日記(不定期)

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい(マウスで選択し反転させると読めます)。人が殺される話が嫌いな人は抜かしてお読み下さい。

2005年1月

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

日記の色分け  読書:グレー 音楽:ピンク 生物:グリーン 歴史:ブラウン

1月10日(月,成人の日

成人の日でしたか。今日は各地で荒れたのかな(成人式で若者が暴れるのも年中行事になりつつある今日この頃ですね)。

だいぶ体が楽になったので(多少の熱は残っているようですが),午後から新宿に出て買い物。山野楽器の楽譜コーナーを見て回る。本屋で鹿島田真希『白バラ四姉妹殺人事件』・堀江敏幸『熊の敷石』・西原理恵子『上京物語』・西島大介『凹村戦争』・ファウストVol.3を購入。

読んだ本:筒井康隆富豪刑事』 何で平積みに……と思ったらドラマ化されるのですね。今更という気もするが,そのおかげで手に取ったというのもあるので。推理小説としてもちゃんとしてるけれど,やっぱり語り口のおもしろさかな。短編4話ですが,マンネリにならないよう,それぞれ構成とか工夫してある。これで終わっちゃうのはちょっともったいないですね。

追加(1/12):読んだコミック(忘れてました):西原理恵子上京物語』 自伝的作品(?)。ちょっぴり切ない系。下ネタなし。短いですけど,よかったですよ。職場で人に貸したけれどわりと評判よし。

早く風邪治れ!

1月9日(日)

今日も一日中寝てました。連休中なのにもう!って感じかな。熱は測ってないから分からないけれど,頭痛はしなくなりました。

読んだ本1:松浦理恵子「乾く夏」「肥満体恐怖症」(『葬儀の日』より) 先日読んだ表題作と違って,こちらはそれほど倉橋由美子っぽくなかった。何となく独特の後味が残る感じが共通すると言えば言えなくもないか。「乾く夏」のほうが,微妙な心理のキャッチボールみたいな話で何だかよく分からない。「肥満体恐怖症」はストーリーが分かりやすいけれど,裏には何があるのだろう。ちょっと怖いというか,後味が悪いような印象の話です(←自分で書いておいて何ですが「後味が悪いような印象」ってなんでしょうね)。次には長編でも読んでみようかな。『親指Pの修業時代』ってまだ文庫で出ているんでしょうか。それか最近のやつを何か読んでみたいんですが。

読んだ本2:小野不由美黒祀の島』 十二国記で有名な著者の本格ミステリー。−−失踪した女性作家の履歴を辿り主人公が行き着いた島は,国家神道から外れた「黒祠の島」だった。非協力的な住民により調査ははかどらない。やがて明らかになる孤島連続殺人とは?−− 殺人事件が何故なかった事にされてしまったのかという所が,この作品のキモだろうか。因習云々を取り除けば,基本はストレートな本格ミステリー。トリックとかはよくできているが,個人的に最近なんだかトリック不感症になっていて,このくらいではあまりビックリしなくなってしまったので困る。さすがに雰囲気作りとかはうまいなあということで6.5/10点(最近こればっか)。

1月8日(土)

やっぱり風邪で寝込むことになった。頭痛あり咳少し。額に冷えピタをはって,一日中布団の中で寝たり本を読んだりで過ごした。

読んだ本1:浦賀和宏彼女は存在しない』 タイトルが何か凄いなあ。中身は多重人格物のサイコスリラーになるんですか。後味悪いです。後味悪いのが嫌いな人は注意して下さいね。後味だけじゃなく全体的に何かかかってます。−−恋人を殺された香奈子,妹の多重人格を心配する根本,二人の出会いは何を意味するのか−− “出会い”ってのが変だと思うけれど,これ以上言うのはネタばれになるのでやめましょう。デビュー作の『記憶の果て』はけっこう読みにくい印象があったので,読み始めはちょっと心配でしたが,本作は退屈はしませんでした。仕掛けが分からないでもなかったけれど,よくできていると思ったので7/10点。

読んだ本2:西尾維新新本格魔法少女りすか』 要は“魔法使い”使いが悪い魔法使いや“魔法”使いと戦う話です(そんな要約のし方でいいのかよ,おい!)。りすかは戦うたびに毎回死ぬし。主人公の創貴(きずたか)も半分無くなってるし。創貴って最初はこんなんだったんですね。ファウストVol.4で最初に読んだので,少し印象が異なる。もしかしてある種の教養小説(ビルドゥングス・ロマン)ってやつですか? 戯言(ざれごと)シリーズに比べると,はぎれがよくなくちょっとだらだら続く感じ。主人公のモノローグに慣れてしまえば,そうは感じなくなるのかもしれませんが。まあ今回はそういういつでも何か考え続けてるキャラだからしょうがないのか。6.5/10点。

熱でぼうっとしています。

1月7日(金)

職場の仲間と文章修行(言葉遊び?)を始めました。ってよく分からないですね。齋藤孝著『コミュニケーション力』を参考にして下さい(僕も読んでないけれど)。またそのうちに,機会があれば紹介するかも。

今日は初ライブ鑑賞の予定でしたが,風邪をひいてしまいました。咳がひどい。喉が痛い。布団の中で読書かな。せっかくの連休というのに,またちょっと寝込む予定。ガク

1月6日(木)

昼休み中に‘ブログというかウエブ上の日記は何のために書くのだろう’とかいう会話を交わした。「やっぱ自己顕示欲が強いというか自分に自身がある人なんだろうね」などと。

最近は,日記を1日遅れで,翌日の夜に書くようになっている。(別の言い方をすると「前日の日記を毎晩書いている」と。) そのほうが書きたかった事が整理できていいのであろうか。逆に忘れてしまうという弱点も,そこには確かに存在するのであった。

1月5日(水)

今年届いた年賀状はちょうど20枚だったよ。後は年賀状メールがちらほら来たくらいかな。友達が少ないのがバレバレっす。

今日は仕事始めの会議があって,上の先生方にはビールが出たようですな。それでいいのかい? まあ自費だったら問題ないのかな。公務員とかだったら問題でしょうが,違うからね。あっ,公務員の方が実はぬるかったり....

少しづつ思い出しながら鎌倉旅行記を作ってたら,今日の夜も終わってしまいましただよ。何でこんなに時間がかかるの! もっとパッパと作れる人は作れるのだ。

1月4日(火)

とうとう仕事始めです。三が日に土日が来ちゃうのって,何となく損をした気分ですね。でも初日はいつも大して仕事ができないからね。そうそう,けっきょく持ち帰った仕事はほとんどできませんでした。これもまあ,いつものこと。

どうでもいいゴミメールが溜まっていたので,まず整理。重要なメールに返事を書いているだけでもけっこう時間がかかりますね。正月明けなんだから,皆さんゆっくりしましょうよ(ってなわけにはいかないか)。

年賀状の返事を書いたり(今頃になっても届きます),休暇中の日記に手を入れたりしていたら,夜もあっという間に過ぎていきますね。そういえば郵便ポストでは“年賀状”と“それ以外の郵便物”が分けられていますが,これって元旦を過ぎてしまえばあまり分ける意味がないのでは? 元旦より前だったら,早めに出してもちゃんと元旦に届くようにということで,意味がわかるのですが。

年賀状を書きながら聴いていたCD: 『Pochakaite Malko』 ジャパニーズ・プログレというか,いわゆるチェンバー系と呼んでいいのかな? とっても怪しい雰囲気です。

1月3日(月,〜年末・年始休暇

起きたら筋肉がピキピキ言うかと思ったが,意外と大丈夫だった。まあ土踏まずと左膝の関節がいかれているようで,痛みが取れるまで2・3日はかかるだろう。

年賀状の続きを書いた。遅れた人には悪いと思い,今日のぶんからはステンシル(型判を切り抜いて上からインクをペタペタと塗る手法)によるイラストを付けた。自分で判を切り抜いたというだけで,元デザインは市販の年賀状からなので,まあ最近流行りのパクリと言えばパクリであろう。でもこれはこれでけっこう大変なんである。しかも時間がかかるわりにはあまり凄くは見えない。きれいに作りすぎると市販のスタンプかと思われる。

さて,あまり推理小説ばかりだとアレ?かなと思ったわけでもありませんが,松浦理恵子葬儀の日」を読みました。1978年の文學会新人賞らしいです。あれ,そんな昔だったんだ?! という感じですが... そうか,『親指Pの修業時代』(朝起きたら足の親指がペニスになっていたってやつ)が話題になったのは最近のような気もしてましたが,僕が学生の時でしたから。−−葬式に雇われて人前で泣く「泣き屋」とその好敵手「笑い屋」の不吉な〈愛〉を描く−− ちょっと倉橋由美子(『聖少女』とか)を連想させる作風ですね。著者20歳の作品ということで,まだスタイルが定まってなかったのかもしれません。これ1作読んだだけだと,まだ独自性とかよく分からないかな。(文学的な手法とかについてぜんぜん詳しくないので,とんちんかんな事を書いていても許して下さい。)他の短編も読んでみましょう。

そういえば,倉橋由美子は懐かしいなあ。初期の頃の作品群をまた読みたい(「蠍たち」とか「パッション」とか)。今うちにあるのは『聖少女』(父-娘と姉-弟の2組の近親相姦の話)と『パルタイ』(デビュー作含む初期短編集)と『婚約』(不条理物の短・中編集)だけですが,学生時代は図書館に新潮社の全集?があったので,パラパラと短編中心に読んでいました。先ほど調べたら,初期作品はあらかた絶版なんですね(頼みの綱は講談社文芸文庫か)。本ってけっこう回転が速いものなんですねえ。毎年あれだけの本が出てればしょうがないのかな。笙野頼子も当時読もうかどうか迷って,けっきょく読まなかった。短編好きなもんで『二百回忌』が読みたいんだけれど,やはり絶版みたいです。

最近の作家で読んでおきたいのは堀江敏幸とか福永信といったところでしょうか。無理に読まなくてもいいんですけれどね。読みたいと思った時に読まないとまた忘れるぞーということで。後で読みたくなっても絶版,というのはチトきつい。

1月2日(日)

早起きして鎌倉に行って来ました。いわゆる“初詣”と世間一般で云われているやつです。普段旅行に行っても10時ぐらいまでホテルで寝ている僕ですが,何と7時に家を出てしまいました。神社・仏閣を17カ所も廻ってきました。円覚寺〜浄智寺〜銭洗弁財天〜海蔵寺〜寿福寺〜建長寺〜鶴岡八幡宮〜鎌倉宮〜鎌倉駅→長谷駅〜御霊神社といったコースです。天気にも恵まれて楽しめました。ただ,歩きすぎて左膝を痛めてしまい,足を引きずって帰りました。江ノ島で小田急に乗り換える時がとてもきつかった。詳しくは次のページをどうぞ。

鎌倉探訪記

しかしガイドブック代わりに高田崇史QED 鎌倉の闇』を持って廻っていた人は,僕以外には見かけませんでした。さすがにね。『QED』シリーズ,つまりは歴史ミステリーです。参考文献として,行きの電車の中で再読しました。歴史上の謎と現実に起こる事件との関係が今一つ薄い本作ですが,まあそれもありかなと。無理してこじつけていない所が,かえってよかったと思います。 もう1冊参考文献があって,そちらはマジメ?に網野義彦『蒙古襲来』。鎌倉幕府の実態と変遷が詳しく書かれています。名著ですよね。

帰りの電車の中で,黒田研二霧の迷宮から君を救い出すために』を読みました。今まで読んだ同じJOY NOVELSから出てた本格ミステリーはみな良かったので(黒田研二『クレイジー・クレーマー』・柄刀一『シクラメンと、見えない密室』・近藤史恵『天使はモップを持って』),今回も期待です。−−高原にあるシェルターを訪れた主人公は,何者かに襲われ脳を損傷し,“動く物”を認識できなくなります。密室であるシェルターの中には女性(職場の先輩)の死体が。退院後,独力で真相を探ろうとする主人公の前に……−−読んでみて,不満もあるがまあ満足かなと。まずは,タイトルが今一つ。最後の最後でやっとタイトルの意味がわかり‘そうか!’となるのだけど,でもやっぱり,もう少しこなれたタイトルにならなかったのか。内容ですが特に構成に関してはさすがにうまくできてますね。複雑なプロットを作り上げる事には定評がある著者ですが,悲劇を予想させるようなプロローグで始まり,現在と過去が交互に記述されるスタイル。途中で飽きさせることもなく,終盤の活劇へ。‘よくやった’と思わせた後でひっくり返す。ラストはやはり... うーん。後はやはり,会話とかがもう少しこなれてくれれば。惜しいけれど満足度 6+/10点。 って,やっぱり厳しいよなあ。昔だったらもっと感動とかしてたかも。“初心忘れるべからず”ですかね? 

1月1日(土,元旦

あけましておめでとうございます(いくつのWeb日記でこの言葉が今日書かれていることか!)。ライブから帰って来ました。少し飲み過ぎたかも。眠いので一眠りしてきます。

初夢は.... まあ,いいや,書き出すと長くなるから。けっこう覚えているけれどね。

夕方になって目が覚めたので,年賀状を出しに新宿へ。今年の年賀状はちょっと手抜きです。いつもステンシルとかやるんですけれど,今回は省略しました。しっかし人がいないねえ。まだ8時前だというのに,まるで深夜のような人の少なさ。いつもの20分の一から下手したら50分の一といったところでしょうかね。店もほとんどしまってる。

鯨統一郎すべての美人は名探偵である』を読みました。この作家の本って読み終わってたいてい‘くだらねえ’とか思うんだけど,ついまた手を出してしまうのはどうしてでしょう。まあ今回はわりとよかったほうかな。主人公?は『邪馬台国はどこですか?』の歴史学者・早乙女静香(肩書きは「美人」!),探偵役は『九つの殺人メルヘン』の桜川東子(「アリバイ崩しの東子」の異名あり),というわけで,もちろん歴史ミステリ+アリバイ崩しですよ。沖縄と北海道で同時に起きた事件の謎と,徳川家の秘密が明らかに……。もう一人の主人公?である男子学生が(特に前半は)ダメっぽくて,何となく脱力感なのもこの作家の特徴ですよね。そういえば,作中で『九つの...』がらみでアリバイトリックの分類(9種類)が紹介されるんだけれど,実際に出てくるのは8種類のような気が?? で,満足度6/10点(何だか最近厳しすぎ?)。

関係ないけど,カッパノベルスのブックデザインはだいぶかっこよくなりましたね。著者の言葉や内容紹介などが本体にはなくて,帯だけに付いてるってのは珍しいかも。


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