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有福喫遍天下(西部篇)

羊腸麺(青海・西寧) 一杯4元

 これを一杯食べるためにまた青海を訪れたと言っても過言ではないくらい、私の中で大ヒットした食品がこの料理。こいつを説明するには、まずあの露天市場のバザール的空気を説明せねばならない。そこで一軒やけににぎわっている大衆食堂があるのだが、その店先で、ジュージュー音を立てながら30度ほど傾けられた中華なべの中でラー油まみれになって表面カリカリの羊の腸詰めがいじくられている。注文すると、もう一方でグツグツ湯だった鍋に麺を一掴み放つのだが、この湯が曲者で、腸詰めも油地獄突入前に、この湯で何度も洗われるため、ただの湯がもうすでに羊のスープと化しているのだ。そこで旨みを吸い込んだ麺が盛られ、スパイシーな腸詰めがその上に乗る。ズズズッと啜ればイスラームの民に仲間入りしたような気に。西部独特の食文化を凝縮したようなこの一杯が恋しくなったら、またT151特急に乗っていることでしょう。

ザムバ(チベット・ラサ)一杯2元

 西蔵農民たちの主食といえば、このザムバ。物珍しさに挑戦しに来る旅行客は多いようだが、実際に入れ込み、帰りに数キロ分の袋を担いでチベットを下りた人間は私を含めてもそれほどいないのではないか。地元でとれるハダカムギの粉末を炒って乾燥させたもの(写真右)で、バター茶(同左)を注ぎ、手で少しずつ練り上げて食べるのだが、練っていく過程で粘りが出てくるため手が疲れるのと、それだけ手間隙かけて出来上がったものがそれほど美味いともいえない(らしい)ためか、連れの二人は茶碗半分でギブアップしてしまった。私はといえば、これにはまり、しかもシガツェのラマ僧の住居でご馳走になったザムバ(氷砂糖と干葡萄入り)がどうしても忘れられず、一袋を担いで下山、8月中はこれの研究に没頭し、消化器官も順応、近々ザムバ教室設立か(?)というほどであったが、備蓄があと2日分しかないため延期されている。

ヤクステーキと付け合せ(チベット・ラサ)ご馳走になる

 高山地帯の貴重な移動手段・ヤクだったが現在では牧場もあるらしく、食肉源として安定供給されつつあるようだ。実際この一帯では青海省の工場で作られたヤクジャーキーが一山越えてこのラサのビーフジャーキー市場を占拠しているし、洋食屋ではこうしてステーキ(写真手前)となって食卓に並ぶようになっている。外地人、というより、完全に外国人向けにアレンジされたこのステーキ、ラサビール(同奥)との相性は最高!といいたいところだが、意外に筋が多く、普通のナイフではちと歯が立たない。これを「さすが野性味あふれる抵抗の仕方だ」と認めちゃうのがラサ滞在者の甘いところか。普通の牛肉と比べ、蛋白質など各種栄養素の含有量が高いことが分かっており、遊牧民たちが冬を越すには欠かせない食品であるが、こうしてグルメ志向に走った場合、そのうち子ヤクなんかに白羽の矢が向けられることになりはしないかとやや心配。

麻辣tang(チベット・シガツェ)一人6元

 チベット突入準備期間中から聞いていた話だが、チベットには四川料理屋が多い。しかも半端な数ではなく、通りに面した料理屋で、「東北餃子館」「蔵餐」などの地名付きの店以外は全て四川料理屋だと言ってもいいほどだ。地理的関係を考えれば当然なのかもしれないが、出稼ぎや商売でこの地に群がった彼らの言葉、習慣などがそのまま漢族全体のものとしてチベットに広まっている感がある。この店の売りである麻辣tangも四川の名物。客は店先に並んだ野菜、肉団子、豆腐など10数種類の食材から自分の好みで数種を選択、席について待つ。待っている間、茶やビールをすすりながらあれこれ談義を交わす。やがて向こうから、激辛スープに浸かって煮られること10分あまり、すっかりアツアツになった具材たちが皿に盛られて次々と運ばれてくる。それらにパクつきながら、ふうふうひいひい言いながら、またあれこれしゃべくる。これが本家本元の麻辣tangの楽しみ方らしい。

手作りロースー麺(四川・道孚)一杯4元

「一皿入魂」などという広告をどこかで見たことがあったが、このロースー麺はまさに「一杯入魂」の作と言っていい。川蔵北線をひた走ること2日と5時間、空腹も極限を向かえた我々一行を道孚で待っていたのは、まるで提携していたかのような一軒の民宿であった。「さっさと注文しろ」という勝ち誇ったような態度とその価格に耐え切れず、店外で暇をつぶす私に相棒・李星池が教えてくれた。「向こうにも店があったぞ。」メニューも台所もないこの食堂は老夫婦が二人で経営していた。ロースー麺を作ってもらうことに決まると、主人は店先の炉に薪をくべて湯を沸かし始めた。やがて二人はそれぞれロースーと麺とを分担し、軽妙かつ息の合った作業でパーツを作り上げた。面の茹で上がる時間ちょうどにきちんと具も炒め終えたのである。東北から来た私のために辛さを抑えてくれた独特の四川スープに大盛りの麺とロースーが載って出来上がり。腹の底まで染み渡るようなその味にうっかり泣きそうであった。勘定時に4元だと言い張ってきかなかったにのも又感動。

水餃子(四川・康定)一皿6元

 四川西部最大の町・康定は、多種多様な民族文化の渦巻く不思議な場所であった。このようなところに来ると、普段の自分の視野の狭さに改めて気付かされるものだが、今回ここでは「餃子のたれ」をめぐって、相棒・李星池と熱い議論が交わされた。北方ではニンニクしょうゆベースで、そこに好みで酢、ショウガが入るが、ここ四川では唐辛子油+しょうゆがポピュラーで、そこに黒酢を加える場合もあるらしい。「なぜそこまで辛さにこだわるのか」重慶出身の彼には愚問としか聞こえず、「美味いから」と一言。話は鍋貼と呼ばれる焼き餃子にも及んだが、北方南方ともに「餃子」のたれをこちらにも頑固に流用している。一方、日本では「焼き」にはラー油をドバドバとぶっ掛けるのに対し、「蒸し」「煮」にはそれほどラー油信仰は強くないように感じる。これはなぜか?そもそもラー油って焼き餃子以外に使ったことがあっただろうか。日本の焼き餃子だけが中国の南方から入ったということになれば説明がつくが…話が人類文化学の歴史的変遷に及びそうだったので、先にその物議を醸し出しているブツを腹に入れることにした。

弁当(四川・成都)一盛り4元

 三週間にわたる流浪の旅に終止符を打つべく、四川の成都から列車で帰ることにした私であったが、そんな中でただ純粋に腹を満たすために買ったこういう弁当の中にもきらりと光る一品が隠れていることが有ったりするものなのだ。それはこの弁当の中では麻婆豆腐、厳格には、それに使われている豆板醤であった。香りがまず別格である。鼻腔から一気に唾液腺を刺激してくる。そして豆板醤の粒々を噛み潰すときの、塩味だけではない複雑なアミノ酸の結合による深い味わい。こんな旨いものを彼らは毎日涼しい顔をしながら食べているのか!と思いながら、バスターミナルのベンチで必死にかき込むのであった。今思えば、これが四川の省都・成都で食べた唯一の四川料理らしい四川料理であった。まあうまかったからいいけど、今度は事前にしっかりと消化器官を鍛えるなどしてから、正式に訪れ、もっと旨いものにありつきたいもんだ。

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