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真・Water Gate Cafe

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 ――新宿区、中央公園――。

 既に日付も替わっており、人通りも絶えて久しい公園内を一人の女性が走っていた。
 女性が走った後には、粘り気のある赤黒い液体が点々と跡を残しており、その染みは次第に大
きくなっていた。
 もつれる足を必死に動かし刻一刻と迫り来る「もの」から逃れようとするが、傷口からの出血
の量に比例して、彼女の体力も逃げる速度も、緩慢だが、確実に衰えていった。
「だ、誰か……。誰か――――ッ」
 文字通り血を吐く様な悲痛な叫びを上げた時、彼女は転倒した。
 苦痛と恐怖に苛まれながらそれでも立ち上がろうとした時、背後で砂利が鳴った。
 その音を聞き、思わず振り向いた彼女の目に映ったのは、月明かりを受けて鈍い輝きを放つ、
一振りの刀だった。
 振り上げられた白刃を見た時、金属的な悲鳴が彼女の口から放たれた。同時にそれが、彼女の
生涯最後の言語活動となった……。

 ……風が雲を払い、月が再び天空に現れた時、血泥の中で倒れ伏す女性と共に、一人の男の姿
を照らし出す。
 男は赤黒く塗装された刀を握り締めたまま、木の根元に座り込み、そして意志や感情といった
物が欠落した、まるで剥製のガラス玉のような瞳で眼前の光景を見つめていた。
 不意に呻く様な声を洩らすと、その視線が虚空を見据える、その先には新たな人影があった。
 その人影は、目の前に広がる凄惨な光景をまるで気にした様子もなく、陶然とした口調で話し
出す。
「素晴らしい……。数百年(あまた)の時を越え――今なお衰えることを知らぬ切れ味よ……。
そればかりではない。その刀身は紅の鮮血を浴び、芸術品の如き、眩耀さを増しているではない
か……」
 刀を持った男が、熱病にうなされる様な声を出すのを聞きながら、言葉を続ける。
「天海よ……。常世(とこよ)の渕で、見ているがいい。貴様が護ろうとしたこの街が、混沌に
包まれていく様をな。貴様の街は、ヒトの欲望によって滅ぶのだ……」
 そこで始めて人影は男の方を見た、唇の端がつり上がり、兇々しい笑みがこぼれる。
「さあ……殺し、引き裂き、更にその身を朱に染めるがいい……」
 喉で笑うと身を翻す、と同時に、その姿が闇の中に溶け消える。
「うッ……、うおおおぉぉぉぉッ!!」
 男の上げた狂気の叫びが辺りに響き渡り、振り下ろした刃から飛散した液体が、月光を受け、
妖しく輝いた。
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「異伝・東京魔人学園戦人記」〜第三話「妖刀」其の初
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 ――放課後、3−C教室。

 ……それは、旧校舎の異変から数日後の事だった。
 帰りのHRが終わると、皆一斉に席を立ち教室から出ていく。俺もそれに続こうとした、その
時、醍醐が話しかけて来た。
「やっと、今日の授業も終わったな。どうだ、風間。もう学校には慣れたか?」
「ああ」
「そうか、高校最後の一年間だ。お互い、悔いのないように過ごしたいものだな。実はな――」
 そこから先は声のトーンを落とし、囁く様な声を出す。
「この間の旧校舎の件もあるし、お前の事も心配してたのさ。美里もあの時以来変わった様子は
見られないし、京一も桜井もいつも通りだしな」
「……人の心配もいいが、お前自身はどうなんだ?」
「おれか? おれもまあ、似たようなものだ。それよりも……。風間、聞きたい事があるんだが
――いいか?」
「なんだ」
「旧校舎でおれ達が光に包まれた時、お前が何かに思い当たった様な表情を浮かべた所を一瞬、
おれは見たんだ」
「それで?」
「あの時起こった事情の全てとは言わないが、少なくともおれ達よりは多く、何かを知ってるん
じゃないのか?」
「…………」
 その問いかけに対して沈黙で報いた俺に対し、醍醐が更に言葉を続けようとした時。
「よっ、御両人。ちょいと、相談があるんだけどよ」
「なんだ、京一か」
「なんだとはなんだよ、ご挨拶だな……」
 不意に京一が話に割って入った為、醍醐はそれ以上の追求をいったん諦めたのか、俺と京一の
会話に加わった。
「相談ってなんだ、京一? ま、お前がそういう顔をしてる時は、大体ロクでもない事を思いつ
いた時だろうがな」
「言ってろよ。オレはただ、そろそろ花見の季節だなァ、っと」
「……だから何なんだ」
「舞い散る花びらを見上げながら、風間と友情について、熱き語り合いをだな――」
「……その本音(ココロ)は?」
「いやぁ、さぞかし酒がウマイだろうなァ……」
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「…………京一、お前な……」
 しばらく沈黙した後、心底呆れた表情と声で、醍醐はそれだけを言った。
「まァまァ。相変わらずおカタイなあ。真神の総番殿は」
「お前がやわらかすぎるんだッ。酒は健全な肉体だけでなく、精神まで鈍らせる。京一、お前も
武闘家の端くれなら、そのくらいの事はわかるはずだ」
 醍醐のその言葉を聞いた京一は鼻で笑う。
「あいにく、酒で鈍るほど、オレの腕は悪くないんでね」
「……そういうのを屁理屈というんだぞ、京一。大体、おれ達は高校生だ。社会的、道徳的にだ
な――」
「社会や道徳で、宴会ができりゃ苦労しねェよ」
 京一を諭そうとした醍醐だが、その台詞を聞き、さすがに怒り出した。
「それが屁理屈だといってるんだッ!!」
「なんだよ。じゃあ、風間にも聞いてみろよ」
 京一の言葉に小さく唸ると、醍醐は俺の方を向く。
「お前はどうなんだ、風間。高校生が、酒なんて、もっての他だとおもわんか?」
「飲りたい奴は勝手に飲ってろ。俺は興味も関心も無い」
「お前には、関係ないか」
「なんだよ、お前……もしや下戸か? だったら、今度オレが――」
 そこまで言った所で、醍醐が京一を軽く小突いた。
「お前も、調子に乗るな。ともかく……、駄目なもんは駄目ってことだ」
 強い口調で言い切る醍醐を見て、京一が舌打ちした時。
「まったくもう――、見てらんないよッ。ホント、子供(ガキ)なんだから、京一は。欲望(ほ
んのう)のおもむくままだもんねッ」
 そう言いつつ、桜井が現れた、その隣には微笑を浮かべた美里が立っている。
「なんだよ、二人ともいたのか――」
 二人を見やりながら京一が言う。
「さっきから、いたよッ。ボクと葵と……美女が二人も。ねェ〜、風間クン?」
 ――その問いかけに対し、「誰のことだ」などと無神経な事を言うつもりは無かったが、積極
的に同意を示す気にもなれなかった――のも、また確かだった。
「……なぜ俺に振る?」
「……冗談のわかんないヤツ」
 そこに京一が茶々を入れた。
「いや――、風間はウソのつけない素直な奴だからな」
「もういいよッ。フンだッ」
 えらくヘソを曲げた桜井を見て、醍醐がなだめに入る。その後で、一つの提案をした。
「どうだ、みんなで花見に行かないか? 中央公園も、もう満開だろうし」
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「おお、それそれ」
 醍醐の言葉を聞いた京一がまず賛意を現し、
「うん、いいねっ」
 桜井もそれに同調した後、やおら、
「焼きとり、焼きそば、お好み焼き、おでんにたこやき、それに……」
 と、食い物の名を連呼し始める。桜井のその姿を見て、京一が冷やかす。
「うんうん。花より団子って言葉は、お前のためにあるようなモンだ。いいよなァ、お気楽星人
は」
 京一の台詞を聞いた桜井は、思いきり舌を出した。
「花を見ながら、屋台の食べ歩き。これが花見の醍醐味だろ? それにきれいな桜に食欲も増す
ってモノさ。ねッ、葵」
 と、傍らに立つ親友に話しかけるも、返事が無い。
「葵ってば」
 もう一度呼び掛けて、ようやく気付いた美里は、
「え? ええ、そうね……」
 と、ひどく歯切れの悪い返事を返した。
「どーしたの、ボーっとして」
「うッ、ううん。なんでもないの。ちょっと考えごとをしていただけ」
 心配そうな視線を向ける桜井に、美里はそう取り繕うと、さらに言葉を続けた。
「中央公園はきっと、夜桜もきれいでしょうね。みんな、どうかしら。風間くんの歓迎会も兼ね
て」
 その言葉を聞いた時、三人が『あ』と声を揃えて言った。
「そうそう、そういえば、やってなかったじゃねえか、歓迎会」
「うむ、たしかにな」
「ボクも賛成!」
 ――話が妙な方に向いてきた。俺自身は今日辺り、例の骨董品店にもう一度行ってみようと考
えていたのだが。
「ところで、風間。お前の歓迎会なんだから……もちろん来るよな?」
「……俺は人混みとか大勢で騒いだりするのは苦手でね、悪いが遠慮する。花見なら、かわりに
隣のクラスの『物好きのお調子者』でも誘ってやったらどうだ?」
「なんだよ……、行かねェのか? せっかく美里が、お前の歓迎会やろうっていってんのによ」
「そんなこといいのよ、京一くん。風間くんが行きたくないのなら……」
「行かなきゃならん所が有るんでね、俺は帰る」
 京一と美里の会話を聞きながら、鞄を手に席を立った時。
「もうッ、葵は消極的過ぎるよ。こういうときは首に縄付けても連れていくのッ!!」
 強い口調で言い切ると、俺の方を見る。
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「風間クンも風間クンだよ。ボクたち、お互いのコト、まだ、よく知らないんだからさ。今日は
みんなで楽しくやろうよ。それに今日中に行かないとだめって所じゃないだろッ。だからさッ、
一緒に行こッ!!」
「……………………(ため息)」
 俺が鞄を机の上に置き、椅子に再び腰掛けた時。
「面白そうな話してんじゃない、あたしも混ぜてよッ」
 噂をすれば……という奴で、くだんの『物好きのお調子者』が現れた。――『噂』をしたのは
俺だ。もしかしてこれは――『自爆』というやつなのか――?
「ア、アン子!! なんでここに……?」
 京一がおおげさに驚き叫ぶ。
「あーら、そんなコトどーでもイイじゃない。だって風間君の歓迎会だもん。あたしにも、参加
する権利はあるわよ。ねェー、風間君?」
「勝手にしろ。どうせ断ったところで、何のかのと理屈をこねて、付いてくるんだろ」
「……なんかトゲのある言い方ね……」
「気のせいだ」
「ま、いっか、一応参加は認めてくれたし。お礼にこれあげる」
 言うと「真神新聞」と書かれたガリ版刷りの紙をよこした。
「必要ない」
「まあ、そう言わず受け取ってよ、ささやかな謝意のあらわれなんだから」
 押し付けてくるそれを、仕方なく受け取った。
「風間、イヤならイヤとはっきりいった方がいいぞ」
「京一ッ! アンタ余計な事言うんじゃないわよッ!! とにかく、花見に歓迎会!! 行かな
い手はないでしょ」
 勢い、そう言い切る遠野に根負けした京一が舌打ちした。
「ったく、しょーがねェなァ。お前がいると、またなにかロクでもないことが起きそうだぜ」
「あら、失礼な奴。有能なジャーナリストは、己が本能の赴くままに行動するの。あたしが事件
を起こしてるんじゃなくて、事件の方があたしを求めてやって来るのよッ」
 ――こういう発言を平気でする辺り、この御仁の辞書には「反省」とか「後悔」、「節度」や
「自省」などと言う言葉は載ってないが、代わりに「無責任」「無反省」「無鉄砲」「無思慮」
「無節操」「無分別」なんて言葉は金縁ち付きで印刷されているようだ。
 つい数日前に、あれだけの騒ぎを引き起こした張本人だ、という自覚も反省も無い、この言い
草。この御仁の神経は、超弩級戦艦『大和』の主砲より太いかもしれない。――ある意味、羨ま
しい性格と言うべきなのか? 少なくとも、世の中楽しくはあるだろう。
「はははッ、物はいいようだな」
「チッ。やってらんねェぜ。まったく」
「ふふふッ……」
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 三者三様の反応はあったが、反対者無しと判断した桜井が、笑顔で宣言する。
「それじゃ、一人追加の上、全員参加決定!!」
「……アルコールは抜きだがな」
 それを聞いた京一は不機嫌な顔になる。
「しつけーぞッ、醍醐。ったく、保護者ヅラすんなよな」
「何とでもいえ。お前のあきらめの悪さをおれは、よーく知っているからな。ジュースに混ぜて
でも持って来かねん」
「かーッ、信用ねえのッ」
「あッ、だったら先生も呼べばいいじゃない。マリア先生なら、きっと来てくれるわよ」
 遠野の声に京一は思わず叫び、そして醍醐は大きく頷く。
「なるほどな、まさか先生の前で酒は飲めまい」
「そ、それはそうだがよ……」
「何よ、京一。アンタ、何か都合でも悪い事あんの?」
「い、いや。別に……」
 遠野に突っ込まれ、しどろもどろになる京一。
 この態度からすると、どうやら『ジュースに混ぜ……』云々を、本気で実行するつもりだった
らしい。
「だけど、せっかくの花見が教師の引率で、かよッ。ちょっと制約多いんじゃねェか? なァ、
風間。雰囲気悪ィよなッ?」
「まあ、確かに学校終わってまで、教師なんぞと顔を突き合わしたくはないな」
「そうだよな、オレ達高校生だぜ? 幼稚園の遠足じゃあねェんだしよ」
「でも、マリア先生ならそんな事はないと思うわ。お酒はダメだけど、私たちと一緒に楽しんで
くれると思うの」
「確かに、オレもマリア先生は嫌いじゃねェが。けどなあ……」
 美里が穏やかな口調で渋る俺達にそう言ったが、京一は不満げな表情のままだ。それを打ち切
るように、遠野が軽く手を叩いた。
「はいはい。もう決まりッ!! みんなでマリア先生を呼びに行きましょ」
「アン子ッ。なんでお前が仕切んだよッ」
「京一(アンタ)がグダグダいってるからよッ。さッ、こういうのは放っといて、行きましょ、
みんな」
 醍醐が頷いて、京一に同意を求め、京一は折れた。
「しゃあねェ……。マリア先生も巻き込んで、どんちゃん騒ぎと行くかッ」
「ただし、お酒はダメだからね」
「しつこいんだよッ!!」
 なおも言う桜井に京一が怒った。
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「ハイハイ。それじゃ、はやく行こッ」
 一番に歩きだした桜井がドアの前に立った時、いきなり戸が乱暴に開かれ、入って来た人物に
桜井はぶつかった。
「いてててッ……。どこ見て歩いてんだよ……」
 謝りもしない相手を見て、桜井が不快げな表情になる。
「あッ……」
「佐久間……」
 遠野と醍醐がほぼ同時にその相手の名を呼んだ。
「あんた、いつ退院したの?」
 遠野のその問いかけに答えない佐久間に、醍醐が近づく。
「まァ、何にせよ良かった。部の方は、体が慣れるまでは休んでもかまわんぞ。見学しててもか
まわんが、ジッとしてられんだろうからなァ。……そうだッ。なんなら、イメージトレーニング
を始めるのも――」
 そこまで醍醐が言った時。
「うるせぇッ! 俺に近寄んじゃねェ!!」
「佐久間……」
 醍醐が見せた気遣いを土足で踏みつける様な態度に怒声を上げたのは、醍醐当人ではなく、京
一だった。
「てめェ!! なんだそのいい方はッ!!」
 だが佐久間は醍醐も京一も見ていなかった。奴の視線の先にいたのは――。
「風間……」
「なんだと……?」
「風間……。俺ともう一度、闘え……」
「佐久間くん……」
 それを聞いた美里が眉をひそめて、それだけを言ったが、奴は聞こうともせず、敵意と悪意、
憎悪の込められた視線で、俺を睨み続ける。
「やるのか、やらねェのか、どっちなんだ……」
 ――本人は睨みと凄みを効かしているつもりだろうが、俺にとってはこの程度のどう喝など、
正直『笑止千万』、侮蔑と冷笑の対象にすら、なりえない。実際、危険水準を遥かに下回る敵意
など向けられた所で、どれ程の事があろうか。『論評に値せず』、ひらたく言えば『話にならな
い』。せいぜいが夏場の生ゴミ入れから漂う悪臭程度でしかない。
 奴の言葉に対して、俺は態度で答えた。
 手で奴の視線が向いていた辺りを軽く払った後、一言も喋らず、視線を向けようともせず、教
室の外へと出る。
 無視された奴が、唸るような声を出した。
「逃げんのか、てめェ……」
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「バーカ。てめェとやったところで、風間が勝つに決まってんだろ」
 京一が嘲る様な調子で言うのに合わせて、足を止めた俺は振り向かずに言い放つ。
「助っ人がいたから負けたとか、油断があったからなどと思って居るのだろうから、あらかじめ
言っておいてやる。何度やろうと結果は同じだ」
「なんだとォ……」
 振り向くまでもなく、奴の声と顔、両方に怒気が高まるのがわかった。
「止めろふたりともッ。私闘なら、俺が許さんぞ」
「私闘?」
 その言葉に俺は振り向いた。
「動物園の猿山の猿程度のメンタリティーしか持たん相手に、私闘などと不愉快な言い方はやめ
て欲しいな」
「てめェッ!!」
「止めろッ、佐久間! 風間も佐久間を挑発するなッ!」
 再び急速に危険度を増す空気、それが爆発する寸前に、醍醐が止めに入る。
「けッ。そうやって親分風を吹かしてられんのも、今の内だぜ。風間の次には、醍醐――てめェ
をやってやる……。いつも、俺の前ばかり歩きやがって……」
「佐久間……」
 舌打ちした後、教室を出ていく。
 醍醐が声を掛けたが、無視し、そして俺の前を通った時低い声で言った。
「おぼえてろよ、てめェ……。必ず後悔させてやる」
「出来る物なら、どうぞ。願わくは、俺が老衰で亡くなる前にな」
 廊下に唾を吐き、奴は立ち去った。
 その後ろ姿を見て、京一が俺と醍醐に話しかけて来た。
「ますます、卑屈になってやがんな、佐久間(あのアホ)。ま、醍醐も風間も気にすんなって。
どーせ、ひとりじゃなんにもできやしねェよ」
「あッ、あァ……。しかし、風間。お前も少し言い過ぎだぞ。余計な事かもしれんがもう少し、
口を慎んだ方が良い。あれでは怒って当然だ」
「そうだな、今後、少し慎むとしよう」
「ほらほら、二人とも、話はそれぐらいにして、早いとこ花見でも行って、どんちゃん騒ぎしよ
ーぜッ」
 京一にうながされた俺と醍醐は教室を出て、すでに廊下から階段へと向かっている女性陣の後
を追った。
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