ゼンマイの動力は、歯車で伝えられます。ゼンマイがついている軸（一番軸）からドラムの軸（二番軸）へ、さらに三番軸・四番軸を経て調速器の軸（五番軸）へと伝わります。
　呼び方はともかく、要するに全部歯車でつながっています。たとえば、調速器をおさえてみてください。ドラムも止まります。
　また、二番軸以降は伝達の度に増速されるようになっています。調速器はドラムのおよそ700倍の回転数になっています。特に、最終段階では「ウォームギアの逆伝動」という荒技を使って増速しています。（→資料「歯車」）
　歯車の基本ですが、増速するたびに回転力は弱くなります。ドラムをおさえて回転を止めてみてください。…できませんね。ドラムは調速器よりはるかに強い力でまわっているのです。
　逆に、調速器の弱い摩擦力はドラムの回転を強力に抑制します。