1.九州グリーン豪遊券の旅 <4>


3日目〜4日目 特急「ドリームつばめ」に宿泊♪

この日はどこに泊まるかを全く考えていなかったのですが、寝坊でできなかったことを明日やろうと、いうことで西鹿児島行きの特急「ドリームつばめ」のグリーン車を取り、博多で約5時間近くの時間ができる羽目になってしまいました。そこで、まずは帰宅ラッシュのさなかに特急「ソニック」の自由席に乗って折尾で降りて、西鉄北九州線に乗ろうと思っていたのですが、電車がしばらく無くて、仕方なく快速で博多へ戻っていきました。快速で博多に着いてから、人身事故の一報が入りました。隣の竹下駅でそれは起こったらしく、南福岡方面からの列車が来ることができなくなり、門司港方面へ向かうホームには人であふれていました。寝台特急「あかつき」が50分近く遅れたのを筆頭にその後の列車も遅れたものの、特急「ドリームつばめ」は定刻に出発。グリーン車もほぼいっぱいの中、熟睡してしまいました。今回は前日の「ドリームにちりん」とは違って、途中目を覚ますことなく終点の西鹿児島へ着いてしまいました。


4日目(1) 急行「えびの」へ乗車
これで、2日目にやりたかったことを果たすことができるというものです。これからは2日目の予定通りことは進んでいけます。特急「きりしま」2号に乗車し、指定席に腰掛けたものの、ほとんど人はおらず、車掌さんの計らいで適当に座って良いこと(右側に座るよう勧められました)と、前の座席を転換してそこに足を乗せてみては、ということになりました。普通車掌さんが仰るとは思いもしませんでしたが、乗り合わせた人全員が進行方向左側の席になっていたのですし。おかげで、進行方向の右側に臨む桜島や、海岸線を見ながらの旅ができました。そして、都城駅に到着して、急行「えびの」へ乗りかえるため下車します。

(注):写真は2日目に撮影したものです。

それにしても、11月なのに非常に冷たい空気が襲ってきます。九州特に南の方はそれほど気温が下がらないイメージがあったのですが、すっかり玉砕してしまいました(笑)。「あたたかい」を押したのに冷たいのが出てきて、落ち込みながら乗ったのが、目的の急行「えびの」2号です。この列車は宮崎が始発になり、都城までは快速で運転されます。そのために人はそれなりに乗っていて、なんとか窓側の席を確保できた・・・ようなものです。えびの高原を通過し、隼人から来た肥薩線と交わる吉松へ着き、北を目指します。この先、スイッチバックが2箇所、ループ線(大畑駅周辺)があるというイベントの多い路線になっています。もともと鹿児島本線で鹿児島へ行けなかった時代はこの肥薩線がメインルートとなっていたため、例えば矢岳駅では行き違いの設備があったであろう線路を剥がして、交換ができなくなっているなどしています。しかし、北海道でもそうなのですが、初めに峠越えなど山や谷を走る線路が敷いてあって、その後線型の良い場所に敷かれて、ルートを奪われて衰退する、といういことがあてはまりますね。

吉松を出ると、まずは真幸に止まります。発車すると、豊肥本線の立野駅と同じような形のスイッチバックを行います。駅前には民家のようなものはちらほらとしか見えないのですが、駅の名前からカップルがよく訪れるようです。そして、先述のとおり交換のできなくなった矢岳に止まります。古びたSLが保存されていて、それを見るためか数名降りてゆきました。それからループを経て大畑駅(列車の写真は、ここで交換してきた列車です)を発車し、くま川(球磨川)鉄道との接続駅、人吉に着きました。着いたと思ったら早速弁当売りの声が聞こえてきます。古びた雰囲気を出した駅にずいぶんと合ったものですね。人吉からは熊本へ向けて「えびの」だけでなく急行「くまがわ」が多く設定されていて、極端に本数の少ない人吉〜吉松はかなり離れた存在になってしまいました。でも、車窓から見えてくる風景は、山を越えるだけあっていいものがありますけどね。人吉から1時間程度で、鹿児島本線との接続駅、八代へ到着し、ここで特急「つばめ」に乗り換えます。


4日目(2) ちょこっと長崎へ

特急「つばめ」を鳥栖で下車し、「ハイパーサルーン」こと783系特急「かもめ」で長崎へ向かいます。実は、2日目に寝坊しなければ、1日中長崎で観光をしようと考えていたのですが、残念ながらただ行くだけ・・・になってしまいました。

長崎での滞在時間はごくわずかになってしまい、特急「シーボルト」4号で佐世保へ向かうことになりました。本来、展望車両がつくようですが、今回はキハ185系が代わりに担当していました。

左:185系特急「シーボルト」。
右:快速「シーサイドライナー」。
長崎に来たら、の定番ハウステンボス。
駅停車中に撮影。

ハウステンボス号を横から。

特急「シーボルト」を早岐で下車し、博多へは特急「みどり」のグリーン車に乗っていきます。これが最後のグリーンとなり、優雅さをかみしめつつ向かいました。列車の方は、まず早岐に「みどり」が先に到着し、その後ハウステンボスから来た特急「ハウステンボス」を連結します。さらに、肥前山口で前に止まっている特急「かもめ」と連結し、3つの特急を連結するなんとも合理的なようで強引な気もしながら、博多へ戻ってきました。

これにて、豪遊券の効力が切れてしまいます。もちろんグリーン車に乗ることもなくなるのですが、もし自分が重役か何かになってグリーン車を頻繁に使うようになっても、今回の「初心」にようなものを忘れずに、重役旅行にならないようにしたいものです。

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