料理も半分無くなった頃、玲子ちゃん達は来た。
「こんばんわー。」
「どもども。」
「うわぁ、ひろぉい。」
「ここが二人のラブラブルームかぁ。」
それぞれが挨拶やら色々言っている。
丁度瑞希も涙が収まり戻ってきた。
「あ、玲子ちゃん。遅かったじゃないの。」
「瑞希さん、こんばんわ。ごめんね、色々用意あったから。」
そう言うと玲子ちゃんは肩から下げていた、少し大きめの鞄をぽんぽんと叩く。
「そうそう、南さんから聞いたけど、パーティのよう言って何してたの?」
確か、南さんと同じ会議に出た後、
玲子ちゃん達は『パーティの用意』で家に帰ったはず。
でも、見る限り服装とかは普段通りだし、変わったところはない。
とすると、その『用意』はあの鞄の中か?
「あはははは、それは後で発表するよ。それよりもみんな紹介して。
私たち、君と瑞希ちゃんと南さん以外は顔は知っていても話したこと無いんだし。」
そう言えばそうだ。
同じこみパに参加している仲でも、由宇と詠美は同人誌販売をメインで、
玲子ちゃん達はコスプレがメイン。
お互いに見かけたりしても、話すことはなかなか無さそうだ。
「わかったよ、飯もあるし、居間までどうぞ。」
『はーい。』
4人がそろって返事をする。
居間に戻るとみんなの姿はなかった。
「アレ、みんなは?」
「さっきまで居たんだけどな・・・。」
さっきまで飯を食べながら雑談をしていたはずなのに何処に行ったのやら?
「フケツよ、フケツ。超フケツー!!」
・・・!!
アレは詠美の声。
そしてその声が聞こえてきたのは・・・。
まさか!!
俺は仕事部屋に行く。
そこには由宇がいすに座ってパソコンを操作している姿があった。
そしてその後ろに並ぶ女性陣+大志。
やばい!!
俺は由宇を止めにはいる。
しかし、もう遅かった。
由宇はメールマガジンを開き、その中にあるリンクからとあるHPに飛んでいた。
画面上に表示されているのは裸体の女性。
それを見て、次に俺の方にニヤニヤとした表情を見せる。
やられた・・・。
俺は敗北感に打ちのめされた。
あたりを見ると白い目で見ている女性陣が・・・。
うう、俺をそんな目で見るな、見ないでくれぇ。
「ま、和樹もやっぱり男やったんやな。
あんな料理が旨くて色々尽くしてくれる彼女が居ても、こういうの見るんやから。」
由宇がフォローになっていないフォローを言う。
「フケツよ、フケツ。」
詠美は顔を背けながらも目線はちらちらと画面を見る。
いっそのことはっきり見てくれた方がこっちとしてはいい。
「まぁまぁ・・・。」
「うわぁ、おっきいですぅ。」
南さんと千紗ちゃんはじっくりと見ていたりする。
千紗ちゃんは自分の胸に手をあて大きさを比べていたりもした。
「どうしたの?」
自体はさらに悪化する。
瑞希と玲子ちゃん達も仕事部屋にやってきた。
なかなかみんなが戻ってこないから、気になったのだろう。
「うう・・・。」
もはや呻き声を出すしかなかった。
「瑞希ちゃん、和樹の奴こんなの隠しておったで。」
由宇が意地の悪い笑みを俺にとばしながら瑞希に告げる。
瑞希は画面をのぞき込み、玲子ちゃんもそれに続く。
「・・・。」
余りもの事だったか瑞希達は絶句したようだ。
同棲1日目にしてこれか?
俺は関西弁を話す小悪魔を一生呪うことになりそうだ。
「な・・・。」
瑞希がようやく声を出す。
さぁ、詰るだけ詰ってくれ。
そっちの方がまだ気が楽だ。
「なーんだ、良かった。」
・・・へ?
瑞希の発した言葉は意外なものだった。
由宇にしても同じだったのだろう。
ポカンとした顔になっている。
「み、瑞希ちゃん?良かったって、何で?」
「だって、隠していると言ったから、もっとすごい物かと思って。
犯罪とか関わっているような。
これだったらもう知っていたし、写真相手に浮気とかはないでしょ?」
「そ、そやけど・・・。」
さすがは瑞希。
でも、何時こんなの見つかったんだ?
「郁美ちゃんにメールを送るときに丁度届いたのよ。」
俺の顔を見て何が疑問だったのか分かったらしく、すぐ答える。
「千堂クン、相変わらずこんなの見てるんだ。」
玲子ちゃんがマウスを使い、どんどん次のページを見ていく。
こ、この娘は・・・。
以前、玲子ちゃん達がうちに集まったことがある。
その時に棚の奥にあったエロ本を探し出し、俺の前で読むという荒技を見せてくれた。
「まぁ、和樹クンも男の子なんだし、仕方ないよね。」
爽やかな笑顔を見せる。
他の三人の反応は色々あったけど、俺の心はこの一声に救われた感じだ。
そうだ、男の子だから仕方がなかったんだ。
うんうん。
だがそこで沈黙を守っていたあの男がついに動く。
「まだまだ甘いぞ、同志和樹よ。
このメールマガジンのリンクはただ裸のグラビアばっかりでは無いか。
漢ならばこれぐらいは行かないと。」
大志はアドレスを入力しEnterを押す。
そして表示されるのは・・・。
詠美と千紗ちゃんは泣き出し、
南さんは呆然となり、
玲子ちゃん達と瑞希はショックのあまり固まり、
あの由宇でさえ顔を真っ赤にした。
それほどハードな物が表示されたのだ。
そんな一同を見て、大志は1人高笑いをしていた。
この後、俺と大志は同類として白い目で見られることになる。
大志は気にしない様だったが、俺はしばらくの間、肩身は狭かった。 |