日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい(マウスで選択し反転させると読めます)。人が殺される話が嫌いな人はミステリーのところは抜かしてお読み下さい(それをすると読むところがかなり減りますが...笑)。

2005年2月

もう二月,ああ二月,そう二月  だからー,ブログサーバとか使えば楽だというのに....

日記の色分け  読書:グレー 音楽:ピンク 生物:グリーン 歴史:ブラウン

2月20日(日)

テキストチェックの返事,まだかな?

中野に出ました。熱帯魚屋で水槽用ライトの換え玉?を購入。

食事ついでに本屋に寄りました。近藤史恵『モップの精は深夜に現れる』・若竹七海『プレゼント』・西澤保彦『転・送・密・室』・筒井康隆『七瀬ふたたび』の4冊を購入。『プレゼント』は1998年の文庫化ですが,なぜかF書店では平積みに(どうして?)。『転・送・密・室』はノベルス版を持ってますが,とりあえず文庫化記念ということで。

さっそく近藤史恵モップの精は深夜に現れる』を読みました。女清掃人探偵キリコ登場の2冊目の短編集です。前作も気に入ったので,期待大。−−部下や自分の娘とのコミュニケーションに悩む中年課長、取引先の仕事や自分の容姿にため息をつく女性ライター、二股をかけられたモデル…。こんな彼らが遭遇した不可解な事件の謎を、女清掃人探偵キリコがおしゃれに解決! 少し長めの“日常の謎(というか身近な犯罪)”物が4編入り。最初の3話はそれぞれ,各話の主人公がキリコと出会い仲良くなるまでの前半,奇妙な事件が起きてその謎をキリコが解く後半という,おおまかな二部構成になっています。この手の名探偵物のミステリは,探偵役の魅力が命みたいなものですが,本作におけるキリコちゃん,少しよい子すぎるかなとも思いますが,それも作者のねらいのうちか。例えば鶴の恩返しみたいな‘お伽噺’的な味わいもありますね。また続編が出るのかもしれませんが,いなくならないでね。年をとったからかもしれませんが,最終話でなんとなくじーんときてしまい,6.9/10点。2作目なんで期待しすぎた分だけ,こころもちマイナス。

2月19日(土)

今日は朝から飲まず食わずで我慢。って,飲めよ! 食わんでいいから飲めよ! 実際にはもちろん夜になってから水分だけは摂りました。脱水症状で,ちょっとふらついてた。

空腹のあまり,コンビニに買い出しに行く夢を見ました。まず雑炊とちょっと高めのカップラーメンと,菓子売り場のあんまんを買いました。レストランとかに行くという概念が出てこないところが哀れを誘いますね。けっきょく,これではちょっと寂しい食事だなということで,……温かい肉まんを追加。 ってこんな夢をみると何というか,特に感想はねえよ!

2月18日(金)

研究会も無事終了。幹事県の皆様,参加者の皆様,お疲れ様でした。後は論文がテキストチェックから戻ってくるのを待つだけ。それにしてもいろいろと問題は山積みだけど,どうやったら一番いいのか。気をつけて進みませう。(←一時期こういう旧仮名遣いが流行ったことがあったけど,今はどうなのかな?)

M君のグッピーの写真を頼まれて撮る。

北山猛邦『ギロチン城殺人事件』の序章だけ読む。

2月17日(木)

今日・明日と研究会あり。

懇親会は盛り上がる。席上,大学の先輩Iさんより,はっぱをかけられる。ああ言われるのは思いもよらなかったので,感動してしまいちょっと言葉につまる。照れくさいような。おかげ?でその後は飲み過ぎたかも。

2月16日(水)

今日は東京は雨,多摩地方は雪らしい。世の中,事件多発。ふーっ。みんないろいろ問題を抱えて生きてゆくのだね。←意味不明 まっ!そんなことはさておき...

ライブに行きました。Satoko Fujii im-composition vol#1,フリーっぽくてかつロックだったりするジャズやなんか(←??)で,海外での評価も高いピアニスト(作曲家としても高評価らしい),藤井郷子さんによるセッションです。藤井さんのライブを聴くのは25回目。ピアノ付きのライブを聴いたこと自体が70回ほどですから,僕としてもかなり聴いているほうですね。メンバーはトランペット田村夏樹,ギター加藤崇之,ベース伊藤啓太,ドラムス豊住芳三郎。フリージャズなのかと思わせて,実はすごく練り込まれた複雑な作曲がなされていた,なんてのが多い藤井さんのライブ,今回の趣向は,音符を使わないで作曲してきた! つまり,きちんと作曲しても演奏するたびに違った音楽が生まれるので,音符なんかで規定しなくてもいいのでは とのことのようです。うーん,どうでしょう。

藤井さんはいきなり,鍵盤をたたかずにピアノの中にある弦を直接弾いたりこすったりする奏法を始めます(鍵盤をたたくと機械的なメカニズムにより弦が振動してピアノの音が出るのですが,もちろん弦を直接弾いてもよいわけです)。さらには弦を固定したまま鍵盤を叩いたり(こうすると音が響かずにトントンといった打楽器的な音になる)。田村さんのトランペットもグジューって感じの変な音(これこそが田村さんの本領,ちょっと間が抜けたような気が抜けたような音です←ほめ言葉ですよ)。加藤さんのギターもエフェクターを使ってグチャグチャだし,伊藤さんも最初はベース(コントラバス)の弦を弾かずに,胴体部分をたたいたりこすったり(もちろん弦も弾きますが,かっこいいですよ)。ドラムスの豊住さんはフリージャズ界の重鎮ですから,言わずもがなです。

途中,曲ごとにコメントをはさんだりせず,全曲続けての演奏で1stステージが終了。どこで曲が切れるのか,さっぱりわからない。曲は激しくなったり静かになったり複雑に移行していきます。メンバーから判断してわかって来ている人(見た感じ,ほとんどの人がそうみたい)はいいですけれど,知らずに来た人(いたのかな?)はビックリしたことでしょう。改めて思ったのですが,藤井さんのピアノは,メロディを引っぱり出してくるというよりも,一音一音,音を前の音に連ねていくという感じ,そこら辺が作曲家としても評価が高い理由なのでしょうか。僕のような素人には計り知れないところかもしれませんが,そんな印象を持ちました。

2ndステージは伊藤さんの渋めのベースソロから始まり,まずは藤井さんのピアノが加わります。この二人の組み合わせもいい感じです。デュオとして単独でやってもらっても面白いのでは。伊藤さんの演奏は大晦日(佐藤帆セッション)に引き続き2回目ですが,ノリノリの曲が多かった前回のセッションとはまた違った印象。こういうのもやるのですね。順々にメンバーが加わっていき,前半と同じように曲がとぎれずに演奏が続けられていきます。演奏終了後,楽譜を示しながら「1stステージでは上から下に,2ndステージでは下から上にやってみました」と藤井さん。そんなんわからねえよ! 何か当たり前のことを言うようですが,変な人たちがやることはやはり変...。

最後のメンバー紹介では,それぞれ「○○さんは変な人で...」「音楽も人間も変態で...」と“変な人”というところを強調した紹介がなされます。若手の伊藤さんのみは「生まれついての音楽家だと思う」と言われてました。アンコールは「短めにボサノバでもやりましょうか」とのことでしたが,あれもボサノバなのですか。うーん,よくわかんらないですけれど,奥が深い,というかやっぱ変...。

2月15日(火)

論文をテキストチェックに出しました。僕の訳分からないであろう英語がどうなって帰ってくるのか,楽しみです。落ち込んでもいいんです。そこからまた,がんばりましょう。

2月14日(月)

世の中にはいろいろあるねえ。また小学校での刺殺事件。『スクールアタック・シンドローム』とか『好き好き大好き超愛してる』とかでもまた読んでみたくなります。

2月13日(日)

読書: 佐藤友哉鏡姉妹の飛ぶ教室』読みました(ネタばれあり)。戦慄の鏡家サーガ<例外編>。はっきり言って,これは何ですか?! −−誰もが365日分の1日で終わる予定でいた6月6日。鏡家の三女・佐奈は大地震に遭遇。液状化した大地に呑み込まれていく校舎を彩る闇の色は、生き残った生徒たちの心を狂気に染め上げていく……。みんなで飛ぼう! うーん,前作以上にぶっ飛んでる。のかな? 話には聞いていたけど,確かにちょっと西尾維新風なところもありますねえ。極限下で殺し合う生徒達けっきょくは,助け合っちゃうところが隠し味ってやつね←意味不明)というシチュエーションは,読んでないけど『バトル・ロワイヤル』とかを彷彿させます。まあ,僕がアレを読んでないのは,マンガで連載しているのを見て,笑い所がなさそうだなと思ったからなんですけど。

さてさて,『鏡姉妹の飛ぶ教室』なんですが,しっかり笑わせていただきました。それも腹の底からじゃなくて,胃の上のところで突発的に発生してしまった,みたいな笑いがふつふつと。しっかしまあ,あのラストは何でしょう。もしかしてこの時点でスペア佐奈ちゃん起動したんですか?よくわかりませんが。石川淳が坂口安吾の死について「からからと嗚呼大笑い」と述べていたのを思い出しました。そんな感じに笑うしかないですね。 うーん,傑作かどうかはわかりませんが(たぶん違うでしょう),満足度7/10点,あげちゃうよ。 「みんなで飛ぼう!」 だれが考えたのか,このフレーズはお気に入り。

ライブ: Seffer & Cahen 3DAYS最終日。今夜は日本が誇る変則高速トリオ(とでも言うのだろうか?)である是巨人とのコラボレーションです。まず前半は是巨人のみでのライブ。是巨人のメンバーはギター鬼怒無月,ベース ナスノミツル(職人的変拍子?),ドラムス吉田達也(とにかく手数がめちゃくちゃ多いので有名)。なんと鬼怒さんのギターを聴くのは3夜連続ですね(通算で27回目)。ナスノさんを聴くのが今夜で14回目,吉田さんのドラムに至っては30回目(もちろん一番多いです)。←ちゃんと記録をとってるのが我ながらすごいと思うけど...いずれにせよ,もうそろそろ聴き慣れてもという感じですが,そうでもないのが面白いところ。すごいです。短めだけど高速で複雑で激しく変化するような大変な曲ばかり。鬼怒のMCによると「自分たちでもなかなかうまく弾けない」とのこと。途中,ナスノさんの弦が切れるハプニングあり(何と二十数年ぶりらしい)。

休憩後,Seffer & Cahenのデュオから始まります。それほどジャズっぽくなくて,少し洒落た感じの(フランスだからって先入観が入っている可能性があるので信じないでね)を2曲。その後,是巨人のメンバーが加わって,まずは是巨人の曲を2曲演奏。って,あんな複雑な曲をリハーサル1回だけでやるのは,ちょっと無謀では。ピアノのCahenさんはまあ楽しそうでしたが,サックスのSefferさんは少し困った様子。サックスって早弾きに向いた楽器じゃないですよね。もっと違ったこともできたんじゃないかと,ちょっとだけもったいないきもしましたが,ただ二人が引っぱる部分ではさすがに魅せてくれます。

最後はZAOの曲を2曲演奏。こちらは本領発揮というか,すごくよかったですね。是巨人の曲では何というか容赦なし(手を抜くのはかえって失礼?)という感じだった吉田さんのドラムですが,今回は競いながらうまく盛り上げるような,よい絡み具合です。テンポが先ほどよりゆったりしているぶん,自由度が高いからかな。見せどころが多いといった好演でした。アンコールの拍手の中,メンバーみんなが楽屋に入らないうちにCahenさんが戻ってきてしまい,押し戻されるメンバーたち。アンコール曲が,これまたさらにすごい演奏。Sefferさんもここでは満足そうでした。ちょっとアレ?企画が...みたいなところもありましたが,終わってみれば楽しいライブでした。ぜひ,また来てほしいですね。

読書: さらに森博嗣奥様はネットワーカ』まで読みました(ネタばれあり)−−大学の工学部を舞台に、それぞれに秘密を抱えた6人の視点で、連続殺人事件を追う、ちょっとホラーでポエティカルなミステリィ。 コジマケンのイラスト満載で,しゃれた感じの一冊です。ポエティックというか詩のような(←同じだって)記述は好き嫌いの別れるところです。まあ森ミステリに馴れている人には問題なしだと思いますが。けっこう熱狂的なファンは多いみたいだし(←関係ないけれどね)。僕には多少きついところあり(誰のパートなのかが分からなくていらいらしてしまう)。中身ですが,軽めの内容だけどしっかり‘叙述’トリックがあるので,そういうのが好きな人は損はしないでしょう。ちなみに,ちょっと納得いかないところあり(ノベルス版でp.22-23のサエグサ・パート,彼が帰ったのはどちらの家?)。まあ6.5/10点(イラスト分で1点上乗せ)かな。

2月12日(土)

環境アセスに関する講演を聴きに行こうかと思いましたが,面倒になって急遽止めました。待っていた人(いないと思うけれど),すまんです。

読書: 関田涙の『蜜の森の凍える女神』を読みました。関田さんもメフィスト賞出身者(31回受賞)ですが,わりと普通の本格ミステリー。特に良い噂も悪い噂も聞かないので,どうかなと思いつつ読んだのですが,さて。−−大学生らが集い吹雪の山荘で行った「探偵ゲーム」。余興のつもりが、翌朝現実の刺殺死体が発見されて事態は一変し…。ヴィッキーという仇名を持つチャーミングな女子高校生が大活躍。 って内容ですが,うーん文章がちょっと...っていう感じ。会話においてこれは誰の発言だろう?と悩むところがわりとあるし(登場人物のキャラ分けがうまくいっていないのも原因),仰々しい説明文も多いしで,けっこう読むのに時間がかかってしまいました。一応,作家志望の中学生が書いた記録という形になっていて,途中で探偵役のヴィッキーも「本当,読みにくいでしょ」とか言ってますが,わざと読みにくくしてるのでしょうか? (わざとだったらやめて下さい。)

ではストーリーとかトリックとかはどうか?(ってトリックにはそれほどこだわらないんだけどね。)登場人物もストーリー展開もやっぱり地味。ただし,後半になって出てくるヴィッキーから読者への挑戦状,この中身は新鮮でよかったかな。これにはちょっと驚きました。文章が読みやすくなっているのなら次作も読むけれど,どうなんでしょう?

ライブ: 今日も行ってきました。昨日からやってるSeffer & Cahen 3DAYSですが,昨日は別のライブに行ってしまったので,2日目からの鑑賞です。Yochk'o SefferにFaton Cahenといってもプログレに詳しい人しか知らないと思いますが,フランスの有名なジャズロックバンドZAOMagmaの主要メンバーです(どちらにも今回の2人が参加していますが,一般的にはMagmaのほうが有名かな。ZAOのほうがジャズ色が強いらしい)。ちなみに僕はZAOのアルバムを1枚持ってますが,それほど何回も聴いたわけではありません。Magmaは持ってないけれど,かかっているのを聴いたことは何回かあります。まあ僕はそんなレベルなんで,難しいことは質問しないで下さいね。

さてSeffer,Cahen,この名前にピンと来る人はそれなりにいるはずなので,やはり客の入りはなかなかです。観客席の中央前方には往年のプログレファンといった中年男性が集まっています。この人たちは演奏中もほとんど身じろぎせずに聴きこむのが特徴で,ちょっと不気味(←失礼!)ですが,まあ余談です。笑って許して。で,最初はFaton Cahenのピアノソロから。Cahenさんは太ったおじさん(←それもどうでもいいよ)ですが,繊細なタッチで弾き始めます。それほどジャズっぽくない演奏。フランスのピアノ曲というとドビュッシーとかサティとかラヴェルとか思い出しますが,そういう感じでもないですね。ここで今回共演のERA壷井彰久vn+鬼怒無月g)が登場ですが,その前に少し休憩。

2ndステージは,まずはERAだけで2曲演奏。鬼怒さんは昨日聴いたばかりですが,今日はアコースティック・ギターが中心。しかしまあ,鬼怒さんのMCはいつも淡々としていながら,何となくおかしい。そういえば鬼怒さんの演奏を聴くのも25回目ということで,僕にはなじみ深い演奏家になりました(話したことはないけどサインはもらったことあるよ)。壷井さんもよく聴くバイオリニストですが,ERAとして聴くのは3回目です。「エックスプローラー」(だっけ?)はいつ聴いてもよい曲ですね(当たり前っちゃ当たり前だよな。聴くたびによくなったり悪くなったりする曲ってどんな曲だろうね。←だから余談はいいって)。ERAにCahenが加わり,3人でERAの曲を3曲演奏。悪くはないんですが,もともとデュオ用の曲ということもあるのか,ちょっと音が過剰な印象もあり。何となく変なところで終わっちゃった曲もあったようですが,まあそれも含めてセッションの醍醐味といったとこもあるので,まあよいでしょう。

休憩をはさんで,最後はSefferも加わり4人での演奏。Sefferさんは,ソプラノサックスですか。クラリネットかと思いました(外見だけだと僕には区別つかない)。MCはよく聞き取れなかったけれど,ZAOの曲を4曲演奏したみたいです。鬼怒さんのギターは3-4曲目だけ例の水色のエレキでした。わりと早めの曲が多かったのかな。4人の息もよくあって,なかなかの白熱した演奏です。先ほどはそうは思わなかったのですが,Cahenのピアノと鬼怒さんのギターもより合うという感じです。どの曲も変化が多くて面白く,特に3曲目なんかは僕は特に好きです。アンコール曲はSefferもすごかったですが,壷井さんのヴァイオリンが頑張っているのも印象に残りました。

2月11日(金,建国記念の日

ライブ: 世の中的には三連休です。世の中的と言いつつ,僕もしっかり休んでますから,意味なしですが。今日から三夜連続でライブに行きます。今夜は『METEMPSYCHOSIS 2』というイベントで,muddy muddy muddy world,Conti,Kyu,Coilの4バンドが登場です。

まず最初に登場したのは,若者3人組(g, b, ds)のmuddy muddy muddy world。プログレ系のジャズロックバンドですか。名前も初めて聴きましたが,わりとよかった。特にドラムが面白いですね。まだステージ上での立ち方がちょっとアマチュアっぽいですが,そのうち何とかなるでしょう(←偉そうでスマン)。夏にはJ. Zornのレーベルからアルバムも出るそうですよ。それはそうと,演奏中でたまに入るヴォーカルは,アルバムではゲストにやってもらった方がいいですね(←さらに偉そうでスマン)。また近くでやるなら聴きに行きます。

2組目はConti。シタール(インドの弦楽器)の鹿島信治とドラムスの小林拓馬によるユニットです。短い曲が多く,ルインズみたいな感じですか。早い演奏に時々ヴォイスが入ります。シタールの音って,独特な響きが不思議で何かよい感じですが,どうしてあんな音が出るんでしょうね。先の方に付いている円盤みたいなのが種なのか? あの微妙な余韻がドラムの音で消されてしまうのは,ちょっとだけもったいないような気もします。そういうのを生かす曲もあったらより面白くなるのではないでしょうか。個人的には,最後にやった曲がすごく気に入りました。あの手のヴォイスの入り方ってかなり好きなんです。CD買ってもよかったんだけど,ちょうど予算が... 僕が買おうか迷ってるのを横で鹿島さんが眺めてましたが,がっかりさせてごめんね。

3組目は球-Kyu-。eX-GirlというバンドのリーダーKIRILOLA(vo,electro,b,timpani)と箏(こと)の演奏家・八木美知依とのユニットです。とりあえず,雰囲気が...怪しいです。スペースオペラとかサイバーパンクとか(←よく意味が分かんないで言葉のイメージだけで使ってますが...)そんな感じの衣装で出てくる二人。演奏の中身は‘電子音が飛び交う日本の古典芸能’といったところですか。八木さんの演奏を聴くのは7回目ですが,今回が一番インパクト強し(どちらかというと演奏よりも衣装が...)。まあそれはおいておくとして,最後にやった「鬼怒無月に捧げる曲」,すごくよいですね。演奏もかっこよかったけれど,途中で連呼される「鬼怒無月!鬼怒無月!」が面白くてつい笑ってしまいました。ステージ後ろのスクリーンにいろいろ映像が映し出されるのですが,そこにも「鬼怒無月」の4文字が... ちなみに「鬼怒無月」は「きどなつき」と読んで,次に出るCoilのギタリストです。ちなみに,これまたどうでもいいことですが,八木さんの話し声って,劇場とかのアナウンスとかが似合いそうですね。「これより10分間の休憩になります。皆様お早めに席にお着き下さい」とかそんな感じの...。

4組目がその鬼怒無月率いるCoilです(あれっ,リーダーは鬼怒さんだっけ?早川さんだっけ?)。ギター鬼怒無月,ベース早川岳晴,キーボード中山努,ドラムス田中栄二のカルテット。前のユニットの後にこれというのは,硬派というか男臭いというか,だいぶ雰囲気が変わりますね。盛り上がる女性客が多かったのですが,ドラムスの田中栄二(小柄な感じだけどけっこうかっこいい)のファンかな。轟音-疾走といったイメージで,かっこいいです。強いて言えば,参加したばかりの中山さんの演奏があまり目立たなかったのが少し残念です。裏方に徹しているという感じだったのですが,もうちょっとソロとかあったらよかったのに。まあ今回は曲数も少なかったので,また今度,ゆっくり聴きたいです。鬼怒さんのMCは相変わらずの楽しいもので,メンバー紹介での「先ほど紹介にあずかりました鬼怒無月です。」という照れた感じが好印象です。さて,アンコールは何とかというバンドのカバー曲でしたが,鬼怒さんのヴォーカルが本格的なので今更ながらびっくりしました。あまりボンフルとかでも聴いたことがないので,機会があればまたヴォーカルものもやってほしいです。

読書: 維新の次はユヤタンかと思いきや,先日読みかけたままの関田涙『蜜の森の凍える女神』を読み始めました。『飛ぶ教室』を急いで読んでしまうのは,何となくもったいないような気がしてねぇ。普通の本格物と交互にいくことにしました。


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