BSO at Strathmore

Günther Herbig, conductor
Leon Fleisher, piano
Katherine Jacobson, piano

Program
Mozart: Piano Concerto No. 7, K. 242 (two-piano version)
Bruckner: Symphony No. 7(多分ノヴァーク版)

 Baltimore Symphony Orchestra (BSO)のStrathmore出張定期公演へ行きました。座席は、最安の天井桟敷も、Upper Tierの最前列ド真ん中という好位置。

 前プロは、モーツァルトのピアノ協奏曲第7番、2台ピアノバージョン。編成は、6-5-4-2.5-1.5, Ob2, Fg1, Hr2。私の手元にあるスコアには、Fgは無いのだが、低音を増強するために入れたのか? そこらへんの分析は詳しい人に譲る。
 非常にモーツァルトらしい爽やかな演奏。ピアノはFleisherの方はまあまあよかったと思うが、2ndピアノの姉さんがちょっとイマイチかな。音は全体にもわっとしてて、ホールのせいかオケのせいかは分からず。左隣の兄さんのひじと、右隣の爺さんのイビキが気になって集中出来ないので、休憩後に、ガラガラの天井桟敷の最後列の真ん中に移動。周りを気にせず落ち着いて聴くことにする。

 メインは、ブルックナーの交響曲第7番。編成は、8-7-6-4.5-3.5, Fl2 Ob2 Cl2 Fg2, Hr4+1, WagTub 4, Trp3, Trb3+1, Tub1, Timp1。Percはなし。Trpのトラもなし。BSOにとっては遠征だから、予算削減なんだろうか。予算不足であることが、失敗につながらなければいいが、と懸念しつつ、演奏開始。
 冒頭の弦があまりにキレイなので、2週間前に聴いたオケと本当に同じオケなのか? と思ったが、管が入ってきたら相変わらずの縦の線の乱れ具合で、同じオケと確信。言いようによっては、実にアメリカらしいオケで、個人の能力は非常に高いが、アンサンブルとしてはもう一歩。まあ、同じ曲を、ウィーンフィルで聴いてしまっているので、どうしても比べてしまうのは仕方ないところで。ウィーンフィルと比べられたら相手が悪いよな。
 一つ一つのフレーズがキッチリ合ってなかったり、飛び出したりということが頻繁にある。また、バランスについて言えば、強奏のところはいいけども、弱奏のところで管楽器のバランスが悪いのが露呈してしまう。これは、前回Alsopの指揮の演奏でも感じたことだったが、やはりこのオケの問題点と思う。まあ発展途上のオケなのだろう。
 細かい点を言うと、トランペットはアシをつけるべきだったよなぁ。3楽章あたりから、明らかに疲れてきて、何度も口をぬぐう姿が痛々しかったよ。でも最後まで吹ききってたけどね。どソロなところはまあキッチリ決めてたけど、細かいミスは多かったな。まあ目立つ楽器の宿命だけどね。疲労からか、ダイナミクスの細かい変化が、曲の後半では失われていたのが残念だった。ウィーンフィルでもアシは付けてたし、予算の問題でなければブルックナーではTrpの1アシは絶対必要と感じた。ま、今日吹ききったトップの彼には漢(おとこ)を感じたけどな。

 まあでも、生でブルックナーはとてもよい。満足した演奏会でした。