高野 善通の演歌の世界 まい べすと 演歌1

 

・ここに紹介されている演歌は、私の心に残る歌を列挙したものです。
 なお、順番は、私の好きな歌の順位づけではありません。

 

1.続・竹とんぼ  2.酒よ  3.エレジー〜哀酒歌〜  4.竹とんぼ  5.岩木川  6.明日に
7.山河  8.大阪  9.ありがとうの唄   10.北の五番町 まいべすと演歌2へ まいべすと演歌3へ   目次へ

1. 続・竹とんぼ〜青春(ゆめ)のしっぽ〜  堀内孝雄さん

 

 1998年に発表された堀内孝雄さんの「竹とんぼ」の続編。「竹とんぼ」と同様、台詞が入っている。「時代って変わっていくんだよな〜  俺も、お前も、青春(ゆめ)のしっぽにつかまって、もう一頑張りか〜」という言葉が、哀愁を感じさせる。しかし、これだけでは、「続竹」とはいえない。 冒頭に出てくる「ニュースです。東京大学の安田講堂では、依然、学生たちの投石と、機動隊による催涙ガスの応酬が続いており〜」のラジオニュースの件が あってこその「続竹」である。これがあるからこそ、台詞の「時代って変わっていくんだよな〜」も生きてくるのである。もちろん、一番と二番の間に出てくる 学生たちの怒号も必要。ところが、NHKなどで、生放送で歌う時など、ラジオニュースの件が出てこないときがある。テレビ東京系「演歌の花道」(筆者注・ この番組は2000年秋にて終了)でこの件が出てくるが、この歌は、CDで、このラジオニュースの件を聞いてもらおうという担当者の戦略が見て取れる。 この点は、非常にうまいと思う。

 

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2. 酒よ  吉幾三さん

 

 この歌は実に単純明快。単純にして耳に残りやすい。しかも覚えやすいということで、演歌入門者にとって入りやすい曲である。吉幾三さんのオリジナルの中で、 おそらくベストといってよい曲である。私が音楽ソフトを初めて取り扱ったとき、この曲を試しに入力したから、音楽の教材としても取り扱いやすい曲である (但し、小中学校の教材には使えないだろうが)。プロ野球の応援歌2曲分にあたる、一番たった16小節に、酒に対する思いが存分にこめられており、お酒を飲む とき、この曲のことを思い浮かべながら飲むと、また違ったお酒の味を楽しめるだろう。ちなみに、テレビでは、NHKの歌謡コンサートでたった一度だけ披露した、 「酒よ〜追伸〜」は良かった。「酒よ」とはまた違った情感を感じ取ることができ、シングルカットがあれば買ってみたい曲である。(筆者注・「酒よ」のカップ リングに追伸収録らしいです)

 

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3. エレジー〜哀酒歌〜  吉幾三さん

 

 この歌は、自分の若いころを回想し、懐かしみながら哀愁を感じて独り酒を飲むというシナリオの歌である。この曲を聴いていると、本当に暗い気分にさせられるので、 あまりヒットという点では今一つであったが、演歌おたくになると、この曲は本当にはまってしまう曲である。「思い出しゃ〜若い頃〜俺にもあったのさ〜」 の歌詞など、演歌おたくだけがはまってしまいそうな詞である(ちなみに私、このページ書いた時点で27歳です)。吉幾三さんのオリジナルの中でも、本当に演歌を愛する 人が聴くと、名曲だと感じることのできる曲である。

 

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4. 竹とんぼ  堀内孝雄さん

 1998年に発表された「元祖」竹とんぼ。1998年テレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」主題歌。発売当初は、台詞入りの歌として、かなり話題になった。 当時の普通の演歌とは違った、「夢よもう一度」的な歌詞が、リストラに苦しむ中高年の共感を呼び、その年の演歌部門で、第二位のヒットとなった。(第一位は、 「二輪草」川中美幸)冒頭の「今は、我慢しよう。俺たち、一緒に夢を飛ばしてきた、竹とんぼじゃないか」という台詞からも、何か、もう一度栄光の時をつかみたい という中高年の姿が、ひしひしと伝わってくる。まさに、「もう一度あの日へ、飛ばせ竹とんぼ」という心境であろう。そういう私の心境も、(まだ若い?男ですが) 「今は、我慢しよう。俺たち、一緒に夢を飛ばしてきた、竹とんぼじゃないか」

 

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5. 岩木川  吉幾三さん

 

 吉幾三さんのオリジナルの隠れ名曲。テレビ放映の時は、主に1番と4番を歌い、2番と3番を抜いて放映されることが多かったので、この曲の良さが今一歩伝わら なかったのが残念である。というのは、フルコーラスで歌うときは、1番が岩木川の春の情景を写し、2番が夏の情景、3番が秋、4番が冬と四季の情景を細かく 描写しているためである。しかし、フルコーラスで歌うと6分04秒もかかるとなれば、テレビとなれば、1番と4番というように編集せねばならないのもまた 事実というのもある。その他、1番から4番までの流れを見れば、自分の生きてきたふるさとに思いを馳せ、歌詞が自分の歴史を見るような流れになっている点も 秀逸である。私は、この曲を聴いて、懐かしさを感じるあまり涙してしまった。聴く人が聴けば、この曲のよさが本当にわかるだろう。

 

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6. 明日に  前川清さん

 

 前川清さんの最近の曲は、非常に物語的なところがあって聞いていて心が癒されるところがあるが、そのはしりとなったのがこの「明日に」であろう。 出だし、間奏中、エンディングに それぞれ「uu~wou~wou~」(?)というフレーズがあり、この部分が非常に心を癒す効果を出している。そのため、詩に スムーズに入れるという感じを持たせるところが非常にうまいと思う。もちろん、歌詞も聞いていて元気を出させる構成をしており、現代の、特に若者、 そして中高年、それも「男性」に対しての応援歌的な意味を持たせている。
 さて、この曲は、「ふるさと皆様劇場」(前川さんがメインパーソナリティの1人)でもカラオケコーナーでリクエストされたことがあったが、確か、 中学生くらいの少年がこの「明日に」をリクエストしたことがあった。実際、この「明日に」は、中学生でも歌いやすく、また、「演歌」としての違和感を 持つことも少ない曲だと思う。このような曲がヒットして、また、このようなファンが増えてくれれば、演歌も現在のような低迷の状態にはならないのだろ うが、なかなか露出が少ないのが悩みの種であるというのは致し方ないのだろうか?

 

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7. 山河  五木ひろしさん

 

 この歌は、五木ひろしさんの演歌の神髄を見た曲であると云える。小椋桂さんの詞に、堀内孝雄さんの曲がマッチして、五木演歌の最近の曲の中での大変な名曲に 仕上がった。もちろん、五木さんの歌の中では、他にも非常に名曲が多いが、最近ではこの「山河」が評価が高く、当然かなりヒットした。
 歌詞は、人生の流れや、現実の人生への想いを「山」と「河」に例えた秀逸なもので、人生を重ねた方が非常に好みそうな感じを受ける。曲に関しても、山と河を イメージした流れるような曲想が演歌ファンの心を引き付けたといえよう。曲と詩に関しては特に、玄人が好みそうな風流さが特徴あるといえ、真の演歌ファン必聴 というような曲だと思う。そのため、歌いこなすのが非常に難しく、カラオケマニア受けする曲といえそう。私も一回歌ってみたことはあるが、カラオケがヘタクソ な私では、とても歌い方をマスターするのは難しいという感じをうけた。
 さて、この歌の始めには、中国語による「入り」の台詞が入っているが、この部分も、ある演歌ファンによると、エピソードがある。という話を聞いた。従って、 この歌には、制作スタッフの「勝負」的気合が入っていたように映る。それだけの価値のある曲だろう。

 

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8. 大阪  前川清さん

 

 前川清さんの最新曲(2001年7月現在)。歌詞と楽曲がマッチして大阪のイメージを醸し出すニュータイプの現代的演歌である。大阪のイメージを映した歌 としては、谷村新司さんの「三都物語」が有名だが、同じようなイメージで見ることができるかもしれない。(JR西日本さん、新「三都物語」でこの曲使えない でしょうか??)
 さて、この歌は、私の提唱する「ふるさと演歌」「作詞作曲に歌手自身がからむ(今回は前川さんは作詞担当)」「北の港町の恋物語からの脱却(完全ではない が)」の要素を兼ね備えている。今回の場合、作曲が都志見隆先生、補作詞が岩井薫先生というメンバーだが、前川さんの場合、「神戸」も作詞・前川清、作曲・ 都志見隆というスタッフで作られており、斬新さを感じさせる構成が特徴となっている。「神戸」も「大阪」も曲調はマイナーであるが、「ふるさと演歌」を作る 場合において、マイナー調というのは、使い方を誤ると、そのふるさとのイメージダウンにつながる危険性もあるだけに、使い方が非常に難しい。しかし、どちら の曲においても、マイナー独特の「暗さ」を感じさせない躍動感のある曲調があり、特徴的となっている。おすすめできる演歌の1曲といえよう。
 なお、カラオケで歌う場合は、伴奏につられやすく、入り方が非常に難しいので、注意が必要かもしれない。

 

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9. ありがとうの唄  吉幾三さん

 

 吉幾三さんの作詞・作曲のオリジナル作品で、この曲は、2001年8月22日にアルバムからシングルカットされた。この曲からは、自身の過去を振り返り、 あらゆる人、ものに感謝の心を捧げるというストーリー構成になっている。楽曲も、感謝を捧げるという心がマイナー調のメロディーにマッチして流れている。 本当に、この曲を聴いていると、自分が「生きている」ということに対して、いろいろなものに感謝しなければいけないんだなぁという気持ちにさせられる名曲 だと思う。もちろん、私の提唱する、「パターン的」にはまってないのも好感が持てる。
 ところで、吉幾三さんの場合、2001年だと思うが、「歌手としては休業」のうわさも一部スポーツ誌などで流れている。本人は否定しているようだが、 そのうわさは、最近になって聞くようになった。本当にこれだけの才能ある歌手の方が「休業」するとなれば非常に残念である。特に、この「ありがとうの唄」 の場合、私にとっては、これまでの歌の集大成的な歌詞、メロディーのイメージにも聞こえるだけに、余計にそのように感じられるのかもしれない。

 

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10. 北の五番町  細川たかしさん

 

 細川たかしさんの曲では、本当に久々の宴会的にぎやかな演歌となった。以前、「北酒場」など、ノリのいい、酒場で歌える宴会演歌を歌っていた細川さんだが、 最近は民謡で鍛えた、本格演歌だけを歌うようになっていたので、ファンとしても、宴会的演歌を歌ってほしいという要望もあったのかもしれない。それだけに、 今回この曲をリリースしたのは、ファンとしても待望していたと思う。本人は、「北酒場」以来の、で、その続編的作品と語っていらっしゃったようだ。
 今回の 「北の五番町」は、札幌の盛り場、すすきのを舞台にしたということが想像できそうな曲で、非常にノリがいいので、若者にも非常に覚えやすい曲とも いえそうだ。私の場合、演歌に魅力を感じる原因になったのが小学生時代の「北酒場」であるので、小学生・中学生の年代にも覚えやすい曲だろう。したがって、 若者に演歌の魅力を感じさせるにはもってこいの歌になりそうだ。
 もちろん、細川さんの場合、民謡で鍛えた本格的演歌もすばらしいものがある。非常に高く大きな張りのある声のため、他の歌手とは違った特徴を感じることが でき、楽曲にもその特徴が現れている。そのため、細川さんの歌の場合、ほかの歌手が歌うと、まったく違った情感になってしまうようだ。すなわち、「細川さん 専門」の楽曲も非常に多い。
 

 

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この後も次々名曲を紹介いたします。