● 羽織丈いろいろ・・・ ●
しばらくの間見かけられなかった羽織がこの数年再び流行りはじめているという。
それも膝丈前後の丈の長い羽織である。 人によって、またあわせる着物によって、羽織丈のバランスも微妙に難しい。 身長154cm、袖丈も一般的とされている1尺3寸以外に、着物によっては1尺5寸の着物を着る私は、 バランス良い羽織丈は・・・?と思考錯語中である。 |
![]() 羽織丈 2尺6寸 |
11月18日(土)
このテディベアの着物や帯を作っていただいた呉服屋さんの蔵ざらえに出かけた後、「中原淳一展」の最終日へ行った。 幼い頃、母が語ってくれた「ひまわり」や「それいゆ」の話を思い出しつつ、細部まで緻密に描かれた雑誌表紙の原画とデザイン画、そしてそれを元に作られた洋服の斬新な色使いにカルチャーショック。まだ戦後まもない頃、少女達が、大人の女性が、心ときめかしたファッションの世界は現代にも通じる素晴らしさを感じる。白いコールテン地に大きなアップリケの着物が展示されていたが、この遊び心と楽しさを今の着物にも欲しい! きっとこんな着物があればファッションとしても着物ファンも増える? などなど中原淳一ワールドがグルグルまわっている。 会場内で『あなたがもっと美しくなるために』と題した中原氏の言葉が書かれた冊子をもらったが、ここで語られている言葉がじーんと胸に残った。「身だしなみの本当の意味は・・・」で始まる一文にはちょっと考えさせられるものがあった。 |
![]() 羽織丈 2尺2寸5分 |
11月25日(日)
最近、着物を着ている日の方が多いのだが、どうも渋くてジミジミモードばかり。今日はかなり大胆な色柄の銘仙に男物の羽織で一年ぶりに北野の天神さんの骨董市へ出かけた。 数年前は21日の弘法さんと25日の天神さんへは欠かさず出かけていたが、最近は一部フリーマケット化していて足が遠のいているのである。 日曜日とあって人出も多く、何軒かの古着のお店をのぞいて、しっとりしたベージュの木綿地に薔薇の描かれた着物を買ったが、丈が短く、はてさて解いて羽織にしようか? それとも帯?と思案中。一体何時頃の時代の物だろうか? 木綿地や綿と絹の混紡地に染めの着物や羽織が手元にある。是非とも時代背景を知りたいものだ。 今日のお買い物は使い込まれた一升の大きな桝とA4サイズぐらいの木製の昭和初期頃の事務用引き出し、それになんと・・・木製の傘立て。どれも使いこまれた木が何とも言えない味を醸し出している。なんだか古い家具に嵌っていきそうな気配が・・・(^^; 時々、男物の羽織を着るが、振りがないので寒い日には袖の振りから風がはいることもなく暖かである。骨董市でも「あれ? それは男物ね」と何人かの方に声をかけられたが、こんな着方もあっても良し!と思っている。 |
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![]() 羽織丈 2尺4寸5分 |
← 11月29日(木)
四条河原町まで買い物に。今日は10月21日と同じ着物と羽織の組み合わせに、帯だけをアールヌーボー風の昼夜帯に。「何かのお稽古の帰りですか」と言われたが、このスタイルでお稽古??? う〜ん、そんな風に見えるのかなぁ。 12月1日(土) → ネットの知人と一緒に「フランス王家3人の貴婦人の物語展」を観に出かける。着物は縮緬に薔薇柄、羽織は28日と同じで、異国の18世紀〜19世紀の絵画や美術品を堪能する。 着物とは縁のないサイトの集まりなのに、他にも着物仲間が! 着物好きの集まりも楽しいものだが、こんな風になんとなく集まったネット仲間が着物姿だととっても嬉しいものだ。 |
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● 羽織丈まとめ● |
手持ちの羽織の丈は一番長い物で2尺6寸、短めの物で2尺2寸5分といろいろであった。余りに短い物は野暮だし、長すぎてもはんなりしすぎる感がするが、普段にはやはり2尺5寸前後が、そしてちょっとお洒落にお出かけスタイルには2尺6寸程度が程良いと感じた。但し、うまく着こなせないと長すぎる羽織はだらけて見えてなかなか難しい。
しかし長羽織のブームは何時まで続くのだろうか? 我が家に残る大正時代の写真では、女性はかなり長い丈の羽織を羽織っているが、昭和の後期には丈は腰が隠れる程度となり、やがて廃れて忘れられた存在になっていた。しかし羽織大好き派の私、なが〜く楽しみたい物のひとつと思っている。 |