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(991226)高校駅伝結果:仙台育英と筑紫女が激戦を制する

(991221)大阪女子マラソン招待選手発表

(991219)加賀駅伝で高橋復活!アンカーで逆転V2

(991219)防府マラソン:渡辺共則が10分の壁破り初優勝

(991214)浅利純子、引退かけて大阪走る

(991212)棒高跳びのブブカら10選手がIOC委員入り

(991212)ホノルルマラソン/2万6千人参加して雨の中をスタート

(991212)全日本実業団女子駅伝、沖電気宮崎が2年ぶり優勝

(991211)高橋尚子、名古屋で勝負

(991210)関東学連、箱根駅伝のエントリーリストを発表

(991208)有森、大阪マラソンに絞る

(991205)福岡国際マラソン:エチオピアのアベラが初優勝、日本人最高は小島の4位

(991204)福岡国際マラソン/招待選手27人含む135人が参加へ

(991201)大学箱根駅伝の山登りコースを変更


- Contents -
 
 

◆高校駅伝結果:仙台育英と筑紫女が激戦を制する

全国高校駅伝は26日、京都市の西京極総合運動公園陸上競技場を発着点に、女子5区間21・0975キロ、男子7区間42・195キロのコースで行われた。
朝方には雪もちらつくほどの寒さの中で行われたレースは、男女とも優勝争いが最後の競技場内までもつれ、歴史に残る激戦となった。
詳細は、駅伝のページを参照下さい・・・

[女子結果]

女子はトラック勝負に持ち込まれ、残り100メートルで筑紫女学園(福岡)が須磨学園(兵庫)を抜いて8年ぶり2度目の優勝。2位とのタイム差は僅かに1秒。最長1区(6キロ)で藤永佳子選手(3年)が区間新記録を出した諌早(長崎)が3位に入った。
[男子結果]
第50回記念大会となった男子は、やはりトラック勝負となり、ゴール直前で仙台育英(宮城)が西脇工業(兵庫)を抜き去って優勝した。仙台育英は3連覇を狙った西脇工に5区で並び、最後は2秒差で勝負を決した。3位には佐久長聖(長野)が食い込んだ。仙台育英のJ・ワイナイナ選手(3年)は、大会史上初めて3年連続で最長1区(10キロ)の区間賞を獲得した。

◆大阪女子マラソン招待選手発表

シドニー五輪代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソン(2000年1月30日)に出場する国内外招待選手が21日、大阪市内のホテルで発表された。
注目を集めるのは、五輪で2つのメダルを取った実績を持つ有森裕子(33=リクルートAC)、93年の世界選手権優勝の浅利純子(30=ダイハツ)の両ベテラン。さらに8月の世界選手権1万メートル4位の弘山晴美(31)(資生堂)、同選手権マラソンで8位入賞の小幡佳代子(28)(営団地下鉄)、昨年の東京国際で3位に入った宮崎安澄(24)(積水化学)らも出場する。
日本勢に対抗するのは、大会3連覇を目指すリディア・シモン(26=ルーマニア)ら海外招待選手になる。
日本陸連の桜井孝次シドニー五輪強化特別委員長は「東京国際に刺激を受けて、積極的なレースになる」と予測した。11月の東京国際で山口衛里(26)が出した2時間22分12秒が、今後の五輪代表選考のひとつの目安。東京より平均2分は速くなるといわれるだけに、女子単独レース史上最高速ペースもあり得る。シモンとの勝負も、代表選考を左右する。市橋有里(22)が内定、山口が確実視される代表枠は実質、残り1。
高速レースを制す者がその座に近づく。
◆2000年大阪国際女子マラソン招待選手◆
海外選手
 No. 選手名     国・所属   年齢   自己ベスト
 1 L・シモン   (ルーマニア)(26) 2時間23分24秒
 2 S・オベレム  (ドイツ)  (26) 2・28・02
 3 E・アレム   (エチオピア)(24) 2・28・52
 4 L・タルポシュ (ルーマニア)(27) 2・31・05
 5 V・デ・オリベーラ(ブラジル)(30) 2・31・39
 6 E・オリベーラ (チリ)   (23) 2・32・25
 7 S・ホブソン  (豪州)   (41) 2・32・43
 8 V・クリザ   (ポーランド)(31) 2・33・44
 9 王 秀 杰   (中国)   (26) 2・33・52
国内選手
 31 E・ワンジロ (日立)   (22) 2・25・40
 32 安部 友恵  (旭化成)  (28) 2・26・09
 33 浅利 純子  (ダイハツ) (30) 2・26・10
 34 小幡佳代子  (営団地下鉄)(28) 2・26・18
 35 有森 裕子  (リクルート)(33) 2・26・39
 36 弘山 晴美  (資生堂)  (31) 2・28・12
 37 小川ミーナ  (日立)   (25) 2・28・47
 38 矢田 多美  (スズキ)  (27) 2・29・45
 39 宮崎 安澄  (積水化学) (24) 2・30・06
 40 寺崎 史記  (デオデオ) (24) 2・30・40
 41 岡本 治子  (ノーリツ) (25) 2・35・02

 

◆加賀駅伝で高橋復活!アンカーで逆転V2

加賀女子駅伝
19日◇山中温泉菊の湯前スタート〜加賀体育館ゴールの5区間28キロ◇出場24チーム◇みぞれ、気温0・3度、湿度76%、南西の風4・8メートル
(正午)
マラソン女王・高橋尚子(27=積水化学)が、チーム(積水化学A)を2連覇に導き’99ラストランを締めくくった。
最終5区(8・1キロ)にアンカーで出場した高橋は、トップと13秒差でタスキを受けると中間点付近で逆転。そのまま逃げ切りゴールテープを切った。苦闘を重ねた99年に別れを告げ、五輪キップをかける来年3月の名古屋国際に向けて、臨戦態勢を整えた。
2月上旬「奄美合宿」決定
綿雪さえも舞い、氷点下近くまで冷え込んだ加賀地方。ストライドが伸びない走りに高橋も「体重も重いし(笑い)足も張って全然、走れませんでした」と苦笑いした。それでも約60メートル先を行く第一生命・仮田を4キロ付近でとらえ、そのまま逃げ切り。昨年、自らつくった区間記録に1分3秒遅れの27分55秒(区間3位)はこの際、目をつぶろう。先週の全日本実業団女子駅伝に続き、いばらの道が続いた高橋にとって確かな「復活走」になった。
来年3月の名古屋国際に向けてのプランもできた。2月上旬から約2週間の奄美大島合宿がそれ。起伏に富んだ約33キロの周回道路、風雨も強いが温暖な気候、何より島民の全面支援が高橋を支えてくれる。昨年3月に日本最高をマークした時も合宿を張ったゆかりの地で、闘牛やクジラ見学で気分転換もできる。もっとも高橋の何よりの楽しみがこれまたグルメ。「夕食の後、おいしい焼き肉のお店があるんです。そこでレバーとかパクパク毎日、食べるんですよ」。食べ出したら止まらない高橋。もちろん本職では「走り出したら止まらない」姿を見せてくれるはずだ。
★高橋苦闘メモ☆
◆多忙昨年末のアジア大会後、祝勝会、表彰やイベントが重なる。1月の千葉マリンマラソンは、疲労が重なりドクターストップがかかる中で完走。
◆インフルエンザ3月7日に発熱し5日間、寝込む。体温が34度まで下がるほど体調を崩す。
◆じん帯同じころ、左ひざじん帯を伸ばしていたことが判明。米国での単身合宿で治療を受ける。
◆涙の欠場世界陸上を約3週間後に控えた8月上旬、左足付け根外側(腰骨下)の腸けいじん帯を損傷。直前までの出場直訴も回復に至らず、涙の欠場。
◆転倒10月下旬のレース中、転倒して左手首を骨折。翌々日から走り始めたが、ギプスで固定しているためリズムが取れず回復が遅れる。五輪選考レースは大阪(来年1月)から名古屋(3月)にスライド。

◆防府マラソン:渡辺共則が10分の壁破り初優勝

第30回防府読売マラソン大会は19日、山口県防府市陸上競技場発着の市内周回コースで開催され、招待選手の渡辺共則(23・旭化成)が、大会初の2時間10分の壁を破る2時間9分40秒で初優勝した。今年の日本10傑で6位に入るすばらしい記録だった。
レースは5キロを15分強のイーブンペースで進み、26キロ過ぎから渡辺がスパートをかけ、そのまま独走でゴールした。連覇を狙った徳永大輔(鐘紡)は5位に終わった。
◇4度目の挑戦でマラソン初優勝◇
ゴール直後に崩れ落ちるようにトラックに倒れ込んだ。
「風が強く寒くて足も痛くなり、後半きつかった」という渡辺の表情には4度目の挑戦でマラソン初優勝した安ど感と、自身初の2時間10分の壁を破った満足感を漂わせた。
「負ける気がしない」と臨んだ渡辺にとって、願ってもない前半のハイペースだった。25キロでトップ争いは3人に絞られた。そして動いたのは26キロ過ぎ。「給水がちゃんと取れたからいこうと思った」と言うように、ためらわずに前に出ると、だれもつけなかった。1キロを3秒前後にペースアップして2人を一気に引き離した。36キロからの強い向かい風でペースダウンしながらも前半の“貯金”を生かして「サブテン」の仲間入りを果たした。
昨年の大会で終盤に失速した反省から、9月以降に40キロを8本走り込むなど、最後のスタミナを強化する練習を積んだ。「五輪代表が内定している佐藤(信之)さんらと同じ練習をこなし、やるべきことはやってきたので、自信があった」と勝って当然の表情だった。宗猛・旭化成副監督も「本人の持ち味である思い切りの良さが出た。後半、風がなかったら(2時間)8分台も可能だった。10月になって力がついてきたから期待していた」と振り返った。
「高速レースを走ってもっと記録を伸ばしたい」とこの大会を一つの通過点として挙げた。次は五輪代表選考レース「びわ湖毎日」に挑む。
可能性を秘めた若手のランナーがまた一人飛び出した。

◆浅利純子、引退かけて大阪走る

女子マラソンの浅利純子(30=ダイハツ)が、ランナー生命をかけて来年1月30日の大阪国際(シドニー五輪代表選考会)に挑む。
浅利は14日、米国ニューメキシコ州での高地合宿のため関西空港を出発。出発前に「人生で一番大事なレース。すべてをかけたい」と話した。
鈴木従道監督(54)も「大阪で失敗したら(浅利は)やめる可能性もある」と語り、師弟そろって不退転の決意を示した。
年齢面などを考慮し、シドニーをラストチャンスとみたようだ。
合宿は来月14日まで予定している。40キロ走は2度だけ設定し、過度の練習から右足首痛に泣いた8月の世界陸上(16位)の教訓を生かす。体調は良く、課題は現在40キロの体重を、筋肉をつけながら42キロにすることだけだ。
シドニー五輪切符の獲得は、大阪の1本勝負となる。仮に失敗しても、最後の代表選考会となる3月の名古屋国際に出場する予定はない。有森裕子(32)も出場予定で、すでに「2時間25分で走る」と宣言した。浅利は「2時間25分では勝てない。山口(衛里)さんの記録(11月東京国際の2時間22分12秒)を超えたい」と話した。
五輪切符3枚のうち8月の世界陸上で銀メダルの市橋有里(22)が内定。東京国際優勝で山口も強烈アピールし、実質残り「1枠」とされる。五輪切符奪取へ、浅利は「覚悟の最終合宿」に向かった。

◆棒高跳びのブブカら10選手がIOC委員入り

国際オリンピック委員会(IOC)は12日の臨時総会で、陸上棒高跳びの世界記録保持者セルゲイ・ブブカ(ウクライナ)、リレハンメル五輪男子スピードスケート3冠王のヨハンオラフ・コス(ノルウェー)ら選手委員会のメンバー10人をIOC委員に加えることを承認した。
機構改革で委員に選手代表15人の登用を決め、早速、実行に移した。
メンバーは次の通り。
【夏季五輪関係】
ハシバ・ブールメルカ(アルジェリア)セルゲイ・ブブカ(ウクライナ)シャーメーン・クルックス(カナダ)ヤン・ゼレズニー(チェコ)=以上陸上
アレクサンドル・ポポフ(ロシア)=水泳
ローランド・バー(ドイツ)=ボート
ロバート・ストブルトリック(米国)=バレーボール
【冬季五輪関係】
マヌエラ・ディチェンタ(イタリア)ウラジーミル・スミルノフ(カザフスタン)=以上スキー
ヨハンオラフ・コス(ノルウェー)=スピードスケート

◆ホノルルマラソン/2万6千人参加して雨の中をスタート

90年代最後の第27回ホノルル・マラソンは12日午前5時、日本人1万2877人を含む2万6724人が、前日からの雨の中アラモアナ・パークをスタート。
男子はケニアのジミー・ムンディが2時間16分45秒で初優勝。女子はイリナ・ボガチェワ(キルギスタン)が2時間32分36秒で昨大会に続く2連覇を達成した。日本勢では谷川真理(ヴァーナル)が2時間41分54秒で女子の4位、また山口裕一郎(本田技研栃木)が2時間29分13秒で男子の8位に入る健闘をみせた。

◆全日本実業団女子駅伝、沖電気宮崎が2年ぶり優勝

第19回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会は12日、岐阜・長良川競技場を発着点とする42.195キロのコースに31チームが参加して行われ、沖電気宮崎が2時間15分42秒で2年ぶり3度目の優勝を果たした。連覇を狙った東海銀行は2位、3位はスズキが入った。
沖電気宮崎は1区で11位と出遅れたが、5区でエースの川上優子が区間賞を取るなど徐々に順位を上げ、最終の6区で先頭を行くスズキを逆転。2時間15分42秒で2年ぶり3度目の優勝を果たした。
昨年12月のアジア大会以来の公式大会となるマラソン日本最高記録保持者の高橋尚子(積水化学)は、最長の5区(11・6キロ)を37分17秒、区間4位で走って順調な復調ぶりを見せた。

◆高橋尚子、名古屋で勝負

女子マラソンの日本最高記録を持つ高橋尚子(27=積水化学)が11日、来年3月12日の名古屋国際でシドニー五輪キップを狙うことを、初めて明らかにした。左手首骨折の影響で調整が遅れたため、万全な体調で臨むべく希望していた1月30日の大阪国際からスライドする形となった。高橋は今日12日、全日本実業団女子駅伝(岐阜)で約1年ぶりに実戦復帰する。
高橋が「ラスト・ワン」の大一番に勝負をかけることになった。
万が一、大阪で失敗しても、6週間後の名古屋は「保険」として残る。しかも名古屋は4つある五輪選考レースの最後。小出監督も「万が一のことを考えて大阪に出したかったけど本人に任せた」と、結論を高橋にゆだねた。
高橋が自分の意思を同監督に伝えたのは、前日(5日)のこと。「あやふやな未完成のままでは(東京国際の)山口さんみたいな強い相手に立ち向かえない。どうせ1本にかけるなら完ぺきな状態で、と名古屋に決めました」。故郷・岐阜市内のホテルで、高橋は固い決意を口にした。
実質的に残された五輪キップは2枚。大阪国際の記録次第では、ハイレベルのタイムが名古屋で要求される。最終選考会というプレッシャーも大きい。大阪回避はカケ、の見方もあるが「体調さえ完ぺきなら」という自信の裏返しと言えそうだ。ミニ合宿、駅伝を経て今月20日すぎから本格的なマラソン練習に入る。
左足腸けいじん帯の不安は解消。10月下旬に骨折した左手首も、先週末に添え木を外した。
「『これが私の体です』と言える堂々とした走りを見せたい」
昨年12月のアジア大会以来の実戦復帰となる今日の全日本。11・6キロの第5区でまずは復調ぶりをアピールする。

◆関東学連、箱根駅伝のエントリーリストを発表

関東学生陸上競技連盟は10日、第76回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝、来年1月2、3日)のエントリーリストを発表した。前回9位以内に入ったシード校と、予選会を勝ち抜いた6校の計15校。各校はこの日、14人の選手を登録した。
前回は復路の大逆転で総合優勝を果たした順大は、高橋謙介(3年、報徳学園)らが成長し、連覇も十分に狙える顔ぶれ。昨年往路優勝の駒大と、前々回総合優勝の神奈川大は、ともに一万メートルの平均タイムが29分11秒台とレベルが高い。
レースは来年1月2日午前8時、東京・大手町の読売新聞社前をスタート。10区間のオーダーは29日に決まる。

◆有森、大阪マラソンに絞る

女子マラソンの有森裕子(32=リクルートAC)が8日、シドニー五輪選考レースを来年1月30日の大阪国際1本に絞ることを明言した。有森は同日、9日間の伊豆・大島合宿をスタート。腰痛を抱えているが、痛み止めの注射を打ってでも大阪国際に出場する意欲を語り、3月12日の名古屋国際へスライド出場する選択を完全否定した。
ダメなら回避
思い出深い、そして有森にとってゲンのいい大島。1991年(平成3年)の大阪国際前に初合宿を張り、同大会で2時間28分1秒の日本最高(当時)をマーク。96年正月と4月にも合宿で訪れ、五輪2大会連続メダル獲得の偉業に結びつけた。
ゲンの良さにあやかりたい有森だが、楽観視できないのが現状だ。何より追い打ちをかけたのが、10月下旬から抱える腰の骨盤痛。「朝起きて空腹時に『重痛い』」というやっかいな故障だ。だが、苦境を打破する「今できることを思い切りやるだけ」という気持ちだけはなえていない。
長さが違うという左右の足の靴底の厚さを変えたり、水中歩行、傾斜をつけた場所での走りなどで対処する。さらに胃にものを入れておけば痛みはないため「何とか方法を考えたい。いよいよダメになったら」と痛み止めの注射を当日だけでも打つ覚悟だ。
最善の手を尽くしたうえで「勝負にならない、と判断したら出ても意味がない」と大阪回避を示唆。さらに「1月下旬(大阪)がダメで3月上旬(名古屋)に間に合うとは考えづらい。スライドは考えてません」と安易な選択はせず、五輪断念も致し方ないほどの決意も明かした。これも並々ならぬ意欲で大阪に臨むという決意の表れ。「前を見据えて自分の気持ちに勢いをつける場所」大島で、有森がきっかけをつかむ。

◆福岡国際マラソン:エチオピアのアベラが初優勝、日本人最高は小島の4位

第53回福岡国際マラソン選手権大会は5日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点とする公認コースに、招待選手23人(外国11人、国内12人)を含む116人が参加して行われ、海外一般参加のゲゼンゲ・アベラ(21・エチオピア)が2時間7分54秒で初優勝した。
外国勢で一般参加選手が優勝したのは第23回(1969年)のジェロム・ドレイトン(カナダ)以来、2人目。大会史上2番目の好記録で、外国人選手の優勝は8年連続となった。
来年のシドニー五輪国内選考会を兼ねたレースで、日本勢では小島(おじま)宗幸(24・旭化成)の4位が最高だった。
シドニー五輪の国内代表選手選考会を兼ねたレースには国内外から116人が参加。有力選手が互いにけん制しあう展開から、30キロ手前でアベラ、小島ら4選手が抜け出した。先頭集団にいたアベラは35キロ過ぎに後方から追いついてきたモハメド・ウアーディ(フランス)とともに抜け出した。37キロ過ぎからはウアーディとアベラの一騎打ちとなり、最後は競技場内でのスプリント勝負で競り勝った。大会前の自己ベストを約6分も縮める快走。昨年のびわ湖毎日優勝で期待された小島は後半のペースアップについていけず、2時間9分9秒で4位に終わった。だが4レース連続で2時間10分を切るタイムを出したことで、五輪代表へ一応のアピールを示した。
小島のほか、2月の別府大分2位の森下由輝(旭化成)が自身初の9分台で5位に入る健闘を見せたが、一昨年の今大会2位の早田俊幸(31=ユニクロ)は中盤の揺さぶりがこたえて終盤に失速し、優勝争いに絡めず2時間10分38秒で7位に終わった。
コース沿道には30万人の観衆が詰めかけた。
◇世界との差感じる、小島宗の2時間9分台◇
遠ざかる背中は、世界との差。離れるまいと必死にもがいてはみたが、両足の太もものけいれんが、限界を告げていた。
34キロ。日本選手で唯一、4人の先頭集団に残っていた小島が、遅れ始めた。
「牽制し合った前半の集団でのペースの上げ下げのせいか、足にきて」
勝負どころで抵抗できなかった。ゴールは2時間9分9秒の日本人トップ。しかし、その瞬間に倒れ込んで突っ伏す姿には、日本人1位の喜びより、“世界”に敗れた無念さが色濃くにじんだ。
国内で最初の五輪選考会は、独特の重苦しい雰囲気に包まれた。前日には各選手が「2時間6、7分のレースになる」と予想していた。しかし序盤を外国人選手が好ペースで引っ張ったのに、日本選手は互いに牽制して第2集団に。そんな中で、小島は他の日本選手との差は見せつけた。27キロ過ぎ。第2集団からリマが仕掛けると、スッと追走。後は、日本選手には付け入るスキを与えなかった。
「ここまで(自分には)1つずつ積み重ねがある。今回だけでなく、すべてのレースを見て欲しい」
と本人がアピールしたように、4レース連続2時間10分以内という安定度は、高く評価出来る。旭化成が狙う「代表独占」にも望みをつないだ。
しかし、「我々の期待は世界と戦える戦力の登場」(桜井孝次シドニー五輪強化特別委員長)という面からは決定力に欠けたのも事実。今後の選考会に出る選手にも「重圧の中での世界を見据えた戦い」という課題が突きつけられたと言えるだろう。
◇第53回福岡国際マラソン成績
(1)G・アベラ(エチオピア)        2・07・54
(2)M・ウアーディ(フランス)    2・07・55
(3)V・リ マ(ブラジル)         2・08・40
(4)小島 宗幸(旭化成)      2・09・09
(5)森下 由輝(旭化成)      2・09・36
(6)国近友昭(NTT西日本)    2・10・10
(7)早田 俊幸(ユニクロ)     2・10・38
(8)砂田 貴裕(積水化学)     2・11・03
(9)白  承道(韓  国)     2・11・24
(10)D・ジェンガ(ヤクルト)    2・11・49

 

◆福岡国際マラソン/招待選手27人含む135人が参加へ

シドニー五輪の代表選考会を兼ねた第53回福岡国際マラソンは5日、海外8カ国12人、国内15人の招待選手を含む135人が参加し、福岡市の平和台陸上競技場を発着点の公認コースで行われる。

[国内招待選手の展望]

参加選手中、日本人最高記録を持つのは早田俊幸(ユニクロ)。一昨年は2時間8分7秒で2位に入ったが、昨年は12位と低迷した。元世界陸上一万メートル日本代表のスピードランナーもすでに31歳。3月の移籍を機に復活を目指す。
世界随一の選手層を誇る旭化成勢も注目だ。
昨年のびわ湖でフィス(スペイン)を抑え2時間8分43秒で優勝した小島宗幸(旭化成)は、今年のロッテルダムでも2時間8分46秒を出すなど、3レース続けて2時間10分を切っており、安定感は随一。今年の別大で転倒しながら日本人トップの2位に入った森下由輝(旭化成)の走りにも注目したい。
このほか、アトランタ五輪代表の実井謙二郎(日清食品)、スタミナのある森川貴生(NKK)、躍進著しい山本泰明(営団地下鉄)、スピードのある大川久之(山陽特殊製鋼)、田尻裕一(黒崎窯業)らも上位を狙う。
[海外招待選手の展望]
アトランタ五輪金のジョサイア・チュグワネ(南アフリカ)、4月のパリマラソンを2時間8分10秒の大会新で制したジュリアス・ルト(ケニア)、昨年の本大会2位のバンデルレイ・リマ(ブラジル)ら強豪ぞろい。母国の代表切符を狙って、序盤からハイペースで飛ばしそうだ。
五輪代表選考レースは、福岡国際と来年2月の東京国際、3月のびわ湖毎日の3レース。今夏の世界陸上で銅メダルを取った佐藤信之(旭化成)は、国際陸連の特例措置により五輪出場がほぼ内定しており、残りは2枠。9月のベルリンマラソンで犬伏孝行(大塚製薬)が2時間6分57秒の日本最高記録を出すなど国内でも「高速化」が進んでおり、勝負に止まらずハイレベルな記録が求めらる。
詳細ニュースへ(991117付ニュース)
◆大学箱根駅伝の山登りコースを変更
関東学生陸上競技連盟は1日、東京箱根間往復大学駅伝競走(読売新聞社など後援)のコースを、来年1月2、3日の第76回大会から若干変更することを発表した。
変更になるのは、山登りの5区と下りの6区で芦ノ湖近くの杉並木を走る484メートル。元箱根の市街を走る新コースでは、距離が4メートル伸びる。地元の箱根町と同町観光協会から「東海道を走り継ぐ昭和27年(1952年)までの元箱根のコースに戻してほしい」と要望があったため。
5、6区の距離は20・7キロ、往路は107・2キロ、復路109・2キロと、従来からほぼ変わらないが、今回の5、6区の区間記録と往路、復路、総合記録が次回以降の新たな基準記録となる。