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第 10 章 スタイル、書式、色の管理

セクション 5   スタイル、シェイプ、ファイルの色の管理

マスタシェイプを設計する場合、ユーザーの環境でマスタシェイプの色がどのように表示されるかを考える必要があります。シェイプには、Visio® のカラー パレットの色、独自に定義した色のどちらでも設定できます。図形を別の図面で使用した際、その表示は使用されている色の選択方法によって異なります。シェイプに色を適用するには、次のようにします。

このセクションの内容...

カラー パレットの編集

複数の図面で使用するカラー パレットの標準化

数式によるユーザー設定の色の定義

カラー パレットの編集

カラーパレットは、[カラー パレット] ダイアログ ボックスに表示される他、[塗りつぶし]、[線]、[フォント]、[テキスト ブロック] をはじめとするダイアログ ボックスの色のドロップダウン リストにも表示されます。Visio のデフォルトのパレットを使用した図面では、同じカラー インデックスの色は同じように表示されます。0 が黒、1 が白、2 が赤といった具合です。

ただし、ユーザーはカラー パレットを編集し、任意のインデックス上に任意の色を表示させることもできます。ユーザーがパレット上の色を編集すれば、そのインデックスにマップされている色も変更されます。たとえば、パレットで赤をクリックしてマスタシェイプを赤く塗りつぶすと、そのシェイプの塗りつぶしの色は [2] と記録されます。この赤いマスタシェイプのインスタンスを、カラー パレットのインデックス 2 が編集されている図面上に作成すると、インスタンスは図面のカラー パレットでインデックス 2 に定義されている色で表示されます。

図面のカラー パレットを編集するユーザーはほとんどいないため、色がこのように変更されることは滅多にありません。しかし、ユーザー設定の RGB 色か HSL 色を使用すれば、図面のカラー パレット設定が異なっても色が変化しないように設定可能です。数式としてユーザー設定の色を指定するには、RGB 関数か HSL 関数のいずれかを使用します。これらの関数の詳細については、「数式によるユーザー定義の色の定義」を参照してください。

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複数の図面で使用するカラー パレットの標準化

テンプレートで開くステンシルを設計する場合、すべての図面で同じカラー パレットを使用する必要があります。カラー パレットが一致していない場合、マスタシェイプのインデックスで定義された色のインスタンスを図面にドラッグした際に、ドラッグ先のパレットの対応するインデックスの色で表示されます。ステンシルやテンプレートなど、同時に開かれる図面で使用するカラー パレットを標準化するには、1 つのファイルで使用したカラー パレットを他のファイルにコピーします。

ステンシル ファイルのカラー パレットを編集する場合、この色をテンプレートにコピーすることができます。

ステンシルのカラー パレットをテンプレートにコピーするには

  1. テンプレート ファイルを開きます。
  2. [ツール] メニューから [カラー パレット] を選択します。
  3. [既存のカラー パレットを選択] では、テンプレート ファイルにコピーするカラー パレットが含まれているステンシルを選択し、[OK] をクリックします。
  4. 図形は必ず保存してください。

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数式によるユーザー設定の色の定義

RGB 値または HSL 値を指定する関数を使用して、シェイプの色を定義することができます。停止記号のシェイプが常に赤になるようにするには、[塗りつぶしの書式] セクションに次のような式を入力します。

FillForegnd     = RGB(255,0,0)

RGB 関数の 3 つの引数で、赤、緑、青の成分を指定します。引数はそれぞれ 0 〜 255 の範囲の値にします。HSL 値を使って色を指定するときは、[FillForegnd] セルに HSL(0,240,120) のような数式を入力します。関数構文の詳細については、Visio 製品付属のオンライン ヘルプ「開発者用リファレンス」 ([ヘルプ] メニューから [開発者用リファレンス] を選択)」で「HSL 関数」または「RGB 関数」を検索してください。

関数の引数に色の定数を指定するのではなく、RED、GREEN、BLUE か、HUE、SAT、LUM の各関数を使用することもできます。この関数は、図形のカラー パレットや他のセルから色の定数値を返します。停止記号の例では、RED (FillForegnd) は 255 を返します。この値は、塗りつぶしの色で赤の成分に該当します。

RGB 関数や HSL 関数を色に関する他の関数と併用し、他のセルの色に基づいてシェイプの色を定義できます。類似の色を使用しているシェイプのグループで使用すると便利な定義方法です。グループ図形の場合、グループに含まれる 1 つの図形の色を基準にグループ全体の色を定義できます。たとえば、グループで 1 番上の図形が「星 7」だとすると、「星 7.2」に次のように入力することができます。

FillForegnd     = RGB(RED(Sheet.7!FillForegnd),0,0)

グループに新しい色が適用されると、1 番上の図形では色自体が変わりますが、「星 7.2」では塗りつぶしの色の赤の比率だけが変化します。

RGB 関数または HSL 関数を使用してユーザー定義の色を指定すると、この色は、[塗りつぶし]、[線]、[文字の書式] など色を割り当てることができるダイアログ ボックスで、色のリストの一番下に追加されます。ユーザー設定の色が使用されている図形からマスタシェイプを作成し、そのインスタンスを他の図形にドロップすると、その図形の色のリストにもユーザー定義の色が追加されます。

ユーザー設定の色は、その色が使用されている図形でのみ保存されます。ユーザー設定の色を使用した図形を削除し、図面を保存して閉じると、同じ図面にその色を使用する他の図形が含まれていない限り、図面を次に開いたときにその色はリストに表示されません。

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