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『桜井あさひちゃん!?』
みんな一斉に驚く。
そりゃそうだろう。
誰も俺があさひちゃんと知り合いなんて思っていないから。
このことは瑞希でさえ知らない。
「同志和樹よ。おまえ何をした?」
「そやな、和樹にあさひちゃんから何かか届くなんて怪しい。
 これは何かあるで。」
「うむ。脅迫か、それともストーカー行為での嫌がらせか?」
「どーも脅迫の線が怪しいなぁ。
 和樹はあさひちゃんの家に忍び込んで、何かしたのかもしれん」
「むむむむむ、おのれ和樹め。」
『と言うわけで、何をしたか説明しろ。』
「今なら死刑のところを半殺しで済ませるぞ。」
「あさひちゃんにした罪は深いで。」
大志と由宇は俺の胸ぐらをつかみ揺さぶる。
「何で真っ先にそう言う発想が来る!!
俺が個人的に知り合いだったのが、そんなにおかしいことなのか?」
「当たり前だ。」
「和樹・・・。」
「瑞希、おまえからも何か言ってくれ。」
「・・・。何をしでかしたの、和樹?
償うことが出来ることなら警察に行って自首しましょ?」
いきなり泣き始める。
その隣で千紗ちゃんまで泣いている。
「俺は何もやっていない!!」
俺ってここまで信用無かったのか?
俺ってそんなに何かしでかしそうなのか?
「犯罪者はみんなそう言うんや。」
由宇は俺の肩をぽんぽんと叩く。
「さぁ、取り調べや。何もかも話した方が楽になるで?」
か、完全に犯罪者扱い・・・。
一方詠美はあさひちゃんから届いた荷物を開封し始める。
「おかしいわ、あの和樹にあさひちゃんからなにか届くなんて。
真相を確かめないと、このあたしの名が廃るわ。
そう、じっちゃんの名に賭けて。」
誰だ、おまえの爺さんって?
詠美はきれいに包装されていた荷物をビリビリと破る。
そして
「こ、これって・・・。」
中から出てきた物は・・・、
CDだった。
今度ファーストアルバムを出すという話を聞いていたが、
そのCDらしい。
そのCDが20枚入っていた。
全てサイン入りで。
そして1通の手紙が。
その手紙には、
引っ越し祝いには仕事の都合でいけないこと、
色々相談に乗ってくれたことに対しての感謝、
短期連載していた漫画の感想等書いてあり、
最後に
『私も和樹さんのお友達とお会いしたかったけど、
スケジュールが合わなくてすみません。
お詫びと言っては何ですけど、
今度出る私のアルバムを出来る限りの数集めたので、
それをお送りします。』
と、あった。
これを読んだみんなは、本物だと知り、
CDの方に行って分配し始めた。
それにしても、確かに以前この祝いに誘ったけど、
スケジュールの都合で断られていた。
それは仕方がないと思っていたのにわざわざ・・・。
やっぱりいい娘だよ、あさひちゃんは。
俺はしみじみそう思っていた。
背後では、サイン入りアルバムを全部持っていこうとした大志が、
由宇にはり倒されていた。
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