日記(不定期)

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい(マウスで選択し反転させると読めます)。人が殺される話が嫌いな人はそこだけ抜かしてお読み下さい。

12月

日記の色分け  読書:グレー 音楽:ピンク 生物:グリーン 歴史:ブラウン

12月20日(月)

いかんいかん。何となく今日は金曜日のような気がしている自分がいかんのだよ。まだ月曜だというのに。

最近ちょっと運動不足気味なので(久しぶりに腕立て伏せをやったら20回できなかった),ちゃんと階段を5階まで歩いて登るようにしている。最初は5階は遠いなあという感じだったのだが,今は気が付いたらもう4階残すは後1階というところ(?)まできた。うんうん。よしよし。

昨日いっぱい書きすぎたので,今日の日記は短め。さあ今週中にテキストチェックに出すぞ!  追記:やっぱり年内に間に合いませんでした。(12/27)

12月19日(日)

滝本竜彦『NHKにようこそ!』を読みました。ひきこもり世代のトップランナーが放つ,驚愕のノンストップひきこもりアクション小説らしいですよ。−−主人公が大学を中退したのも,無職なのも,四年間ひきこもりなのも,みんなNHK(日本ひきこもり協会)の陰謀なんです。NHKを倒すその日まで,雄雄しく戦い抜くぞと決意してから数ヶ月(って何もしてないし,最初からダメじゃん)。そんな彼の前に,とある宗教団体から刺客が...。日傘を差した清楚な美少女,岬ちゃん。彼女の正体は? いったい彼はひきこもりから脱出することができるのか?

いやー,いい感じに脱力しますね。ダメさ全開のダメっぷり。無職から脱出のため後輩に勧められた職業はエロゲー・クリエーターだし,岬ちゃんと交わしてしまう契約は“ひきこもり脱出と、そのサポートに関する契約書(約束を破ったら百万円)”だし,ほとんど進展がないまま時間だけが流れていってしまうし。ともあれ,一番気に入ったところは主人公が最後までダメダメなままであること(それでもそのダメっぷりが何かかっこいいぞ)。まあうまくいかない時はこんなもんでしょうね。だからそれでいいんだよ。とか言ってる場合じゃないよな,この僕も。

小説としては?だったりもするのですが,ところどころ「いかん,これって俺も一緒やん」とか言ってしまいそうな箇所もあったりで,ちょっと笑ってしまいました。珍しく朝七時に目が覚めたのに昼過ぎまで物思いにふけってしまいそのまま昼寝をしたら翌日の朝五時,なんてのは僕も覚えがあったりします。次の台詞はとてもいいですね。ああ,わかるわかるって感じです。

みんな地獄へ堕ちろ!
だが 人を呪う者は、穴が二つになるという。そこで俺は、無理矢理なんとか気分を立て直し、皆の幸せを願ってみた。
「……あんたたち、たとえ地獄へ堕ちても頑張ってくれ」

夕方より下北沢に行きました。何というか僕ら(?)のコンプレックスをかきたてるそうな街ですね。CDショップなどを廻ってから夕飯にラーメンを食べました。店の名前を忘れたけれど骨太らーめんとかいうのを注文。久しぶりにちゃんとした食事。

渋谷に移動して,カルメン・マキ&サラマンドラのライブ(ゲストはさかな)に行きました。最初にさかなのライブ40分ほど。ヴォーカル兼ギター+ギターのデュオ。一曲一曲はいいのだが,ちょっと似たような印象の曲が多いような。ゲストのゲストで勝井祐二vnというのもあってもよかったかも。休憩の後,カルメン・マキ&サラマンドラの登場。一気に会場が盛り上がる。さすが歌手生活35年の貫禄。すごい迫力というか存在感のあるヴォーカルでした。昔のカルメンマキ&OZとかはリアルタイムに聴いてなかったので,これは一度ちゃんと聴いとかんといかんな。バンドメンバーの演奏を表に出したプログレ風味のハードロックといった内容で,一曲一曲がけっこう長い。僕としてはヴォーカルと単なるバックバンドという感じの演奏があまり好きではないので,メンバーそれぞれが個性を発揮しながらも一体感がある演奏がとても気に入りました。

バンドのメンバーはまずギター鬼怒無月(きどなつき)・ヴァイオリン勝井祐二という僕にとっては馴染みがあるコンビに,ベース松永孝義(名前は聞いていたけれど演奏を聴いたのは初めて)とドラムス芳垣安洋(彼もいろいろなバンドで活躍ですね)。バンド演奏を聴いているだけでも“豪華”という感じですが,ヴォーカルとのバランスもとてもよいです。ステージラストの「変わらないもの」(エレキヴァイオリンの味付けもよし)からアンコールの「Over the Rainbow」(CDに比べてもよりフリーキーな印象)といったところの盛り上がりが,うーん,よかったです。

帰りにメアリージェーンに寄ってジャズを聴きました。いつもコーヒーだけだと悪いので,今日はチーズケーキなども注文してみました。最後にかかっていたギル・エバンスのアルバム『Parabola』はすげーかっこよかった。

12月18日(土)

私生活では暇人なので(仕事については……),日記を書く時間はいっぱいあるよ。

昨夜(夕飯抜き)から今夜までの食事は,フルーツグラノラ(シリアル)1袋・インスタント甘酒2杯,それからマヨ醤とかいうカップラーメン1個のみ。普段ならどうってことないカップラーメンだが,腹を空かせていたのでおいしく感じる。美味,美味,至福の時。別においしいと言われるラーメンを食べに行かなくても,安上がりにこんな幸せを得ることができるなんて。わびさびの世界(ちょっと違うね)。

けっきょく,いつものごとくどこにも出かけずに本を読む一日だったのだ。

一昨日買った西澤保彦生贄を抱く夜』を読む。チョウモンイン(超能力問題秘密対策委員会)シリーズの7冊目(短編集)である。普通の推理小説は誰がどうやって犯罪をおこしたかを推理するものが多いのだけれど,本シリーズの場合はたいてい超能力でやった事が最初に分かっていて,しかも誰が超能力者が判明してたりするので,それとはちょっと違うのだ。なぜ犯人(または被害者は超能力を使ったかなんてのが推理の対象になるのが面白い。作風としては,最近はだいぶ減ったけれど“かあいい”とか“美少女”とかそんな単語が飛び交うため,一見そっちを狙った色物(例えば某作家のK学園シリーズとか,いや読んだことないんだけど)かと最初は不安になったものだけれど,実はかなりダークかつダウナーな人間関係をテーマにした本シリーズ,いつもほのぼのとしたユーモアとそれでも覆い隠せないダークさとが微妙なバランスをとっているのだけれど,さて今回はどうでしょう。

本作も相変わらずイヤーな登場人物のオンパレードである。よく言われることでもあるが,悪意はないんだけれど(悪意がない故に)とても困った人達を描かせたら,やっぱり西澤保彦の右に出る作家はなかなかいないと思う。例えば,自分の惨めさを誤魔化すために周囲にもっと惨めな人間を作ろうとしたり,自分の過ちをどうしても誤魔化さずにはいられずさらに過ちを重ねたり,自分の楽しみにのみ夢中で他人の気持ちにはまったく気が回らなくなってり,そういった人達。彼の作品を読んで怖いと感じるのは,自分自身が気が付かないだけでそういう嫌な人間なのかもしれない,と考えさせられる時。普段,自分はそれなりによい人間でいるつもりでも,それでも思い当たることがけっこうあったりで,彼の作品を読むと時々ブルーになる。それを緩衝するためにレギュラーメンバーの会話は“ほのぼの”になっているのだけれど,今回はレギュラー以外の人達からの視点で書かれた話が多いぶんだけ,多少きつかったかなという感じがした。

ちなみに個人的には「もつれて消える」と「情熱と無駄のあいだ」がよかった。前者はけっこう嫌な人物が出てくるのだけれど,主人公の性格が何となく親しみを持てるので(不倫とかバリバリやってる人だけど),読み終わって嫌な気持ちが残らない。後者も主人公の女性が復讐をする話なんだけれど,何となく芸風が先日読んだ森奈津子みたいで,笑いながら読めた(おいおいって何度も突っ込んだり)。他の作品も作品毎にいろいろなパターンが使ってあって,よく工夫されているなあと思った。

先にも書いたけれどレギュラー以外からの視点で書かれた話が多いということで,シリーズとしては中途半端な位置づけになってしまったような気がする。西澤氏としては“キャラクターを外側から眺めてみたかった”ということなのだろうけど,それだったら前作中の「彼女が輪廻を止める時」ぐらいなとこまでいって欲しかった。あくまで僕の好みとしてですけれど。まあ,大好きな作家の期待していた作品ということで,どうしても点が辛くなってしまうのはしょうがないのかも。

12月17日(金)

今日みたいなのが“東京の冬”らしい日でしょうかね。言われてみるとそのような。

昨日から郵便物の発送作業をおこなっている。けっこう面倒くさいもんですよ,こういうのって。紙を折ったり封筒に入れたり。紙の縁で手のひらを切ったり...。まあ,たまにこういう作業があるのも気分転換になるし,よい面もあり。

植物(花)を育てるのは難しいようですね(種類にもよるだろうけど)。特に冬越しというのはいろいろテクニックが必要なのでしょうか。うちの似非ビオトープも室内に入れたら,エアコンで乾燥するのか芽がカラカラになったりして,うまくいかないです。

職場の古本交換コーナーにあった京極夏彦の2冊は誰かがもらって行ったようです。読む人は誰かな誰かな? よく見たら貫井徳郎『慟哭』と北村薫『空飛ぶ馬』まで置いてありました。出した人は誰かな誰かな?

ちょっと疲れが貯まってきたので(口内炎がー!),パソコンに向かうのは今日はここまで。他にも溜まってきている物はたくさんあれど,悪想念の捨て場はどこ? 明日は例のごとく家から一歩も出ない予感多々あり。

どうでもいいや(何か投げやりだぞー!)。で,今夜これから読む本は何にしようか。迷うのもこれまた楽し。

12月16日(木)

今日は風は冷たかったけれど,よい天気でした。終わり。

……じゃなくて,夕方より新宿へ。紀伊国屋書店で買い物:西澤保彦『方舟は冬の国へ』(偽装家族物)・『生贄を抱く夜』(<チョウモンイン>シリーズ)と鯨統一郎『すべての美人は名探偵である』(歴史ミステリー?)の3冊。

夕食はラーメン屋神座(かむくら)で。大阪の有名店の支店らしい。白菜が入った,あっさりしたすき焼き風(卵を入れると特に)あるいは関西風のうどんに近いスープだろうか? 店が広くてきれい。

楽器店を覗いた後,ジャズバーNEW DUGへ。姉妹店のDUGよりも落ち着いた雰囲気。ベルギービールが数種類おいてあったので好印象。ベルビューのランビック・クリーク(天然発酵ビール+ブラックチェリー)とマタドールを頼んでみる。M君とMiles Davis『Kind of Blue』の話をしていたら,いきなりSo Whatがかかる。話が聞こえていたわけではないと思うけれど,たまたまかな。こういう店で,ごく少ない知っている曲がかかったりするとけっこう嬉しいもんだ。

昨夜は川上弘美消える」(『蛇を踏む』より)を読みました。消える家族と縮む家族との婚姻の話。他の2話(「蛇を踏む」「惜夜記」 もちろん嫌いじゃないです)よりだんぜん好みです。家族は5人でなくてはいけないとか,家ごとに固有の風習があったりとかの設定はどうやって思いつくもんでしょうか。“ねこまねこま”がかわいいです。この短編は本の中では2話目に出てくるけれど,書かれたのは3話中で一番後のよう。「惜夜記」などに比べても,格段にうまいです。長さ(34pp)もちょうどいいし。こういった不思議で不可解な話の場合,あまり長くなるとだれて集中できなくなるんですよね。
 しかし,本裏表紙の内容紹介で“現代の家庭を寓意的に描く”と書いてあるのは,なんか納得いかず。“どこがそうなんだ”という感じですが。まあいろいろ解釈はできるのだろうけれど。こういう文は誰が書くのでしょうね。作者の意見とか入っているの?

12月15日(水)

久しぶりに続き物の夢をみました。何年も前にみた夢の続きです。前回は,古い共同アパートに引っ越していろいろな人と出合うという夢でしたが,昨夜の夢はそのアパートを引き払い実家に帰る前夜という設定でした。ちなみにアパートは木造3階建てで,1つの階に4部屋+共有スペース,1階が大家さん,という具体的なものです。一応部屋に鍵はかかるのですが,ぼろぼろでしかもガラス窓から他の部屋の様子も多少見えてしまう 〜 何というか一昔前の寮生活みたいなイメージです。長い間留守にして(荷物だけ置いて)あったため,隣人は知らない人に変わっていましたが,そのまま挨拶もせずに荷物だけまとめて寝ました。家に電話をしなくてはいけないと思いつつ,面倒くさいからいいやというところで目が覚めました。

こんな夢を見たのは,昨日の忘年会で飲んだせいでしょうか。気分は特に悪くもない。まあ,確かに焼酎は翌日にあまり影響が残らないのがいいですね。飲み過ぎなかったというのもありますが。

そうそう,学会発表の申し込みをしました。まだこれから中身を詰めなくてはいけないのですが。そう,これからです。銀行に振り込みをしに行きましたが,曇っていて昼間も気温が上がらず。

楽器とか習いたいという話をする時に,音を気にせずに出せる場所がないときついか,という発言をよく聞きます。変な音を出すと苦情が来たりするのでは,と心配になったり。そういえば,よく四コマ漫画などで,ヴァイオリンとかを練習していてギーギー音が出て,周りの人が耳を押さえているシーンなどが出てきますが,本当にそんなすごい音が出たりするのでしょうか?

NHK「その時歴史が動いた」を観ました。しょっぱなから土方歳三が出てきて,まあ大河ドラマでやってるからね,という感じでした。これで実は,同じく箱館戦争に参加してた伊庭道場の跡取り息子が主人公だったりしたら僕だけはNHKを見直すよ,と思いましたが,やっぱりそんなことはありませんでした。

今夜のBGM:SPANK HAPPY『Computer House of Mode』 昨夜とは全然違う感じで。 でもまあ,今この場の雰囲気には,やっぱり合わないわな。

12月14日(火)

昨夜読んだ「夜中に井戸がやってくる」はまあまあだったかな。家族の物語。−−うちの背戸には壊れかけの井戸があって,夜中の2時になると井戸がやってきて僕らを連れて行こうとするらしい。 初期作品のような異様なテンション(そういうのもまた読みたい)はないが,最近の舞城らしい,夜の冷えた空気のように微妙な感動が残る作品。

今朝は寒くて目が覚める(毛布を出さないと)。昼は暖か。

今日もシンポジウムに何回か顔を出す。久しぶりにYさんを見かけたが,タイミング悪く挨拶できず。夕方,旅費についての相談。Mさんの発表を聴きたかったが,残念ながら聴けませんでした。

ちなみに今夜は忘年会です。今回は焼酎がメインの店でした。シソ・胡麻・栗・トウモロコシ・昆布などいろいろな焼酎が揃っていて,面白かったです。ただ平日なので,翌日のことも考えて抑えめに(アルコールには家系的にあまり強くないんです)。

二次会はKさん(渋谷のジャズクラブで年何かか戦前ジャズのバンドをやっているらしい,ベーシスト)の案内で新宿のジャズバーCANDYに。名前だけは聞いたことがあったのですが,なかなかよい感じの店でした。明るめの室内,ちょっとフュージョンぽいのが大きめにかかってました。マルガリータとレッドアイというのを飲んでみました。

昨夜のBGM:三橋美香子と総本山『Post-Diluvian 洪水の後』 酔っぱらった頭で日記を書きながら,ぐるぐると。やっぱり変。癖になります。

12月13日(月)

気が付けばあっというまに1ヶ月,「よくまあ毎日こんな文章を書いてきたなあ」とか思うけれど,それがどうした。1ヶ月クリアしての感想はまた別に書きましょう。

そろそろ「年賀状書かなくちゃ」の声が。昨年は年末に祖父が亡くなって,年賀状はさぼれたのですが(そのかわり返事として寒中見舞いを書きましたが),毎年悩まされます。っていうか,みんな準備が早過ぎるぞー。

境界動物(無脊椎動物と脊椎動物の境界の意味らしい)という物に関するシンポジウムに出てみました。やはり遺伝子がどうのこうのという話は難しいですね。動画とかを使った発表とかは見てて楽しいのですが。うわ,一日の時間が経つのが早い。

返事を書いていないメールが溜まっています。ごめんなさい。今現在は精神的ダメージが溜まっているらしく,仕事以外のメールの返事は後まわしに...。そのまま無かったことになる。うーん。

今日の夜中は『ファウストVol.4』より,舞城王太郎「夜中に井戸がやってくる」を読みます。最初のイラストからしてとっても怪しそうだ(とても素敵な…)。怪談ですか? 楽しみです。

12月12日(日)

乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読了。うーん,まあ予想の範囲内でしたが(っていうか予想される真相を10パターン以上考えたので,どれかはあたるわな),よくできてますね。昔読んだある小説(小泉喜美子『弁護側の証人』)を思い出しました。どちらかというと“ミステリーの手法を使った恋愛小説”といった印象ですが,たぶん恋愛小説の読者は特にこういうのは喜ばないと思うので,まあミステリーでいいですかねぇ。ちなみに目次のイラストはレコードのAとBは裏表の意味ですよね。

最初は10点満点で7-を付けましたが,叙述トリックが“トリックのためのトリック”になっていないところを評価して,7+に格上げです。→満足度別読書リスト) 凝ったミステリーを普段それほど読んだことがない人にも,お勧めと言えばお勧め。本格小説マニアにとっては,あらすじとか何も読まないほうが無難です(だまされたほうがいいや,くらいの気持ちで読みましょうね)。

『ファウストVol.4』より,北山猛邦廃線上のアリア」・浦賀和宏ポケットに君とアメリカをつめて」を読了。「廃線上のアリア」は,どこか冷めた登場人物・重苦しい雰囲気はとてもよいのですが,ちょっと淡白。「ああそうなんだ」という印象がどうしても残ります。犯行の動機とかもあまりピンとこず。彼は基本的に長編向きの作家のような気がします。これでもかという感じでくどいくらいな事件が起こるほうが,趣きというか重みが出そうです。今冬に出るらしい長編に期待。浦賀和宏「ポケットに…」はちょっと苦手かな。文体というか雰囲気がどうも。ミステリー?? しかし『ファウストVol.4』の短編・連載を少しずつ読んできたけれど,今のところ一番楽しめたのが「佐藤友哉の人生・相談」というのは,いやはや,何というか。

夕食は新宿。買い物は迷ったけれど特にせず。

12月11日(土)

乾くるみイニシエーション・ラブ』はside-A(前半)を読みました。大学4年の主人公が合コンで出会った女の子と付き合いだします。で,後半のside-Bでは遠距離恋愛になり少しずつ二人の間に隙間が……って,ストーリーとしては確かにそうなんだけどね,でも本書は原書房Mystery Leagueの一冊ですから。なんと言っても帯の殺し文句が「今年最大の”問題作”かもしれません ぜひ、2度読まれることをお薦めします」です。全編にわたり伏線張りまくり,目次から仕掛けられた罠,最後の最後で明かされる真相,そしてすべてがくつがえる らしいですよ。うーん,しびれます。信じていいんですよね。

そこまで言うんだったら,僕にしては珍しく,挑戦を受けようってな気にもなるものです。基本的に僕は本格ミステリが好きなわりには,推理をしない読者なんですけどね。ふんふん。目次に仕掛けられた罠ですか、そんなもんわかるか! 各賞には昔懐かしいラブソングのタイトルが付いているのです,はたして何があるのでしょう。単に三角関係でしたとかいうオチじゃ,もちろんないよね。
 とりあえず、side-Aで気になる点だけピックアップしておきます。1.マユの指輪はどうなったのか?(鍵がポイント? 2.主人公はなぜ「たっくん」と呼ばれるのか? 3.合コンはその後どうなったのか?(3回で終わり?) 4.二人の付き合いはなぜ秘密だったのか?いつまで秘密だったのか? 5.あのシーン,確かに痛がってはいたけれど,描写にちょっと気になるところが −−というとこでしょうかね。ここから考えられる真相は? 難しいですね。慣れないことはするもんじゃ。いやいや,まだ半分読んだだけだから...

さて,今夜は久々のライブ鑑賞です。三橋美香子と総本山,2年10ヶ月ぶりのライブに行ってきました。前回の東京ナミイ BANDと同様に,待ちに待ったという感じのCD発売記念ライブです。三橋さんのちょっと民謡っぽいとこもあるヴォーカルに,竹井誠の篠笛・尺八や人気絶頂・勝井祐二のエレクトリックヴァイオリン(+エフェクター)の音色が怪しく重なります。キーボードの近藤達郎は東京ナミイ BANDに引き続きですが,歌物には定評あり。植村昌弘のドラムも1年半ぶり(藤井郷子オケ以来)ですが,相変わらずかっこいいですね。休憩時間に三橋さんは「久しぶりなので緊張して」と話してましたが,そんな風には見えなかったです。

〜カラカラ廻る空廻り(「サムサーラ」)〜仏の顔も三度まで(「仏の顔」)〜それほどの事なのか〜などと,奇妙な歌詞の曲ばかり続きます。MCもメンバーがみんな控えめなのに妙におかしかったですね。なぜか葬式の歌が多いので「葬送曲集とか出してみたら」とか「限定10枚ぐらいで墓石とか付けたり」とか。勝井さん曰く「いっそのこと不幸のCDにしたらどう。」 もちろんCDも買ってきました。ライブでは聞き取りにくい歌詞もありましたが(voの音量はもう少し大きくてもよかったのでは),これで復習は大丈夫。


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