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| このこみパ開始までの36時間。 それは熾烈を極め、 俺のマンションは修羅場と化し、 最終的には阿鼻叫喚の地獄絵図となった。 気楽に参加すると言った玲子ちゃん達は、 自分たちが間違っていたことに気づいただろう。 なぜなら、玲子ちゃん達の考えていたコピー誌と、 由宇と考えていたコピー誌ではギャップがあったからだ。 普通こういったイベント直前に作るコピー誌というと、 直前に発表された最新のネタを扱った物や、 気楽にそれこそ趣味的に作った物だ。 だが由宇の場合、何事にも全力を出す。 妥協という物を一切許さず、 オフセット本として出しても何ら遜色のない物を目指す。 そして今回さらにそれに拍車をかけたのが詠美だ。 このコピー誌を作るのに俺をライバル視し、 今もてる限りの力を全てつぎ込んでいた。 そして俺はと言うと、 少しでも手を抜くと由宇のパンチが飛び、 詠美の罵りを受け、 挙げ句の果てに編集長からのお怒りを受けた。 そんな状況だったから、俺も全力を出さざる得なかった。 俺がこの時描いた題材は、時間もなかったので、 前の短期連載でページの都合上で削ったエピソード部分を描き、 由宇はモモちゃんを題材にお得意のパロディを、 詠美は春に出たRPGのアナザーストーリーを描く様だった。 ちなみに俺の担当は表表紙、漫画8ページ、後書きの計10枚。 由宇は目次カット、漫画8ページ、後書きの同じく計10枚。 詠美に至っては裏表紙、中表紙、イラスト1枚、漫画8ページ、後書きの12枚。 そして、彩ちゃん、玲子ちゃん達が各2枚で計10枚。 この彩ちゃん達が描く枚数が少ないのは、実力的なところと、 俺達のアシスタントをして貰うためだった。 流石にわずか1日程で、きちんとした漫画を8ページも描くのは不可能だ。 だからネームを考えている間に、各自の受け持ち部分を描いて貰った。 スミ入れ、トーン貼り、カケアミ等、 細かなところを彼女たちに任せることで、 俺達三人は、主だったところをどんどんと完成させていく。 この間、瑞希達は何していたかと言うと、 瑞希と千紗ちゃんは食事や飲み物を作り、 南さん、編集長、長瀬さんは仕事があるので家に帰った。 ただ、仕事が終わった後、色々とドリンク剤など差し入れを持ってきてくれた。 大志は何もしなかったとだけ言っておく。 また、この36時間の修羅場で、千紗ちゃんは家に帰らせていた。 もちろん千紗ちゃん自身は「千紗もお手伝いします」と言っていたが。 親父さん達が心配する事を考えると、これが一番よかったと思う。 ただこの千紗ちゃんを帰らせたことにより、 このコピー誌制作はまた新たな展開を迎えることになったのだが。 俺達の限界を超えたこのコピー誌作りは、 玲子ちゃん達が意識を失うこと3回、 詠美が泣くこと4回、 彩ちゃんがお花畑の幻想を見ること1回、 由宇がドリンク剤のチャンポンで異様なテンションになること2回、 俺が逃げ出そうとして由宇に殴られること5回の結果、 何とか原稿の完成を迎えた。 その時の開放感は言葉では言い表すことは出来ない。 後はコピーをしてホッチキス止めをするだけ。 だが俺達は燃え尽きたように眠りに落ちていた。 |
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