旅3条2項)

  ・戸籍謄本・抄本の提出を省略し得る場合

   1有効な旅券を返納のうえ、新たに旅券の発給を申請する場合(但し氏名、本籍等の変わっていない場合)

   2例外的に旅券の二重発給を申請する場合

   3同一戸籍内にある家族が同時に申請するにあたり、そのうちの一人が戸籍謄本を提出する場合

   4国外において有効な国籍証明書又は船員手帳を提出する場合

   5緊急な申請の場合において、やむを得ず本籍地の入った住民票の写しで代用する場合

 8旅券の発行と交付(旅5条、7条)

  ・国内―外務大臣が発行し、都道府県知事が交付。

  ・海外―領事官が発行し、領事官が交付。

 9署名(旅15条)

  ・国内―一般旅券発給申請書の所定の欄に(旅券に転写)

  ・海外―旅券の所定の欄に

 10一般旅券の発給等の制限(旅13条)

  1~6

 11旅券の記載事項(旅6条)

  1旅券の種類、番号、発行年月日、有効期間満了の日

  2旅券の名義人の氏名、生年月日

  3渡航先

  4名義人の性別、国籍、本籍の都道府県名

  5旅券の効力(一往復用のみ)

  6旅券の発行国のコード、発行地、発行官庁

 12記載事項に変更が生じた場合の発給又は訂正(旅9条)

  1発給

   →原則として新たに発給する。

  2訂正

   →名義人の氏名、本籍の都道府県名の変更があった場合

 13渡航先の追加(旅8条)

  ・一往復用旅券、限定旅券の場合

 14再発給(旅10条)

  ・旅券を紛失、焼失、著しく損傷した場合

 15旅券の査証欄の増補(旅12条)

  ・増補は一回に限られる。

 16有効期間内の申請(旅10条の2)

  ・旅券を返納の上、新規に旅券の発給を申請する。

   1残存有効期間が1年未満となった場合

   2査証欄に余白がなくなった場合

   3名義人の保護又は渡航の便宜のため特に必要と認められた場合

 17外国滞在の届出(旅16条)

  ・旅券の名義人で、外国に住所又は居所を定めて3ヶ月以上滞在する者は、当該地域を管轄する領事官に在留届1通を提出しなければならない。

 18紛失又は焼失の届出(旅17条)

  1国内―遅滞なく、都道府県知事に届出

  2海外―遅滞なく、領事官に届出

 19旅券の失効(旅18条)

  1旅券の名義人が死亡、又は日本国籍を失ったとき

  2旅券の発行日から6ヶ月以内に名義人が受領しないとき

  3旅券の有効期間が満了したとき

  4一往復旅券の名義人が帰国したとき

  5有効期間内の発給申請等により返納された旅券について、申請された旅券が発行されたとき

  6紛失、焼失した旅券について、再発給申請に係る旅券が発給されたとき、又は旅券に代えて渡航書が発行されたとき

  7返納を命じられた旅券が命じられた期間内に返納されなかったとき、又は外務大臣もしくは領事官が返納された旅券が効力を失うことを適当と認めたとき

 20返納(旅19条)

  ・上記1,3,4,6の場合

   1国内―遅滞なく都道府県知事、外務大臣に返納

   2海外―遅滞なく領事官に返納

 21帰国のための渡航書(旅19条の3)

  ・外国にある日本国民で日本への帰国を希望する者に発行。

   1旅券を所持しない者で、緊急に帰国する必要があり、かつ旅券の発給を受けるいとまのない者

   2旅券の発給を受けることのできる者

   3外務大臣又は領事官の命令に基づいて旅券を返納した者


2外為法(大蔵省)

 1目的(外為法1条)

  ・外国為替、外国貿易、その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外貿易の正常な発展を期し、もって国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに、我が国経済の健全な発展に寄与することを目的。

 2適用範囲(外為法5条)

  ・本邦内に住所を有する人が、外国において財産又は業務についてした行為にも適用する。

 3居住者と非居住者(外為法6条)

  1居住者

   ・本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。

   ・非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とに関わらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。

  2非居住者

   ・居住者以外の自然人及び法人をいう。

 4渡航外貨の両替(外為法21条)

  1海外渡航に必要な外貨を外国為替公認銀行又は両替商で購入、売却することは自由。

  2ただし両替商においては、内国支払手段を対価とする両替しか認められていない。

 5支払手段の輸出入(外為法18条)

外貨      携帯輸出   

携帯輸入

自由                            
円貨現金 携帯輸出

携帯輸入

500万円超は大蔵大臣の許可

自由

小切手

約束手形

携帯輸出

携帯輸入

大蔵大臣の許可、但し旅行小切手は自由

 6資本取引(外為法20条、21条)

  1非居住者による日本国内における預金

   →外国為替公認銀行では自由

    その他の銀行でも、滞在期間中、出国後6ヶ月間は自由

  2居住者による外国における預金

   →渡航期間の前後6ヶ月間は自由

  3居住者間での旅行中における外貨の貸借

   →自由

  4外国における両替

   →自由

  5居住者同士による旅行中における外貨建ての必要品売買

   →自由

  6居住者が外国で非居住者から滞在費を借りること

   →自由

  7日本の航空会社の国際線機内における外貨建ての買物

   →自由

  8出国免税売店における買物

   →自由

 7地上費の送金(外為法16条)

  ・特殊決済方式を除いて自由

 8特殊決済方式(外為法17条)

  1勘定の貸記・借記

  2役務の提供の日後2年以上の期間に支払(の受領)

  3本邦通貨、又は本邦通貨をもって表示される小切手、若しくは約束手形の輸出入を伴う方法により支払(の受領) ×旅行小切手

  4債務と相殺

  5非居住者のために行われる他の居住者による支払(の受領)

   1外国のホテルに支払う地上費を日本の予約事務所等に支払う場合

   2外国人旅行者の滞在費を日本に招待した者が支払う場合

   3外国の航空運賃等を日本の航空会社に支払う場合

  *1,2,4,5は500万円超に限り大蔵大臣の許可要。

   3は常に大蔵大臣の許可要。

   5‐2,3は許可不要(自由)


3関税法・関税定率法(大蔵省)

 1旅具通関

  ・輸出入申告は不要。

 2出国の際の手続

  1原則

   ・口頭による申告でよい(実際には何も行う必要はない)。

  2例外

   1外国製品の持ち出し

    →「外国製品の持出し届」の提示

   2輸出免税品の持ち出し

    →「輸出証明申請書」(非居住者は「輸出免税物品購入記録票」)2通を提出

  3輸出規制品の持ち出しは、通産大臣の許可・承認が必要(外為法)

  4課税価格の合計が、30万円を超える場合には、輸出申告が必要

 3入国の際の携帯品・別送品の申告

  1原則

   ・口頭による申告でよい。

  2例外

   ・「携帯品・別送品申告書」を提出する場合

    1携帯品が免税範囲を超える場合  1通

    2別送品がある場合        2通

    3銃砲・刀剣類を所持している場合 1通

  3課税価格の合計が30万円を超える場合には、輸入申告が必要。

 4別送して輸入する貨物の簡易税率の適用の手続(令1条)

  1帰国時に税関に「携帯品・別送品申告書」2通を提出して税関の確認を受ける。

  2税関長がやむを得ない特別の事由があると認める場合を除き、入国後6月以内に輸入する。

  3その際に確認を受けた申告書1通を税関長に提出する。

 5海外市価

  1旅行者が携帯品を取得する際に実際に支払った価格。

  2但し、無償で取得した場合や、実際の取得価格が通常の価格にくらべ著しく低い場合は、「海外における通常の小売購入価格」を海外市価とする。

  3円貨への換算は、旅行者の入国日の属する週の前々週1週間の平均レートによる。

 6課税価格

  ・本邦に入国する者により携帯して輸入される貨物、その他その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物(定率法4条の6第2項)。

   →その貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされた場合の価格とする(課税価格の決定の特例)。

 7免税範囲

  品名 数量・価格 備考
酒類 3本 ・1本760cc程度のもの

・1クオート(950cc)瓶は1.25本分

紙巻たばこ

葉巻たばこ

その他

200本(1カートン)

50g

250g

・2種類以上のたばこを輸入する場合は総重量250gの範囲

・外国居住者は免税数量の2倍

・日本製たばこは、空港免税店、機内、外国で購入したものに

 限り同様に免税とされる。

香水 2オンス ・約50g(1オンス=約28cc)
一品目ごとの海外市価の

合計が1万円以下のもの

全量 ・例えば1本5000円のネクタイが2本の場合は免税
その他のもの 20万円

(海外市価の合計額)

・海外市価の合計額が20万円を超える場合は、20万円以内に

 収まる品目のみ免税。

・1個20万円を超える品物は、20万円を超える金額ではなく、

 全額について課税。

 (注)

  1未成年者については、「酒類」「たばこ」について免税とならない。

  2 6歳未満の者については、おもちゃ等、明らかに本人用と認められるもの以外は免税とならない。

 8入国者の輸入貨物に対する簡易税率(定率法3条の2)

  ・本邦に入国する者がその入国の際に携帯して輸入し、又は政令で定めるところにより別送して輸入する貨物に対する関税等。

  *簡易税率によらないものの例(令1条の2)

   11個の課税価格が10万円を超えるもの

   2食用のり、パイナップル製品

   3紙巻たばこ以外のたばこ

   4猟銃

   5簡易税率によることを希望しない旨、税関に申出たとき

 9輸入禁制品(定率法21条)

  1麻薬、及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚せい剤並びにあへん吸煙具

  2けん銃、小銃、機関銃及び砲並びにこれらの銃砲弾並びにけん銃部品

  3貨幣、紙幣若しくは銀行券又は有価証券の偽造品、変造品、及び模造品

  4公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物、その他の物品

  5特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は回路配置利用権を侵害する物品

 10輸入規制品(外為法52条、薬事法22条など)

  1ワシントン条約

   →輸入割当を要する。そして外国為替公認銀行の輸入承認。

  2鉄砲・刀剣類

   →公安委員会の所持許可を要する。

  3韓国産の大島紬などの紬類の携帯輸入

   →10㎡が限度

  4個人用の医薬品・化粧品の携帯輸入

   →内服薬は2ヶ月分以内(毒薬等は1ヶ月分以内)

    外用薬・化粧品は24個以内

    医薬部外品等で、配偶者とともに服用等するものは計4ヶ月分以内


4入管法(法務省)

 ・再入国の許可(入管法26条)

 ・法務大臣は、本邦に在留する外国人が、その在留期間の満了の日以前に本邦に再び入国する意図をもって出国しようとするときは、法務省令で定める手続により、その者の申請に基づき、再入国の許可を与えることができる。

  1再入国の許可の有効期間は最長で1年

  2永住者等については、数次再入国の許可もできる。

  3旅券を所持していない場合で旅券を所持することができないときは、再入国許可書の交付

  4旅券を所持していない場合で旅券を取得することができないときは、再入国許可書を交付

  5再入国許可書は、本邦に入国する場合に限り、旅券とみなす。


5検疫法(厚生省)

 1目的(検疫法1条)

  ・国内に常在しない伝染病の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止するとともに、船舶又は航空機に関してその他の伝染病の予防に必要な措置を講ずることを目的とする。

   *WHOの国際保健規則に準拠

 2検疫伝染病(検疫法2条)

  ・コレラ、ペスト、痘そう、黄熱

  *痘そうは、1980年にWHOの根絶宣言

  *ペストは、予防接種を入国の条件にしてはならない。

 3質問(検疫法12条)

  ・検疫所長、検疫官はが、質問票に記入させる。

 4隔離(検疫法15条)

  ・検疫所長、検疫官が、検疫所の隔離室の収容する。

 5予防接種(検疫法14条)

  ・検疫所長、検疫官が入国者のうち必要を認める者に対して行う。


6家畜伝染病予防法(農林水産省)

 1動物検疫

  ・特定の動物を輸出又は輸入しようとするときに、動物検疫の対象となる。

 2指定検疫物―輸出国の検査証明書の添付が必要。

・偶蹄類の動物(牛、豚、ヤギ、羊、…)
・馬科の動物(馬、ロバ、ラバ、…)
・鶏、アヒル、七面鳥、ウズラ、ウチョウとそれらの卵
・ウサギ、ミツバチ  ×蜂蜜
・上記1~4の動物の骨、肉(ほし肉を含む)、脂肪、血液、皮、毛、羽、角(加工品を含む)、蹄、

 腱、臓器、生乳、精液、受精卵、ふん、尿、血粉と死体

・上記5を原料とする、ソーセージ、ハム、ベーコン
・家畜の伝染性疾病の病原体(農林水産大臣の輸入許可要)
  ・犬(狂犬病予防法)

  *主な検疫の対象とならないもの

   魚介類、家猫、乳製品(バター、チーズ等)

  *なおワシントン条約による制限(外為法)


7植物防疫法(農林水産省)

 1植物検疫

  ・特定の植物を輸出又は輸入しようとするときに植物検疫の対象となる。

 2指定検疫物―輸出国の検査証明書の添付要

  ・発送される地域ごとに規定

  ・切花、球根、生果実等はすべて検疫の対象

 *主な検疫の対象とならないもの

  ・製材、木工品、藤、コルク、綿布、製茶、砂糖や塩に漬けられた植物、あんず、かき等の乾果

 *輸入禁止品

  ・有害植物、土、土の付着する植物等は、試験研究の用に供するため農林水産省の許可を受けた場合を除いて、輸入禁止。

 *なお、ワシントン条約による制限(外為法)