丘の公園の温泉施設とオートキャンプ場の工事が急ピッチに進んでい た。その工事現場周辺に置かれた県企業局の看板に書かれた、受注企 業体の名前を見ながら、これらの開発が県民の健康という美名をだし にした、企業体のための企業体による企業体の開発であると確信でき た。
温泉及びオートキャンプ場からの排水の行く先は、ごく自然に処理さ れるなら、自然の摂理で地形上、距離的にも真下にある大門ダムに流 れて行くだろう。もし、そうであるならば、企業局のしていることは、 犯罪だろう。なにも、県が温泉開発をオートキャンプ場開発をする必 要も、要請もないからだ。
健康なんてものは、県や国に依存するものではなく、個々個人が特別 の施設や器具を必要とせずに、家の中での腕立て伏せや、ちょっとし た散歩で実現されるべきもので、そんなに税金の使い道に困っている なら、オイラにくれや。
さて、問題の清里バイパスの工事現場に向う。車や、免許がないので 歩いて。良い運動になるから、立派な健康施設なんか必要ないんだ。
工事は小海線の北側に入り、小海線との立体交差工事も間近だ。工事 現場を南に向って歩いてみる。東に隣接する冬期休業中の丘の公園ゴ ルフ場を、西に連なる南アルプスの甲斐駒ヶ岳を、背に雄大な八ヶ岳 の山塊を感じながら、川俣川に架けられる建設中の橋に向って歩く。
沢の頂上部分を走るこのバイパスについての問題点、疑問点は、既に 書いた。現場で見れば見るほど、その沢の全滅ぶりは驚くべきもので、 「八ヶ岳ジャーナル」という太鼓持ちが書く、自然環境への配慮とは 何をさすのか、その記事を書いた人間に聞いてみたいものだ。
ここで起きている景観破壊と自然破壊は、今、勝沼で問題になってい る農道開発計画と比べても比較にならぬほどの破壊が、既に実施され ているにも関わらず、クリーン宣言を持つ地域からも、その地域を特 権的に報道してきた新聞社(朝日新聞甲府支局)も、何一つ言及しな いという不真面目さ自堕落さに、ただ呆れるのみだ。
清里の大半が県有地という中で、県のやりたい放題の開発行為を誰も 阻止できない。どこかでチェック機能が働くべきなのに、議会もマス コミ・ジャーナリズムも機能不全に陥っている。
カモフラージュとも言うべき県の機関である環境教育の組織に、その ことを言うだけ無駄だからもう言うまい。灯台もと暗しとはよく言っ たもので、その組織の目の前をその道路が貫通していくのだから、た だ笑えばいいのだ。
以上の文を書いた翌日(3月12日)の朝日新聞山梨版には、県企業 局の広告とも言える『アクアリゾート清里』の温泉施設の紹介記事が 載っていた。
これ以上、増やしてはならぬ下水を多量に排出するだろう施設を、明 らかに大門ダムの真上にあたる地形上に平気で開設する企業局が犯罪 的であるなら、ジャーナリズムの権力へのチェック機能を行使するど ころか、その企業局の犬になり、宣伝屋に成り下がった朝日新聞甲府 支局の堕落ぶりは、ジャーナリズムの風上にも置けない。